ディスプレイを内蔵したスマートコンタクトレンズの技術を米企業が発表しました。メニコンによる国産スマートコンタクトレンズは誕生するか?メニコンと米Mojo Vision、スマートコンタクトレンズの共同開発契約を締結 契約から発表までの メニコン株価の反応
投稿No:8836
ディスプレイを内蔵したスマートコンタクトレンズの技術を、米企業が発表しました。国産スマートコンタクトレンズは誕生するか? メニコンと米Mojo Vision、スマートコンタクトレンズの共同開発契約を締結 契約から発表までのメニコン株価の反応
メニコン MojoVisionとスマートコンタクトレンズの共同開発
メニコンとアメリカのMojo Visionは、
スマートコンタクトレンズの共同開発契約を締結したと発表した。
両社の専門知識を活用して
スマートコンタクトレンズに関する
フィージビリティースタディー(実現可能性調査)を開始する。
フィージビリティースタディーが成功した場合は、
将来に向けた広範な提携へと展開する予定である。
共同開発契約の領域は
スマートコンタクトレンズに関するレンズ素材やレンズケア、
フィッティングを中心に想定する。
ガス透過性コンタクトレンズの研究開発や
コンタクトレンズの製造におけるメニコンの実績と、
スマートコンタクトレンズの
マイクロエレクトロニクスやシステム統合などに関する
Mojo Visionの知見を適用する。
Mojo Visionはスマートコンタクトレンズ
「Mojo Lens」の開発に取り組んでいる。
拡張現実(AR)を利用したMojo Lensは、
視界を遮ったり、目の動きを制限したり、
コミュニケーションを阻害することなく、
ユーザーの自然な視野に画像や記号、
テキストを重ねて表示する。
メニコンは素材やレンズデザインの開発、
レンズやケア用品の製造など、
コンタクトレンズ関連のノウハウを持つ。
メニコン代表執行役社長の田中英成氏は
「今回のMojo Visionとの契約は、
当社の技術イニシアチブ拡大における重要な一歩。
我々は画期的な製品開発の実現を可能にする
技能と技術を結集することができる」とコメントした。
MojoVisionと共同開発 契約から発表までの メニコン株価の反応
メニコンは、2020年9月21日にMojo Visionと共同開発を締結し、
その発表は2か月以上経った12月9日でした。
メニコンの株価は、8月のお盆前には5000円ほどでしたが、
11月10日に7820円の新高値を付けました。
その後、株価は6200円程度まで下降に転じ、
12月9日には、ひと相場が終了しています。
2020/12/09 16:32
(12/10 15:00)現在値 | ||
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メニコン | 6,280 | – |
9日午前10時、米Mojo Vision(カリフォルニア州)と、
9月21日にスマートコンタクトレンズに関する
共同開発契約を締結したと発表、材料視された。
今回の契約で両社は、
メニコンのガス透過性コンタクトレンズの
研究開発とコンタクトレンズの
製造における数10年の実績と、
Mojo Visionのスマートコンタクトレンズのマイク
ロエレクトロニクス、システム統合、
および消費者向け製品におけるイノベーションを適用し、
専門知識を活用したスマートコンタクトレンズに関する
フィジビリティー・スタディーを開始す
るとしている。
2020年12月8日の終値は、前日比70円高の6280円。
出所 提供:モーニングスター社
未来のディスプレイは、コンタクトレンズの姿でやってくる:米企業が目指す「見えないコンピューティング」の世界
ディスプレイを内蔵した
スマートコンタクトレンズの技術を、米企業が発表した。
視界にさまざまな情報が表示され、
視線を動かすだけで操作できるコンタクトレンズである。
開発中のプロトタイプを試したところ、
見えてきたのは開発元のMojo Visionが目指す
「見えないコンピューティング」の世界だった。
NATURE 2020.01.18 SAT 10:30 TEXT BY JULIAN CHOKKATTU
部屋を見渡すだけで、自分だけに見える
ヴァーチャルインターフェースを操作できる。
カレンダーをスクロールしたり、
家までの通勤時間を調べたり、
音楽の再生をコントロールしたりといった具合だ。
スマートコンタクトレンズ「Mojo Lens」を
使うための操作は、理論的にはこれだけでいい。
このコンタクトレンズはMojo Visionという企業が開発している製品だ。
カリフォルニアに本社があるMojo Visionは、
このレンズの開発を5年かけて極秘で続けてきた。
そしてついに、「
世界初の真のスマートコンタクトレンズ」
に関する計画を発表したのである。
だが、ここでひとつ断っておかなければならない。
この製品は今年の秋にも店頭に並ぶというわけではなく、
まだ研究開発段階にあり、
実際に商品化されるのは数年先の話だ。
今回のデモでは、コンタクトレンズの装着さえしていない。
仮想現実(VR)のヘッドセットを使って
かさばるプロトタイプで目を覆ったので、
まるで虫眼鏡を持ったシャーロックホームズのようだった。
MojoVision スマートコンタクトレンズ スクリーンのない世界を目指す
Mojo Visionのスマートコンタクトレンズが今後どうなるかを示した図
提供:Mojo Vision
Mojo Visionは、
「見えないコンピューティング」を目指している企業だ。
アップル、グーグル、アマゾン、
マイクロソフトといったテクノロジー大手出身者が創業したこの企業は、
スクリーンへの依存を減らしたいと考えている。
会話の最中にスマートフォンを
取り出して発信元をチェックする代わりに、
視界の隅へと視線を移動させてインターフェースをオンにすれば、
すぐにわかるような世界を目指している。
「わたしたちは、あなたがあなた自身でいられるような、
そして自分らしく見えるような
テクノロジーをつくりたいと考えています。
外見を変えたり、
通りを歩きながら変な行動をしたりせずに済むようにしたいのです」と、
Mojo Visionの共同創業者で最高技術責任者(CTO)のマイク・ウィーマーは言う。
「非常に目立たないだけでなく、
率直に言ってほとんどの場合は実質的に何も表示されません」
とはいえ、スマートコンタクトレンズをつくるのは簡単な作業ではない。
グーグルの親会社であるアルファベットの子会社Verilyでさえ、
いくつかの障害に直面し、
スマートレンズの計画を方向転換せざるをえなくなった。
スマートコンタクトレンズの開発には、
適切なサイズの最適なセンサー、
これらすべてを駆動する電力に加えて、
ディスプレイやイメージセンサーも必要になる。
必要なセンサーは、
ワイヤレス関連から視線追跡や画像の安定化に必要なモーションセンサーまで、
多岐にわたる。
Mojo Visionの担当者が、
ディスプレイの埋め込まれたコンタクトレンズのプロトタイプを見せてくれた。
驚くべきことに、画面はペンで打った点とほぼ同じサイズだった。
これまでに作成されたディスプレイのなかで
「最も小さく高密度」というが、
すべてのセンサーを内蔵したヴァージョンは完成していない。
プロトタイプを通して向こう側を見ると、
予想通り現実世界に文字が映し出されて見えた。
これは「Google Glass」や、
Northが開発したスマートグラス「Focals」といった
拡張現実(AR)グラスを使ったときの体験と大差ない。
とはいえ、Focalsはインターフェースを眼鏡に投影するが、
Mojo Visionの場合はコンタクトレンズそのものに
ディスプレイを組み込んでいるという違いはある。
現時点では、腕に装着したウェアラブル端末がレンズに電力を供給し、
コンピューターとしての処理機能を担う。
ウィーマーによると、最終的にはウェアラブル端末ではなく、
スマートフォンを利用する方式に切り替えるかもしれないという。
MojoVision スマートコンタクトレンズ 操作方法は極めて簡単
写真出所 birdgb
このようにまだ課題が多いとはいえ、
このコンタクトレンズの可能性は幅広い。
今回はMojo Lensを装着した状態をいち早く体験するため、
視線追跡テクノロジーを搭載したVRヘッドセット
「HTC VIVE Pro」を利用した。
まっすぐ前を見ると、視界をさえぎる物はない。
しかし、どちらの方向でも隅に視点を移動させると、
カレンダーや天気、通知、
音楽の再生などのアイコンがポップアップ表示される。
これらのアイコンの隣にある矢印を見つめると、
3日間の天気予報やカレンダー上の当日の
イヴェントなどの詳細を見ることができる。
インターフェースの操作方法を
理解までには1分くらいしかかからなかった。
これらすべては変更される可能性があるとは
いえ、非常に簡単に使えるところを見ると、将来有望と言っていい。
試したなかで気に入ったデモアプリのひとつが、「Speech」だ。
目だけを使って事前に書いたスピーチの原稿を開き、
スクロールして読み上げることができる。
このアプリだけでも無数の可能性を秘めている。
撮影を伴う取材のとき、下を向いてメモを見る代わりに、
視点を移動するだけで次の質問を確認できたらどんなにいいだろう。
あるいは動画を撮影する際に、
台本のテキストが視線の中央に映し出されたら、
何度も撮り直さなくて済むかもしれない。
テレプロンプターは必要なくなるだろう。
MojoVision スマートコンタクトレンズ 網膜が感じる光
ただし、自分の周囲にいる人には、
コンタクトレンズを使用していることがバレてしまう可能性がある。
インターフェースを有効にするには、
目の隅に視点を移動する必要があるので、
近くでじっと見ている人には気付かれてしまうだろう。
それでもスマートフォンを取り出したり
時計を確認したりするよりも、はるかに目立たない。
アラートや通知のポップアップも控えめになる予定だが、
今後それらすべてをコントロールできるようになることを期待している。
「通常のコンタクトレンズと同じように、
ちょうど角膜の上に装着します」と、
Mojo Visionの医療機器部門のヴァイスプレジデント、
アシュリー・トゥアンは言う。
彼女が率いるチームは網膜投影の光束を計算し、
安全基準の点ですべて
「基準値をはるかに下回っている」ことを確認したという。
「これはまったく新しい形状の製品ですが、
装着しているユーザーに見えるのはコンテンツだけです」と、
CTOのウィーマーは言う。
「モバイル端末の画面や眼鏡を通して
現実世界のコンテンツを自分の眼で見るのと同じように、
これは網膜が感じる光にすぎません。
ちょうどいま、あなたの網膜に光が集まって物が見えているようにです。
当然のことながら、
安全性に与える影響には非常に注意しています。
でも、このレンズは非常に安全な製品なのです」
MojoVision スマートコンタクトレンズ 視覚障害者や低視力者にも有用
Mojo Visionは、
消費者や企業向けにコンタクトレンズの開発を進めている。
だが最初は、視覚障害者や低視力者、
眼鏡では矯正できない弱視者に焦点を当てている。
たとえスマートであれ従来型のコンタクトレンズであれ、
米国食品医薬品局(FDA)の認証が必要になるからだ。
なお、Mojo VisionはFDAの
「画期的機器プログラム」に基づく認定を受けているので、
生命に関わる疾患や
虚弱状態の患者に効果的な治療を
実現する可能性のある製品の開発、
審査、再調査が通常よりもスピーディーになる
(FDAは市販前の承認に関する法定基準は遵守するという)。
今回は低視力者を支援する機能の
デモンストレーションのため、ホテルの暗い一室に案内された。
そこには一時停止の標識など、さまざまな物が置かれていた。
Mojo Lensのプロトタイプが付いた棒を渡されたので、
それを目の近くにかざした。
このプロトタイプには、イメージセンサーが接続されている。
ほぼ真っ暗闇に立っていたにもかかわらず、
プロトタイプを通して部屋にいる人やベッドの端を確認できた。
そして一時停止の標識を簡単に読むこともできたのだ。
それはまるで、ナイトヴィジョンを使用しているようだった。
イメージセンサーが現実世界を映し出しているのだが、
レンズがコントラストを上げ、
エッジを強調し、
物体を拡大するなどいくつかの手法によって
暗闇を見やすくするという仕組みである。
視覚障害者がより簡単に移動する手助けとして、
理想的であろうと実感できた。
Mojo Visionは、カリフォルニア州にある視覚障害者の支援団体
「Vista Center for the Blind and Visually Impaired」と連携して、
非営利団体などに連絡をとり、
レンズの開発に役立つ情報を集めている。
同社は安全基準を遵守するため、
FDAの専門家とも協働しているという。
視力に問題がない人たちが、
このレンズを利用できるのはまだ先になりそうだ。
視覚障害者用デヴァイスとして
承認を受けるために数年かかるとしたら、
そのほかの人たちがスマートコンタクトレンズを利用できるまでには、
さらに数年かかるだろう。
※『WIRED』によるディスプレイ技術の関連記事はこちら。
出典 WIRED
Mojo Vision Inc.
(本社:カリフォルニア州サラトガ、代表取締役:Drew Perkins)
並びに、株式会社メニコンは、2020年9月21日、
スマートコンタクトレンズの
共同開発契約を締結したことをご報告申し上げます。
インビジブル・コンピューティングを追求するMojo Visionは、
長年にわたる科学研究と多数の特許技術に裏付けられた技術革新で、
初の本格的スマートコンタクトレンズである
Mojo Lensの開発に取り組んでいます。
拡張現実(AR)を利用したMojo Lensは、
視界を遮ったり、目の動きを制限したり、
コミュニケーションを阻害することなく、
ユーザーの自然な視野に画像や記号、テキストを重ねて表示します。
一方、日本で初めて角膜コンタクトレンズを実用化して以来、
約70年間に渡り革新的な製品を提供してきた
国内最大手のコンタクトレンズメーカーであるメニコンは、
素材及びレンズデザインの開発に始まり、
レンズやケア用品の製造など、
コンタクトレンズ関連の全事業領域に対する
豊富なノウハウを持っております。
今回の契約により、Mojo Visionとメニコンは、
メニコンのガス透過性コンタクトレンズの
研究開発とコンタクトレンズの製造における数十年の実績と、
Mojo Visionのスマートコンタクトレンズの
マイクロエレクトロニクス、システム統合、
および消費者向け製品におけるイノベーションを適用し、
我々の専門知識を活用したスマートコンタクトレンズに関する
フィジビリティ・スタディを開始します。
提携領域は、スマートコンタクトレンズに関するレンズ素材、
レンズケア、フィッティングを中心としたものとなります。
このフィジビリティ・スタディが成功した場合、
Mojo Visionとメニコンは、
将来に向けた広範な提携を展開いたします。
Drew Perkins (Mojo Vision CEO兼共同創設者)
「メニコンとの共同開発契約は、
当社とMojo Lensにとっては大きな一歩です。
当社では、スマートコンタクトレンズ技術の
開発を継続的に進めていく中で、
メニコンとの提携によって、
開発の進展を促進する貴重な知見が得られるでしょう。
我々は、メニコンの経験豊富な専門家チームから、
コンタクトレンズ研究開発に関する
重要な専門知識が得られると考えています。
我々の長期にわたる生産的な協働関係を期待しています。」
田中 英成(株式会社メニコン代表執行役社長)
「今回のMojo Visionとの契約は、
当社の技術イニシアチブ拡大における重要な一歩です。
メニコンは、これまで70年間にわたり
日本におけるコンタクトレンズのパイオニアとして、
安心安全であり、同時に革新的なレンズを
お届けすることを目指してまいりました。
現在も、世界中のコンタクトレンズユーザーに、
より良い視力を提供するべく挑戦を重ねております。
当社と目指す方向を同じくするMojo Visionは、
将来の新しいコンタクトレンズの使用に向けた
ビジョンと技術プラットフォームを持つ革新的企業です。
我々は、画期的な製品開発の実現を可能にする
技能と技術を結集することができると考えています。」
Mojo Visionについて
Mojo Visionは、アイデアや情報の融合、
そして人の交流を再構築する製品やプラットフォームの開発を専門とし、
インビジブル・コンピューティングを追求する企業です。
先駆的な製品やプラットフォームの開発で
数十年の実績を有する技術者によって創立され、
New Enterprise Associates(NEA)、
Khosla Ventures、Gradient Ventures、
KDDI Open Innovation Fundなど、
世界をリードする技術投資家の支援を受けており、
これまでの資金調達総額は1億5900万ドルを超えています。
初の本格的スマートコンタクトレンズであるMojo Lensは、
画面を見下ろすことを強制したり、
人や周辺の景色への焦点を外したりすることなく、
ユーザーが望む有用でタイムリーな情報を
ビルトイン・ディスプレイにより提供する技術です。
Mojo Visionは、この目を見張るような技術を
「インビジブル・コンピューティング」と呼んでいます。
これは、情報を即時に、邪魔にならない形で、
ハンズフリーで入手可能にするプラットフォームであり、
これによって、より自由で正確なコミュニケーションを実現します。
Mojo Lensには、史上最小かつ最高密度の
ダイナミックディスプレイ、
コンピュータビジョン用に開発された超省電力イメージセンサー、
高帯域幅の低電力無線通信器、
高精度のアイトラッキングおよびぶれ補正用モーションセンサーなど、
画期的な独自の技術が多数取り入れられています。
Mojo Lensは研究開発段階であり、販売していません。
Mojo Visionの詳細はオンラインでご覧いただけます(https://mojo.vision)。
メニコンについて
愛知県名古屋市を拠点とし、
世界80ヵ国に代理店を有する株式会社メニコンは、
材料開発からレンズのデザイン、
レンズおよびレンズケア用品の製造まで、
コンタクトレンズ関連の全事業領域を専門的に手がけております。
幾多の革新的製品や、
眼科医でもある社長:田中 英成が考案した
メルスプランなどのサービスを通じ、
「より良い視力の提供を通じて
広く社会に貢献する」ことを企業スローガンとし、
レンズに関する安全性を最重視したサービスの提供しております。
メニコンは、ユーザーの快適性と利便性を最大限に高める
革新的なレンズパッケージ「Smart touch」仕様の1日使い捨てレンズ、
および関連製品の幅広いポートフォリオを提供しています。
詳細はwww.menicon.comをご覧ください。