海の食材には、山の食材を、これが炊き合わせの最適配偶です。
筍には、わかめを。お魚には、蓮根を。これが、海と山の食材の炊き合わせです。
貧乏な生活の事を、タケノコ生活という表現があります。では、たけのこ生活とは、どうしてそういうのでしょうか?
その意味は、筍を食べようとすると、筍の皮を何枚も剥がして、食べられる部分に到達します。このように、皮を一枚一枚剥がして進んで行く様子が、まるで、家財を一つ一つ売り払って、生活費を賄う様子に似ていることから、貧乏生活の事を筍生活というようです。
小学校の頃、家庭科の授業で、たけのこの皮を一気に剥く方法を教わりました。それは、筍を真っ二つに切って、斬った切り口からタケノコの皮を一度に剥がす方法を習得しました。
これを家に帰って、台所で母に伝えると、今まで筍は、律儀に一枚一枚外側を剥がしていたので、まるで、目から鱗が落ちたように母は驚きました。
分かってみれば簡単なことでも、知らなければ、昔ながらの筍の皮のむき方をしていたのです。
今日の夕食は、奥さんが筍を湯がいて、筍とわかめの炊き合わせを作ってくれています。
お魚は、メバルを炊きます。この味付けは、いつものように、松葉博雄の担当です。
炊き合わせは、新玉葱の葉の部分と、蓮根です。
炊き合わせには、一定のルールがあります。そのルールとは、海の食材と、山の食材を組み合わせる事です。
筍は山の食材で、わかめは海の食材です。メバルは海の食材で、蓮根と玉葱の葉は山の食材です。
大きな文旦を買って、皮をむいてもらって、文旦の実を頂きます。ソフトボールの大きさくらいの八朔に比べて、ブンタンは、サッカーボールのように大きく、大きい方が皮をむく作業に比べて、食べられる実を得られる効果は、大きいように思えます。
台所の周りには、タケノコから出てくる匂いなのか、だんだん春らしい匂いがしてきました。
最近の台所は、電気のIHコンロが主流で、以前のように、ガスコンロが少なくなっています。ガス火で料理を作る方が、火力が強いのか、鍋から出てくる食材の匂いが強いのですが、電気火力になると、まるでお嬢様か、お公家様のように、緩やかな火力になりました。
春の食材なのに、食台はまだこたつの上で頂きます。
なかなか良い味付けで、これなら癖のない柔らかい優しい味になりました。
炊き合わせの最適配偶は分かりました。では、飲み物はどうでしょう。
ビールと、味噌汁の抱き合わせは、どうでしょうか?これには、困ります。ビールを飲むと、味噌汁が飲みにくくなります。
ビールとご飯の抱き合わせはどうでしょうか?一般に、和食では、アルコールを伴うときには、ご飯はあるいは味噌汁は、一番最後に用意されています。
もし、ビールを沢山飲んでも、それでもお腹に入るようであれば、ご飯も味噌汁もどうぞという抱き合わせ方法です。
2015年3月27日(金)