デイビッド・R・スミス社長との会談は、パラダイムシフトとか、イノベーションのジレンマの話になりました。社長ブログ/神戸の社長/コンタクトレンズメーカーブログ/ジョンソン・エンド・ジョンソン
デイビッド・R・スミス社長の懸念は、高度管理医療機器のコンタクトレンズが、少しずつ医療ルートから離れてきていることです。社長ブログ/神戸の社長/コンタクトレンズメーカーブログ/ジョンソン・エンド・ジョンソン
国民生活センターから注意報が出た、カラコン(サークルレンズ)の問題ですが、神戸三宮地区のコンタクトレンズ市場では、コンタクトレンズが高度管理医療機器の認識から、もっと軽い認識として、日用品とか化粧品のように思われている傾向が起きています。
ジョンソン・エンド・ジョンソンのデイビッド・R・スミス社長との昼食会の会場は、センタープラザビル19階の東天紅です。東天紅の個室にも、デイビッド・R・スミス社長の歓迎の横断幕を貼らせてもらいました。
何しろ、さんプラザコンタクトレンズは、神戸で一番最初にジョンソン・エンド・ジョンソンの使い捨てレンズを販売した歴史があります。
それは、初代社長の大瀧守彦さんが社長になる前に、元ジョンソン・エンド・ジョンソン日本代表の廣瀬光雄さんと一緒にやってきて、是非、さんプラザコンタクトレンズでジョンソン・エンド・ジョンソンの製品を普及させて欲しいと、トップ外交がありました。
デイビッド・R・スミス社長は、マーケティングの専門家です。そこで松葉博雄とは、経営学やマーケティング理論の話が良く合います。
大学院でマーケティング研究をされて、その後、P&Gで実践を積んでいるマーケティングの専門家です。
それなら、マーケティングの専門用語を使っても、お互いに理解し合えます。
まずは食事の前に、偽ビール(ノンアルコールビール)で乾杯です。
本当のビールなら、適当に酔いがまわって、お互いに饒舌になるのですが、ここは我慢です。松葉博雄が作った資料に要旨があるので、この資料をデイビッド・R・スミス社長に渡して、その内容に沿って、議論を進めていきます。
国民生活センターから注意報が出た、カラコンの問題ですが、コンタクトレンズ市場では、コンタクトレンズが高度管理医療機器の認識から、もっと軽い認識として、日用品とか化粧品のように思われている傾向があります。
このような傾向を分析したのが、コンタクトレンズのトーマス・クーン(Thomas Samuel Kuhn)のパラダイムシフトであり、クレイトン・クリステンセン(Clayton M. Christensen)のイノベーションのジレンマでもあります。
問題なのは、海外からの粗悪なカラコンによって、眼障害が多発している事です。もちろん、安易な取り扱いにも原因があります。
これは、カラコンを輸入販売している販売業者が、製造物責任法(PL法)に問われる恐れがあります。
ジョンソン・エンド・ジョンソン社は、現在テレビ広告で、『痛い目に遭う前に、眼科に行こう』と、いうキャンペーン広告をしています。
これは、コンタクトレンズが本来医療ルートで流通するべきが、販売ルートに比重が移っていることに対して、元に戻したいという気持ちを表しています。
食事をしながら、議論をするのですから、通訳の方は食べる暇もありません。そこで、時々は話をやめて、通訳の方が、例え僅かでも食事が出来るように、通訳無しの雑談になります。
デイビッド・R・スミス社長は、東天紅の中華料理をとても美味しいと、楽しそうに食事が進んでいます。
経営学の分野では、ジョンソン・エンド・ジョンソン社は、高く評価されています。まず第一に、その経営理念です。経営理念を示すのが『我が信条(Our Credo)』です。
古い話ですが、タイレノール事件でとった、ジョンソン・エンド・ジョンソン社の潔癖な対処も高く評価されています。このような企業文化の中では、現在の一部のメーカーが起こしているカラコンによる眼障害の多発は、見過ごせない問題のようです。
医療ルートから外れた、コンタクトレンズの販売方法を、医療ルートに戻すには、コンタクトレンズユーザーの啓蒙が大切です。
コンタクトレンズユーザーは、多様性があります。コスメティック効果を期待する、化粧品感覚で使う若い女性に、どのように啓蒙するか、『痛い目に遭う前に、眼科に行こう』のフレーズは、よく考えられたフレーズです。
話していると、デイビッド・R・スミス社長、愛称デイブさんも、松葉博雄も、次第に熱くなってきて、汗がにじみ出てきます。
同席している社員の方は、二人の話を聞いて、どのように感じているのでしょうか。
時間制限もあり、そろそろ昼食の終わりになると、いつもの杏仁豆腐が出てきます。この冷たい杏仁豆腐で、あつくなった体熱を冷やし、少しずつ平常に戻します。
経営学の勉強や、マーケティングの勉強をしたお陰で、取引先の社長の方とも、経営戦略や、マーケティング戦略について、意見の交換がスムーズに進むようになりました。
これは、アカデミックな議論になるので、お互いにもっと意見交換をしたくなってきます。しかし、時間制限もあるので、本日はこれでおしまいです。
デイビッド・R・スミス社長へ、超多忙の中、神戸に来て頂き、有り難う御座いました。これからも宜しくお願いします。
2014年6月18日(水)