五斗長垣内遺跡(ごっさかいと)兵庫県淡路市黒谷 弥生時代後期 国内最大規模の鉄器製造群落遺跡
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五斗長垣内遺跡(ごっさかいと)兵庫県淡路市黒谷 弥生時代後期の国内最大規模の鉄器製造群落遺跡
史跡 五斗長垣内遺跡(ごっさかいと)~弥生の鍛冶工房~
五斗長垣内遺跡は、
兵庫県淡路市黒谷にある弥生時代の遺跡です。
国の史跡に指定されています。
弥生時代後期の国内最大規模の鉄器製造群落遺跡です。
23棟発見された竪穴式建物跡のうち、
12棟が鍛冶工房建物であることがわかりました。
鉄がとても大切であった弥生時代にあって、
発見された建物の半数以上が鍛冶工房であり
しかもそれが同じ場所で100年以上も続いていた
ほかにあまり例をみない遺跡です。
淡路島で発見された鍛冶屋のムラは、鉄器の時代に
移り変わる社会の様子を知ることができる
とても貴重な遺跡です。
出典:五斗長垣内遺跡パンフレット
五斗長垣内遺跡
淡路市黒谷1395-3番地
Tel.0799-70-4217
開 館 9時00分~17時00分
休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日)
年末年始(12月28日~1月3日)
入館料 無料
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五斗長垣内遺跡(ごっさかいと)の鍛冶作業
五斗長垣内遺跡では、
ムラが出現してしばらくすると、
直径が10m近い大型の建物が出現し、
その中で鉄器づくりが始まります。
大型の建物の中では床の上に燃料となる炭を置き、
革袋を使った送風装置で空気を送ることによって
鉄素材を熱する鍛冶炉が設けられました。
鍛冶復元実験では、
炉内温度が1000℃以上に上昇することが
確かめられています。
鍛冶炉で熱した板状・棒状の素材を台石の上に載せ、
石製のハンマーで叩きのばし、
裁断などの作業を経て形を整え、
切っ先を砥石で仕上げる作業によって、
鉄鏃などの鉄器を作る作業が
行われていたものと考えられています。
遺跡の立地と時期
瀬戸内海の東端、淡路島北部の兵庫県淡路市黒谷五斗長地区に、
遺跡はあります。
島北部の中央を貫く津名丘陵の西側に面し、
海岸から約3㎞、標高約200mの場所です。
遺跡の範囲は東西約500m、
南北約50mに広がることが確認されました。
現地からは、播磨灘や瀬戸内を行きかう船や、
家島群島の島影が見渡せます。
出土した土器などから、村は弥生時代後期初頭に
出現し、後期末まで継続したことがあきらかになりました。
周辺には同時期の遺跡がたくさん存在しており、
それらとの関係が今後の研究課題の一つです。
鍛冶作業を行った建物
最大規模の建物跡SH-302は、
少なくとも2回の建て直しが行われています。
最初、直径7.5mで6本柱であったものが、
直径8.8mで8本柱へ、
さらに直径10.5mで10本柱の巨大な建物へと
規模が拡大していった様子がうかがえます。
床面の中央付近に10基以上の炉跡があり、
台石も残されていました。
このような大型建物では、柱を壁際に寄せています。
少しでも作業空間を広く取ろうと工夫していたようです。
鉄鏃(復元品)
出土した柳葉式鏃をもとに、
制作された当時の姿を復元したものです。
板状の鉄y素材を加熱して打ち伸ばし
裁断して形を整え、刃部を研ぎだした鍛造の技法により
制作されています。
石製の鏃に比べ、貫通力など
格段に威力が増したものと想像されます。
淡路の高地性集落
淡路では後期になると、
北部の標高200mを超える丘陵上に
弥生時代の村のあとが連なって見つかります。
その数はおよそ160か所にものぼります。
明石海峡を望む塩壺西遺跡(淡路市岩屋)では
のろし台の痕跡や大型鉄鏃、尼が丘遺跡(同白山)では
投弾(石つぶて)が出土しており、
戦いに備えていたようです。
一方、穴郷遺跡(同久野々)や舟気遺跡(同舟木)などで、
イイダコ壺や製塩土器がまとまって出土をするのを見ると、
海辺の民が移ってきたことがわかります。
ごっさ鉄器工房
ごっさ鉄器工房は、弥生時代の鍛冶作業復元を行うための
実験棟として建てられました。
遺跡から出てきた最も大きな竪穴建物を再現した場所です。
その中で鍛冶体験がおこなわれているそうです。
石器時代から、青銅器時代を経て
鉄器時代へと進化して行っていますが
淡路島の住居跡からは、当時としては最先端の
鉄の製品が発掘されているのです。
早速入ってみました。
中に入ると内部の直径は10.5mもあります。
内部で火を使い作業を行うため
萱の内面に不燃材を使ったり
換気用の窓を設置しているなどの
工夫があります。
住居跡からは、鉄製品を専門的に制作していた
専門家集団と工場があったようです。
石器づくりの作業場です。
ここでは石の矢じりなどの石器を作っていました。
遺跡の全景はもちろん
美しい景色の楽しめる素晴らしい場所でした。
2022年2月18日(金)