阪神淡路大震災では、そば処鳴門庵が地下から移動して、復興に働く人達の食事提供を懸命にしてくれていました。
三宮センタープラザビル そば処鳴門庵
センタープラザビル地階の鳴門庵は、おそば専門ですが、親子丼も美味しいですよ。たぬきそばも美味しいですよ。
阪神淡路大震災で、さんプラザビルもセンタープラザビルも、地下の食堂街のどのお店も、電気・ガス・水道がとまり、営業が出来ない時期がありました。飲食店はどこも閉まっていて、復興に従事する人達は、お昼ご飯に困っていました。
今日のそば処鳴門庵は、センタープラザの地下1階にあります。震災後、直ぐにお店を開くことも出来ず、1階の路面に仮店舗を移し、1月2月の寒い時に、ガスボンベを使って調理をし、ポリバケツに水を汲んできて、復興のさなかで食事を作っていました。
そば処鳴門庵の名物メニューは、復興の時にも人気メニューだった、雑炊です。
雑炊にポン酢をかけて食べます。鳥雑炊、チーズ雑炊、瀬戸内雑炊、牡蛎雑炊、などがあります。
11月の中旬にもなると、気温は日に日に下がってきて、鳴門庵の雑炊の人気が出る頃です。雑炊はヘルシーです。雑炊はそれほどご飯の量がないのですが、水分が多いため、一時の満腹感が得られます。そして、体も温まってきます。
松葉博雄がよく注文するのは、親子丼です。親子丼だけで足りないなぁと思う時は、ミニ蕎麦をつけて、親子丼セットにしてもらいます。
鳴門庵は、郷土料理 土佐と同じく、今年で37年の歴史があります。センタープラザビルがオープンした時からのお店です。
親子丼が美味しいなぁと、また行きたくなる店は、神戸でもそんなに沢山はありません。刑事物のテレビドラマで、出前によく親子丼が出てきます。
警察の取り調べ中に出される丼物は、普段そんなに思わないのに、取り調べ中に食べると、とても美味しいそうです。
しかし、テレビの親子丼は、あまり濃厚な卵の様子もなく、かしわの鳥肉も、申し訳なさそうな少しの量です。
鳴門庵の親子丼は、ご飯の量は控えめで、卵も濃厚、鶏肉もたくさん入っています。
七味唐辛子を少し掛けて、親子丼に箸を進めると、かしわと卵の混ざった匂いが、ぷーんと食欲をそそります。
今日のサービス定食は、卵とじそばに大根とぶりの炊き合わせです。そして小さなお椀でご飯も付いています。
鳴門庵の厨房は、以前はご主人が入っていましたが、今は奥さんが厨房の中心になって料理を作っています。
鳴門庵の棚には、小さいサイズの焼酎が、ボトルキープのように並んでいます。それぞれ名前が書かれていて、夕方になると、蕎麦と焼酎の組み合わせで、酒好きの同好が集まって来ます。
以前に、お客様と一緒に、この鳴門庵にそばを食べに来ました。ざるそばを注文したその方は、この蕎麦は十割蕎麦ではないなぁと、がっかりしていました。三宮の街中で、十割蕎麦を求めるのは、無理のようです。
一時、有馬の有名なお店が、さんプラザの地下に、手打ち蕎麦をオープンした時がありますが、有馬の本店は流行っていたのに、さんプラザ地下では、お客様があまり来なくて、閉店してしまいました。
やはり、立地八割で、有馬の立地は有馬温泉寺の近くでいいのですが、さんプラザ地下は、北側の人通りの少ない場所、立地は恵まれていませんでした。
鳴門庵の立地は、通りから見えないような、悪くもなく、かといって、それほど良い場所でもない、ほどほどの立地です。
先代の頃から、鳴門庵に来ています。いつもお昼ご飯が中心で、鳴門庵で焼酎を飲みながら、女将さんの手料理を食べたいなぁと思ってみても、なかなかその機会がありません。やはり、親子丼、雑炊、サービス定食が続きます。
2012年11月14日(水)