グルメ レビュー:京都和食のグルメ 京都旬席のグルメ 「旬席 鈴江」のグルメ 鈴江の 鈴江四史人料理長にグルメ修行時代の話をしっかり聞きました

博士の学位取得と誕生日のお祝いの食事(2)

皆さんに、博士の学位記を見てもらって、これから本格的に料理コースに入ります。

後から書くのですから、何が出て、何が美味しくて、何に感動したのか、写真を見ながら思い出しながら書いています。

確か最初には、兵庫県三田市の「蓴菜( じゅんさい )」と淡路の「ウニ」を使った小鉢で、つるんとした喉越しで冷たい食感でした。

旬席鈴江

蓴菜( じゅんさい )は、大阪地方では、「あいつは、蓴菜( じゅんさい )な奴や。」と言われるように、中々上手く世渡りをする人のことでもあり、喉越しも、引っかからずにすり抜けていくような滑らかな調子です。

旬席鈴江

お刺身は、淡路の由良から届いたといわれる、鯛の刺身です。

旬席鈴江

最初に、出てきたときは、刺身の上には木の葉がドレスアップとして載っています。木の葉をそっと取り去ると、その下に身の引き締まった、艶のある、初夏の美味しい鯛の刺身が現れます。

旬席鈴江

Uくんは、離乳食に進んでいるので、小さくして食べられるものはあげてみます。

鯛の煮物は箸で砕いて、小さくして、骨が入っていないかよくよく注意して、そしてお口にそっと持っていくと、開けゴマのように、自然に条件反射のように、Uくんの口が開いてきます。「こんなに幼い時から、京都の料亭の美味しい料理で育っても、大丈夫かな?ずっと続くのは大変やで」と周りから、ツッコミが入ります。

鯛を食べるUくん

料理人さんは、若い人ばかりです。ちょっと声をかけてみます。

旬席鈴江

「将来、独立するつもりで修行しておられるのですか?」と尋ねると、「ええそうです。」

「だったら、味は親方が教えてくれるのですか?」それが、「味は、教えてもらえるものではなくて、自分で盗むんです。自分で、確かめながら作っていくんです。」ということです。

旬席鈴江

シーズンとしては終わりの頃ですが、竹の子ととり貝のあぶり焼きです。「旬席」と言われるとおり、「鈴江」では季節の食材を生かして、料理長が素材の持つ旨さを引き出す料理を作ってきます。

旬席鈴江

竹の子の場合は、炭火で焼いて、若竹の延びるような、青臭いような、地の匂いのするような、大地を突き抜ける若い新芽のような、えもいえぬ季節感を演出してくれます。

旬席鈴江

旬席の料理も、序の席から中の席に進み、そろそろ今日一番の料理が出てくる頃、旬席鈴江のオーナー料理長 鈴江 四史人さんが登場です。

旬席鈴江

早速、松葉博雄は、鈴江 四史人料理長さんへ質問をしていきます。

「この道、何年ですか?」


「15の時からはじめて、30年以上になります。」

アワビの味付けはとても美味しくて、この味付けがどうしたのか気になりました。

旬席鈴江

「味は、どのようにして覚えていくのですか?」


「親方や、先輩たちが作ったお料理を、ちょっと味を利いてみて、そこから記憶に残していきます。でも、仕事の途中でメモを取ることは許されず、時間がたったら忘れてしまうので、ちょっとの時間でもあれば、大慌てで、メモに書いて、忘れないようにしてきました」

旬席鈴江

話の盛り上がり中にでてきたお寿司は、冷凍ものではない生のマグロのにぎりと、まぐろを炙り焼きしたにぎりです。料理長に、食材についてどこの産地で、どのように料理したかを聞きながら食べています。

旬席鈴江

「昔の、修行の時代は、親方があちらこちらに、手伝いに行くように指示があり、忙しい宴席の準備で、たった2時間くらいしか寝られないときがあり、料理服を着たまま、布団を入れている押入れの中で寝たこともあります。」と料理長。

鈴江四史人さん

だんだん話が、熱を帯びてきて、核心に触れてきて、どのように自分の味を作っていくのか、修行したことがどのように料理の形に現れてくるのかなど、話は尽きません。
話を聞きながらも、次々出てくる旬の食材を使った料理に舌鼓を打ち、お寿司をつまみ、ビールを飲みながら、感動的な話に聞き入っています。

松葉博雄

京都の料亭は、一見さんをお断りしている店が多くあります。

絵画

大抵は、紹介から始まります。「旬席 鈴江」も広告はしていません。ほとんどのお客様は、常連さんか、お客様の紹介です。

絵画

壁にかかっている絵は、岡山県の画人、小野竹喬画伯の絵でしょうか?目に留まりました。