浸透する医療サービス
2005年1月、年を明けた早々に病院にお見舞いに行くことになりました。病院に行くことは普段なかなかないことなので、今回は、病院がどのように変わっているかを見る機会でありました。
うわさのサービスのよい病院は「全国ランキング」のようなものまで、最近は発表されています。
今、医療サービスを評価する基準があります。財団法人日本医療機能評価機構によって、医療の効果とサービスの改善について評価を受けます。評価を受けることだけでも有料であり、評価が下がればランキングが下がることになります。そこで、各病院は評価機構から高い評価を受けるために、医療の効果とサービスの向上に大きな努力を払っています。
このような背景の中で、患者さま満足が具体的に目に見えるような形を取っています。サービスには他の消費財とは違った特異性があり、たとえば、目に見えない、作りおきができない、移動ができない、消費とサービスが同時である、などがあります。このため、サービスの品質については、認定の評価基準が必要となります。この評価基準は一般に5項目で評価されます。
1. 共感性:サービスの内容について共感できる
2. 有形性:サービスを実践したことがわかる
3. 信頼性:サービスの中身が信頼できる
4. 迅速性:サービスを素早く実践できている
5. 確実性:間違いのないミスのないサービスが行われている
病院の入り口でさっそく『理念』を見つけました。理念には「病客さま一人ひとりの権利を尊重し、心のこもった安全で、質の高い医療の提供が私どもの理念です」と書かれています。とっても素晴らしい理念がまず最初に目をひきます。
待合室の廊下や、病棟のナースステーションの周りにも全国ランキング表や理念、あるいはお心付けのご辞退についてなども掲げています。
医療サービスを受ける側には、なんとか特別な扱いを自分にはして欲しいという思いがあります。それを金品であらわそうとすれば、人の気持ちは弱い面もあるので、つい金品をくれる人に気持ちが傾くことがあるかもしれません。
これでは、サービス向上のための『信頼性』が揺らぐことになります。
病院の入り口には、受付の前にコンシェルジュのようなコーナーがあって、そこにはテーブルの上にシニア用の眼鏡(いわゆる老眼鏡)まで備えられています。ここでまず、受付の前段階の相談があります。
待合室は清潔で広々とし、以前の狭い息苦しい雰囲気はなくなっています。
廊下もじゅうたんが敷かれ、清潔なイメージが出ています。
ナースステーションが窓越しに見えますが、明るく清潔でキビキビとした動きが外からよく見えます。