マーケティング理論 実践経営ではどのように理論が 生かされているのか【社長経営学】

投稿No:9908

マーケティング理論 実践経営ではどのように理論が 生かされているのか 取材【社長経営学】シリーズ44

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ケーススタディ

神戸商科大学大学院の小西ゼミでは

マーケティング理論を学びながら、

実践経営ではどのように理論が

生かされているのか

ケーススタディで学びました。

学び方は、学部生と違い、大学院生は

自ら調査・研究をして、それを発表して

全員で討論する学び方です。

演習ではゼミ生は、

研究対象企業を選んで具体的な事例を発表します。

事例企業の具体的な経営への取り組みを調査して、

理論と実践を対比して

発表する研究方法でした。

グループ編成をして、少人数で調査にあたりました。

調査企業に面談を申し込むのは、

私が引き受けました。

事例企業の経営責任者に

事例研究なので、

出来るだけ会社トップの方から

自社の経営についてお伺いしたいと思いました。

面談を申し込み、経営者がどのように

「よきことを上手に成し遂げているか」を

聞き取るのです。経営責任者に予め

問題点を絞った質問を通知して

インタビューを行いました。

兵庫県立大学

経営者の方々は

「研究のためであれば」と協力的で、

お断りされた方はいませんでした。

アカデミックな視点から、

直接お話をお聞きできて勉強になりました。

私が選んだのは、会員制のスポーツクラブ業界と

人的サービス部門で

マルコム・ボルトリッチ賞を獲得したことがある

ホテルのザ・リッツ・カールトン大阪でした。

以下はそのケーススタディです。

スポーツクラブ社長に聞く

研究対象は阪神地区に

フィットネス・スポーツクラブの

施設を有する企業で、できるだけ

創業者または創業者に近い人に、

顧客満足について質問しました。

日付順にすると以下

の企業と経営者でした(社名および肩書は当時)。

アイエスエス株式会社(イトマンスイミングスクール)

アイエスエス株式会社(イトマンスイミングスクール)

                小谷博之社長      2001年6月9日

株式会社ティップネス      白井省三社長      2001年9月18日

株式会社東急スポーツオアシス  高野毅社長       2001月10 月4日

コナミスポーツ株式会社     石原悟社長       2001月10月12 日

株式会社ディックルネサンス   高橋尚樹第2営業部長  2001年10月22日

セントラルスポーツ株式会社   村井良孝副社長     2001年11月6日

顧客満足について

各社へのインタビューでわかったのは、

サービスの品質が会員を継続するか

退会するかの判断に

大きくかかわっている事実でした。

会員制ビジネスの中心的な問題は、

サービスの品質を高めて

維持することであると学びました。

その成功要因は、

新規顧客の獲得といった

攻撃的なマーケティングだけでなく、

顧客の離反の防止といった

防衛的なマーケティングの

二面性を持つことが挙げられました。

真似のできないサービスを基本とした

戦略的マーケティングとは

何であるかを、各企業は模索しています。

最も真似のできないことは

人間の行う情緒的サービスです。

多くの店舗で顧客満足を提供するには、

まず顧客に接する従業員の満足度を

高めなければならない、との意見でした。

異業種の経営トップの方々と面談出来て

普段、お会いできない経営者から

貴重な経営にまつわる考えを拝聴できて

その後の、私自身の経営の勉強になりました。

次回は、リッツカールトンホテルの調査です。

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