高炉メーカーと特約店の癒着関係【社長経営学】シリーズ 4

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高炉メーカーと特約店の癒着関係 商材を見つける 新規開拓 販売活動は自分自身で 【社長経営学】シリーズ 4 

営業の仕事に慣れてくると

これまでの既存の取引先への販売活動だけではなく、

まだ取引がない相手先の開拓をするように求められます。

いわゆる、新規顧客開拓です。

建材課の主力商品として

H型鋼の需要が伸びてきました。

ビルの建設には、H型鋼を使う鉄骨の

ビルディングが増えてきたのです。

建築物の梁と梁をつなぐ支柱として

新製品は開発されてきました。

神戸製鋼所ではSコラム、

久保田鉄工ではGコラムが

支柱材として販売されるようになりました。

私は新しい任務として、

SコラムとGコラムの、

販売を伸ばそうと自分自身で考えました。

新しい市場を見つけ、販売を伸ばすことは

商社では、しなければならない任務なのです。

どんな鋼材を使ってビルを建てるかどうかは

建築設計事務所が決めることです。

そこで、有名な建築設計事務所を訪ね、

SコラムやGコラムを採用してくれるように

カタログを持って新製品の紹介に回りました。

紹介者なしの飛び込みセールスなので、

なかなか会ってもらえず、会ってもらえても

すぐには売り込みが成功するわけではありません。

気長に通って、神戸製鋼所のSコラム担当者と同行して

なんとか設計に採用してもらえるように

訪問活動を続けました。

そのかいあって、

かなり大きなビルディングに

Sコラムが採用されることになりました。

ここまで頑張ったので、

その納品は私が勤めていた会社に

なるものと当然のように思っていましたが

世の中はそんなに

単純なものではないことを知らされました。

鉄鋼商社の流通経路

鉄鋼商社の一次問屋、二次問屋、特約店制度は、

鉄鋼業界における流通組織や取引形態です。

一次問屋は、鉄鋼メーカーやと

直接取引を行う企業です。

二次問屋は、一次問屋から鋼材を仕入れ、

小売業者や建設業者などの需要家に販売する業者です。

特約店は一次問屋や二次問屋の商品を取り扱います。

特約店は、直接メーカーと

取引することはできませんが

一次問屋とメーカーとの間に入って

眠り口銭という、実際に功績がなくても

手数料が頂けるような、

縁故関係の裏技がありました。。

私の獲得したSコラムの納品は、

神戸製鋼所では、

案件の取り扱い商社をどこにするのか

決める権限を役付き者は持っていました。

特約店は、権限を持っている

役職者に気に入られるよう

接待に趣向を凝らしていました。

接待の効果は、私の努力を超える効果がありました。

結果として、こんな裏技があることを知らされました。

私は学生の頃から、

パチンコ、競馬、競輪、麻雀、

ビリヤード、囲碁、将棋などの賭け事は

していませんでした。

これは商社マンにとってはかなり不利な状況です。

取引先と円滑にビジネスを行うには

麻雀は必須項目のようでした。

ビジネスには光の当たる場面と、

光の当たらない影の部分がある事を

身をもって体験しました。

社長経営学 シリーズ 5へ続く

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