『可愛院勇気凛々大居士』愛犬りんりんの戒名です。
散歩が好きで、いつも外に出たがっていたりんりんにも、動物病院で健康診断を受けたとき、悪性リンパ腫の疑いが分かりました。
すぐに亡くなるのではなく、ゆっくりと身体が弱っていくという診断でした。
食欲は旺盛なので、これだけ食べたがっていて本当に病気なのか、信じられないようでした。
しかし、病魔はゆっくり進行し、キレイな艶のある、りんりんの毛並みも、ゆっくりと衰えていっています。
2008年になり、初夏の頃から夏にかけて、いよいよ後どのくらいまで命が持つか、動物病院の先生も治療に対していろいろ提案してくれました。
りんりんが通ったのはリバティー動物病院です。
ここで定期的に点滴を受けていました。入院する事もありました。
毎日見ているとその変化に気がつきにくいのですが、以前の元気なときの写真に比べてりんりんの衰弱ぶりは、はっきりと外見に出てくるようになりました。
リバティー動物病院は、りんりんの通院のために朝迎えに来てくれます。
りんりんは病院に行くと点滴されるのを分かっていても、家族の皆がりんりんの事を心配してくれていることが伝わったのか、動物病院のお迎えが来ても嫌がらずに車に乗っていました。
動物病院の担当者のお姉さんは、りんりんに優しい声で、りんりんちゃんはお利口ね、ちゃんと良い子して点滴を受けてますよと、家族にもりんりんが病院では迷惑をかけていないことを伝えてくれました。
りんりんはすすんで、キャリー用の箱に入っていきます。
でも本当は、病院に行きたくもないし、注射も嫌だし、ケージに入れられて運ばれるのも嫌だったと思います。
りんりんは病院から帰ってくると、家族の皆に「僕、痛かったけど我慢したよ」と、治療の様子を皆に聞いてもらいたかったし、励ましてもらいたかったようです。
辛いけど頑張ろうねとりんりんをなでながら励ましてあげると、りんりんは怖かった注射のことや、病院でのひとりぼっちの寂しさを忘れてくれます。
2008年8月に入ると、結婚式のために家族の皆で9月にはハワイへ行く事がだんだんとはっきりとしてきました。
しかし、りんりんを置いて家族全員が家を留守にして、ハワイへ行くことには大きなためらいがあります。
9月に入ると、結婚式は本当にハワイで出来るのか?と、皆で考える切羽詰まった状態になって来ました。
りんりんは、シーズー犬できれい好きです。
その性格からなのか、段々体が弱ってくると、今まで家の中で暮らしていたりんりんは、自ら進んで玄関のタイル張りの土間に自分の寝る場所を探し、居住する座敷に一線を画してきました。
これも、りんりんの美学でしょうか?自分の衰弱した体を、どこに置くかを自分で決めたようです。
2008年9月21日、夕方5時頃、りんりんは家族に看取られて亡くなりました。
とても周りに気を使って、ハワイで結婚式をする為にはこの日がぎりぎりの決断日でした。
しかもこの日は、一番好きなお姉ちゃんの誕生日でした。
りんりんが亡くなって、戒名をつけることにしました。
松葉博雄が考えたのは、りんりんは皆に愛されて可愛かった事、そして勇気があった事から、
『可愛院勇気凛々大居士』としました。
りんりん専用の仏壇も用意し、亡くなった後はお花をお供えし、お水を毎日替えています。
当時のスタッフの佐藤さんが、お母さんに頼んで、りんりんの天国にいる様子を貼り絵にしてくれました。
りんりんは皆さんに愛されて、今でもみんなと楽しくやっているように見えます。
もし、命がまた繰り返して続く輪廻転生があるとすれば、りんりんはきっと身近な所に生まれ変わり、きっと、ひとかどの人間になるのではないかと、仏壇に座ってりんりんと話しています。
りんりんのオーナーだった娘の弔辞では、りんりんは、平穏な日常の生活がどれだけ幸せだったかという事を私たちにを教えてくれました。
私たちは改めて、りんりんが教えてくれた平穏で心静かな生活を、これからも守っていく事が大切だなと思いました。
2015年9月19日(土)