土佐の鯨:高知県大方町の土佐のホエールウォッチング

高知県大方町の土佐に、鯨を見るホエールウォッチングに行ってきました。

2003年9月、土佐湾のホエールウォッチングに行ってきました。

幸いに天気も良く、一日中、海も穏やかで、舟の揺れも少なく、快適なホエールウォッチングとなりました。

太平洋の沖を目指して漁船でどんどん進み鯨を探しに行きます。

周りは海で方向は船頭さんにしかわかりません。

 
※ イメージ図
※イメージ図(大方町観光案内図)

今日のホエールウォッチングのお客さんは4人だけで、ほとんど貸し切り状態でした。

沖に出て行くに従い、海は青く、水は澄んできます。

鯨を見つける為、船長さんは無線で、仲間の船と連絡を取り合っていました。

目安となるのは、沖に群がるカモメの群です。

鯨が餌となる魚を追えば、おこぼれに預かろうと、カモメが集まって来るようです。

3時間くらいずっと探し続け ました。

遥か行く手の先に、期待のカモメが群れ飛び交い、なんだか今にも鯨が大きく飛び跳ねたり、

潮を何十メートルも吹き上げるのではないかという兆しを 感じました。

チラッと、本当にチラッとですが鯨は見えました。

鯨は呼吸の為に水面に浮上します。

大人だと40分、幼い鯨だと、5分ぐらい呼吸をしないで潜れるようです。

だから、一度上がると次にどこで浮上するやら、いつ浮上するやら、

根気良く鯨を待つ事になります。

鯨を待つ時は船のエンジンを止めた方が逃げないようです。

エンジンを止めて波に船を任せると、船酔いをします。

このため、時々はエンジンをかけて船を移動させます。

私は太陽をいっぱい浴びて、船の一番舳先のマストに背中をもたれて、

青い海と白い雲の合間に見える、カモメを見続けていました。


※イメージ図

9月といっても、初旬なので真夏とは違う残暑の日差しを浴びて、

水着の姿で船の先端の舳先に、縛られたようにして立っていました。

もし鯨がすぐ側で見えることなら、

今にも、海に飛び込むことさえ可能な状態で待機していました。

だんだんと陽は西に傾き、どこまで船は来たのか分かりませんが、

船長さんは私の期待に応えたいという気持ちが通じました。

なんとか、すぐ側で鯨を見せてあげたいと思ったのでしょう。

少しずつ帰途につき始めたころ、もう一度カモメの群れを発見、

大急ぎで舳先をカモメの方にとり、鯨を確かめに船は進みました。

ここでも、鯨はすぐに潜りこみ、次にいつ出てくるかわからない状態になりました。

とうとう諦めて、この日のホエールウォッチングは終わる事になりました。

大方町の港に着く頃は、陽は傾きもう夕暮れ時になりました。

初秋の夕陽は、山際に沈み、稜線がくっきりと船から見えました。

秋の陽はつるべ落としといいますが、陽が沈むのが早くなったとふと思いました。

船長さんに根気良く鯨を追い求めていただいたお礼を言いました。

勝手に想像した、鯨のジャンプを見られなかったので、

私の気持ちは少し名残惜しさを残して、大方町のホエールウォッチングが終了しました。

※ イメージ図(大方町観光案内図)

またいつの日か、思う存分鯨を追いかけ、鯨と一緒に泳げたら・・・と思いました。