あたみ石亭の朝風呂は、大きな露天風呂です。
熱海石亭の露天風呂は、狸が傷を治したと言われる古狸の湯です。私も、古狸にならって心の傷を癒します。 U君と静岡県熱海市(5)
あたみ石亭の朝です。目が覚めると、奧さんから朝風呂に入るように勧められました。奧さんと娘の二人は、もう朝風呂は済んだようです。
昨夜の雨は上がり、今日はお天気になりそうです。石亭の石は、まだ濡れたままです。庭木は雨を含んで、しっとりとした、まるで湯上がりのような鮮やかさです。
伊東の間から石段を下りて、大きな露天風呂の方向に進みます。さすが石亭と名付けられたとおり、敷地の隅々にまで、大きな石や、中ぐらいの石が石組みされています。
そして石庭の所々には、石道路と、石のつくばいが配置されています。
これだけの銘石を集めるには、お金と暇と根気が求められることと思います。言われたとおりに進んでいくと、露天風呂の方向を示す看板がありました。
雨上がりの清々しい空気です。行き交う人とも出会わず、まるで石亭を占領して歩いている感じです。
新館と旧館を繋ぐブリッジがあり、ブリッジを渡ると、旧館に露天風呂があります。
さらに奥へ進んでいくと、ありました。露天風呂の古狸の湯の建物がありました。
誰も居ない古狸の湯です。露天風呂古狸の湯の口上が書かれています。
古狸の湯の名前の由来は、なんでしょうか?
この石亭の源泉は、和田町としては奥まった山添にあり、泉質も特に良好なものです。
昔、狩人に追われて傷ついたタヌキ達が、その傷を癒すために入浴に来ていたことから、『古狸の湯』と名付けられたそうです。
温泉に行けば、鷺が足を癒していたから、鷺湯とか、猿が傷を癒していたから猿湯とか、戦いで傷ついた武者が傷を温泉で治した武者の湯とか、いろいろ名前の由来があります。
熱海は町中どこを掘ってもお湯が出ると言われるほどの温泉の町です。昔、自然のお湯が海に注ぎ、辺りの海が温泉水で熱くなったから、熱海と名付けられたくらいです。
朝ぼらけの清々しい空気の中で、一人大きな露天風呂に入り、絵心でもあれば、これを絵に残したりとか、詩才があれば詩を詠みたいとか、出来もしないことを考えながら、お湯に浸かっていました。
なかなかいいお湯でした。さすがは熱海の温泉です。富士火山帯が地下水を温め、湧いてきた温泉なので、どことなく世界文化遺産に触れた感じがします。お風呂の後は、部屋に戻り、朝食です。
2014年3月21日(金)