「日本料理 しげ松」の料理長は重松良三さんで、女将さんは、重松元子さんです。

日本料理は、料理人が客を育て、客が料理人を育てるという、相互関係にあります。つまり、腕自慢と食通との競争的関係にあります。

「日本料理 しげ松」で、長女と、奧さんと、3人で、誕生祝いの会席です。しげ松の女将さん、重松元子さんとは、Facebook友達なので、一度お会いしたいと思っていました。

「日本料理 しげ松」は、予約制のお店です。お部屋は3つあるなかで、一番広いお座敷を予約しました。

部屋に入ると、床の間に、エゾツツジと思われる、枝振りの良い生け花が飾られています。お部屋は、掘りごたつのお座敷で、「寿のお部屋」です。

6時の予約で、少し遅れて部屋に着くと、女将の重松元子さんが、満面の笑みをたたえて、ご挨拶に入ってこられました。

「予約の松葉です。」と言っても、ストレートにはわからなくて、「いつも、Facebookでお目に掛かっている、松葉博雄です。」と少し分かり易くお話しすると、すぐに伝わりました。

松葉博雄も、重松元子さんが、初めてのように思えなくて、Facebookでは、色々な記事を読んでいます。中でも、お母様の看病の記事や、料理長のご主人とのご一緒のお写真は、何度も拝見しています。

最初のお盆は、季節のお料理です。まるで、小さなお盆の中に、世界が広がっているような、お料理の物語です。

ちまき、筍の和え物、沖縄のもずく、タコ、玉子、からすみ、鯛の白子など、手を付けるのが勿体ないような、きめ細かいお料理です。

もずくの関連で、松葉博雄は、沖縄に152回行っているんですよと、女将さんにお話しすると、驚きの表情です。

娘は、木の芽は好きではないのですが、この筍の木の芽和えなら、嫌いと言わないで、「どんどん箸が進む」と、喜んで賞味しています。

松葉博雄は、サービスマーケティングが専門で、そのほか、経営組織論、経営戦略論など学んだので、それに合わせたお話をして、まずは、最初の緊張感をほぐしました。

しげ松の重松元子さんは幼い頃、宮本武蔵の生誕地である、岡山県の英田郡大原で育ったそうです。昔は、道路が舗装されていなくて、トラックが走ると、砂煙が立ちこめるような、村だったそうです。

毎日毎日、美味しいお料理が厨房で作られます。それを、お運びさんが、座敷まで運んできます。お客様から、料理の素材や、お魚の名前など、尋ねられることだと思います。

この教育はどうなっているのかと尋ねると、スタッフの方は、最初は和服の着付けから、料理の運び方、お客様へお料理を配膳する作法など、基本的な注意事項を学ぶそうです。

最初、一時間かかっていた着付けが、そのうち短縮され、40分、30分へと短くなっていきます。

お料理についても、教えてもらえるのでしょうか。味はどうでしょうか。お客様から、「このウニは、どこのうにですか?」と尋ねられたら、「青森のウニです。」と、答えられても、味について尋ねられると、食べたことがなければ、どう答えるのか気になります。

想像ですが、これだけの、毎日変わるお料理を全て試食して、味を覚えることは、調理人の仕事ならわかりますが、配膳の仕事の方は、無理だと思います。

日本三大珍味のひとつ、このわたが出てきました。日本三大珍味の記事を掲載すると、大変多くのアクセスがあります。三大珍味とは、くちこ、このわた、からすみです。

最初はビールで、その後は、芋焼酎の三岳に移ります。三岳は、屋久島で見つけた芋焼酎で、それ以来、三岳のファンになっています。

早くも、稚鮎です。下の写真は、しげ松のFacebookで見た若鮎ですが、この若鮎を見たとき、早くも初夏の訪れを感じていました。

食べたいなと思っていた若鮎が、今日のしげ松のお料理の中に出てきたので、とても嬉しく思います。

何人かのスタッフが、交代でお座敷にお料理を運んでくれて、その都度、つい、サービスマーケティングの研究の延長戦で、スタッフの方に、あれやこれやと聞いてしまいました。

今日のご飯は、土鍋で炊いた、ホタルイカの炊き込み御飯です。しげ松の女将さんは、お座敷を回っては、ご予算に応じたお料理の説明をして回っているのです。

「Facebookで拝見しましたが、著名な方もよく来られていますね。」とお話しすると、「お陰様で、お客様には恵まれています。」と、素直なご返事でした。これは結構なことです。

日本料理は、料理人が客を育て、客が料理人を育てるという、相互関係にあります。つまり、腕自慢と食通との、競争的関係にあります。

昔から、優れた和食をつくる料理人は、お大尽が育てています。優れた食材は、豊かな財力のある、消費地に集まってきます。

今日は、お誕生日の会食と言うことで、お吸い物には金箔が使われていました。金箔は、絶対に消化できません。しかし、金箔を使って祝って頂いたという、おもてなしの心は、松葉博雄の心で消化できます。

お座敷で食べる和食の良さは、時間を忘れて、ゆっくりと落ち着いて頂けることです。いつの間にか、2時間以上も経過していました。

会食が終わり、お店を出る前に、ご主人の重松良三さんと、女将の重松元子さんが、おそろいでお見送りにでて来られました。

重松良三さんは、「料理の鉄人」最終回に大抜擢された、実力の持ち主です。

調理場には、料理長の重松良三さんのほか、3、4名の料理人が、常時働いているそうです。最近放映されているテレビドラマで、「天皇の料理番」という番組があります。あの時代の料理人は、料理の味と腕は、習うものではなくて、教えるものではなくて、盗むものだったそうです。

もう一つ、2010年に京都の「旬席 鈴江」で聞いた料理長の話では、

「昔の、修行の時代は、親方があちらこちらに、手伝いに行くように指示があり、忙しい宴席の準備で、たった2時間くらいしか寝られないときがあり、料理服を着たまま、布団を入れている押入れの中で寝たこともあります。」とのことでした。

それが今の時代では、教えることを前提として、他店のご子息、跡継ぎさんなどを、厨房でお預かりして、一人前の料理人に育てて、それでお返しする時代です。

最後に、Facebookでお馴染みの、重松元子さんの、歯痛ポーズで、記念撮影しました。

一流どころには、一流のお客様が集まり、一流のお客様には、一流の食材が集まり、そして、一流の料理人を育てていくことが、今日のしげ松の女将さんとの会話で確認できました。

2015年5月8日(金)



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