もろもろの事象は、移りゆくものである。怠ることなく修行を完成させなさい。(ブッダ最後の言葉)
日本航空御巣鷹山墜落事件の飛行機に予約していて、キャンセルとなって一命を取り留めた友人が亡くなりました。 社長ブログ神戸
今夜の月は6月の満月で、いわゆるストロベリームーンといわれる、艶っぽい満月です。
月が照らす下界では、いろいろなことが起きています。
今夜は友人のお通夜に来ています。
突然の訃報に接し驚いて、奥さんと一緒に、二人でお通夜に参列した帰り道、ふと頭上を見上げると、東の空にストロベリームーンがこちらを照らしています。
友人は、日本航空御巣鷹山墜落事件に、搭乗の予約をしていて、東京から大阪へ、週末自宅に帰るための搭乗でした。
それが事務所を出るとき、ばったり取引先の方が訪ねてきて、その応対のため、いったん会社に戻り、所要をすませて、もう一便後の大阪行きJAL便を利用しました。
大阪空港に戻ってタクシーに乗って、自宅まで帰る途中、ラジオから流れる大事件の報道は、日本航空の大阪行きの便が、途中消息不明になって、今どこを飛んでいるのか、わからないという内容でした。
タクシーで自宅に戻り、家の留守家族の人が、驚いた様子で自分を見るので、何があったのか尋ねると、自分が予約していた日本航空の大阪行きの便が、行方不明になり、御巣鷹山に墜落したことはまだ不明の状況でした。
これは、お父さんが乗っている、あの飛行機で、今頃はどうしているのだろうかと、家族が集まって心配している最中でした。
一命を取り留めた彼は、その後は二度目の人生と思って、考えが変わったそうです。
彼は私に、日本航空御巣鷹山墜落事件について、あまり話したくないという心情を教えてくれました。
それは、自分が搭乗をキャンセルしたために、キャンセル待ちの人が、自分の代わりに、あの飛行機に乗ったかもしれないという、言いようのない複雑な心情です。
お通夜が終わって、家族の方に声をかけて、お悔みを言った後、帰り道に奥さんと式場で出会った友人との三人で、夕食をすることになりました。
友人が亡くなることは、気持ちの上で大きな影響があります。
もう一度、会って食事でもしておけばよかったとか、もう一度誘い合って、飲み会でもしておけばよかったとか、後悔が残ります。
今日のお通夜で、お寺の導師が参列者に言った言葉は、今日元気な人も、明日はどうなるかわからないことです。
人生は無常であり、もろもろの事象は、移りゆくものであるということです。
それを故人は、身をもって私たちに教えてくれたと、言われました。
2016年6月19日(日)