商社の仕事内容はトレーディング 買い手と売り手との仲介 【社長経営学】シリーズ 3
投稿No:9583
商社の仕事内容 トレーディング 買い手と売り手との仲介 【社長経営学】シリーズ 3
2年目から得意先をもたせてもらい、
取引先訪問が始まりました。いわゆる営業です。
営業は、商社の顔ともいえる職種です。
売り手と、買い手との仲介役になります。
社内での業務より、取引先に出向く時間が多く、
断られても、買ってくれなくとも、
めげずに通い続けるハードな仕事です。
担当者に名前と顔を覚えてもらえるように
幅広い話題を考えて、
中国の歴史書の史記や三国志、
太閤記、坂本龍馬などの歴史書、
落語の本などを通勤電車の中で読んで、
面白い話が出来るように心がけました。
商社マンの仕事は トレーディング
注文を得意先からいただくと、
仕入れは自分で仕入れ先から値段交渉をして
納品の手配をします。
鋼材は日々値段が変わる市況商品なので、
いくらで卸してもらえるか、
製鉄所の営業担当者と交渉にあります。
販売と仕入れの段取りが出来ると、
次に鋼材を現場に納める手配をします。
鋼材倉庫の課長にお願いして、
納期に合わせてトラックの手配をし、
納期遅延にならないように
繰り返し運送の確認をしました。
もし、現場に納める鋼材が遅延すると
工事が遅れることになるので、工事が遅れると
ペナルティに発展しかねません。
納期延長がないようにくれぐれも、
納品の手配を確認することが担当者の責任です。
この後、売った商品の代金回収も、
担当者の責任です。
通常、支払いは約束手形で支払われていました。
支払日は、月末の平日です。
経理課に出向いて、受取手形を受領すると
会社に戻り、経理課へ入金していました。
約束手形の期日は120日で
もし、この約束手形が不渡りになれば
得意先担当者としての
債権管理の責任は私にかかってきます。
不渡りをつかまされて、上司から管理責任を強く
責されている社員の姿は、そばで聞いていても
気の毒なくらいみじめでした。
入社3年目のある日、
私が担当していた得意先が
興信所の与信調査で、
与信(信用を供与すること)問題を指摘されました。
資金繰りに不安があるかどうかは、
現場に行けば分かると思い、
仕事が終わってから、
夜、単身で清酒一升瓶を抱いて、
鉄工所の社長の様子を伺いに事務所に行きました。
社長は、夜遅くに私が訪問したことを喜んで
昼間とは違った対応をしてくれました。
コップ酒が進み、社長の口が軽くなったのか、
現在の経営状態を話してくれました。
経営の先行きはむずかしいようです。
それで、この会社との取引高を
ゆっくり抑制して、
不渡りの事故は未然に防げました。
このように商社マンの仕事は、
売り先と交渉し、成約が出来ると
仕入れを自分自身でメーカーと交渉して仕入れ、
納品の手配をし、その後月末には
代金の回収に集金にいきます。
債権管理も大事な業務で、
受け取り手形が不渡りにでもなれば
大変な責任問題になります。
このような売って、仕入れて、代金を回収することが
トレーディングの完結になります。
まとめ
新入社員の始めの頃は、先輩社員の活躍が
眩しいくらいに、思えていました。
同行セールスをさせてもらったり
帰りに、お酒を飲みながらトレーディングの
イロハから教えてもらいます。
慣れるまでは、親しい取引先を持たせてもらって
段々と、新規開拓ができるように
営業経験を積んで行きました。