ラーメン店は居抜きでお店を譲り受けると、損益分岐点は下がります。
投稿No:8021
ラーメン店の80%は三年以内に閉店しています。
お昼のランチに、センタープラザの道路沿いにある、麺屋 天孫降臨(てんそんこうりん)に行きました。
あれから5年経過です。ラーメン店が5年続くには隠れた努力があると思
い、お店に中でどんな努力をしているのか、勉強させていただきました。
隣には、同じ天孫降臨の鉄鍋ぎょうざ屋が並んでいます。
入口を分けて、中ではつながっています。
餃子とラーメン、両方食べたい人は、麺屋に入って、ラーメンは要らない人は、ぎょうざ屋に入るといった感じでしょうか。
ラーメンを食べていても、気になるのはラーメン店の存続の仕組みです。
一般にラーメン店は一日100杯売れると、繁盛店と言われています。
街中の商店街で、ラーメン店にお客が入るのは、11時半から1時半までの3
時間と、夕方の6時頃から8時頃までの2時間の計5時間です。
この間に、100杯のラーメンを売るには、1時間で20杯の売上げになります。
席が10席だとすれば、30分で食べ終えるとして、1時間で2回転です。
天孫降臨は、鰻の寝床のように間口が狭く、奥が深いお店です。
席は10席以上あります。
奥にはテーブルもあります。
こちはイスがないので、立ち食いになるようです。
ラーメン屋さんなので、一人で来てぱっと食べて出る人には立ち食いくらいが丁度いいのかもしれません。
5時間の間に、お客様の入りが絶えることなく、フルに満席になれば、100食は可能かもしれません。
ここまでは、MBA的な基礎知識でお店に入りました。
お店に入ってみると、お昼の時間帯でしたが、お客様は私と奧さんだけでした。
奥の方で隣のぎょうざ屋天孫降臨と繋がっていて、ラーメン屋とぎょうざ屋さんは、同じ店だということが分かりました。
天孫降臨は、ラーメン激戦区三宮でもう5年も続いているとなると、味や
サービスの良さがお客さんを招き、お店の存続に繋がっていることが分かります。
5年前に比べて、お店の雰囲気も明るく、少し綺麗になったように感じます。
ラーメン屋さんが儲ける仕組みを作るには、回転率を早くすることと、客単価を高くすることです。
客単価を高くすることには、ラーメン自体を高くしてはお客さんの不平に繋がるので、トッピングを増やす事です。
天孫降臨のトッピングは、のり5枚100円、温泉卵120円、味玉140円、チャーシュー280円です。
のりの原価は20円程度です。
温泉卵は卵は兵庫県の温泉湯村温泉で作った温泉卵なら原価は高くなります
が、温泉水を汲んで自社でゆで卵を作れば20円程度です。
いかにトッピングを注文してもらうかが収益を高める大切な要因になります。
ラーメン屋さんを開くには、ラーメンの修業をしなければいけません。
一般に、ラーメン店での修業は3年程度かかります。
よほど人気店のお店で修業をしなければ、3年かけて修業をした意味がなくなります。
繁盛店の厨房に入って、ラーメンの修業をさせてくれるところは少ないの
で、良いお店に修業に入れれば、ラッキーです。
ラーメン店を新規に開業すれば、小さなお店でも1500万程度が必要です。
1500万円を1杯730円のラーメンを売るには、約2万杯必要です。
だったら、開店資金を下げる事です。
居抜きのラーメン店を引き継ぐことが出来たらラッキーです。
調理器具や食器、厨房施設がタダに近いような格安価格で譲り受ける事が出来ます。
私が沖縄でよくいくラーメン店、風風ラーメンでは、パチンコ店が経営して
いたラーメン店を酒屋さんが引き受けるときに、取り壊し費用がかかるのに、
「取り壊し費用がいらなくなるのだから、タダにして下さい」
と交渉すると、本当にラーメン店の厨房施設や、食器、調理器具など、一切がタダになったそうです。
どうして重機一切がタダになるかと言えば、一般にラーメン店は3年以内に
80%のお店が、閉店するからです。
儲かると思って始めて見たものの、やってみると、そんなに儲かる物ではなくて、出費が嵩むのです。
材料費は、ラーメンが売れるから、材料費が発生しますが、店内のクー
ラー、照明、等の電気代は売上げに関係なく発生します。
ラーメンのスープを美味しくする為には、長時間寸胴鍋を加熱することになります。
この電気代とガス代が、小さなお店でも、1ヶ月7~8万円かかります。
水道代は、一万円程度です。
1ヶ月100杯の繁盛店になれば、とてもオーナー1人では運営できません。
アルバイトスタッフを採用することになれば、時給850円以上はかかります。
淡路島の淡屋で調べたら、うどん、ラーメン、スパゲッティには製麺機が必要でした。
製麺機は一台、安くて130万円です。
注文は入り口にある食券を買って行います。
食券発行機を置けば、精算に人手は要りませんが、食券機を買わなければいけません。
調べてみると、安くても70万円からで、高くなると200万くらいになります。
開店コストはかかるばかりです。
ラーメンは全部で5種類ありました。
メニューの中できになったのは、1200円もするラーメンです。
その名も天降極上らー麺です。
こちらのラーメン、最後は残ったスープにご飯を入れて食べるのがオススメなんだそうです。
せっかくですが、最後にご飯を入れるほどは食べられないので、
醤油ラーメン730円と、天降まぜそばの並を頼んで、奧さんと分けて食べます。
天孫降臨のらーめんの特徴は、魚介黒豚げんこつ鶏白湯スープです。
贅沢なことに、魚介・豚・鶏が入っています。
まぜそばは奧さんの希望で注文しました。
想像以上のボリュームです。
食べ盛りの若い人にはオススメだと思います。
三宮に新しく出来るラーメン屋さんは存続が難しいようで、この界隈はラーメン激戦区と言われています。
麺屋とぎょうざ屋を構えている天孫降臨には、これからも頑張ってほしいと思います。
ラーメンをお昼に食べながら、短時間でしたが、ラーメンが存続するための
儲かる仕組みを考える良い勉強になりました。
2018年8月7日(火)