【社長経営学】シリーズ30 不毛の販売競争 メニコン田中恭一社長へ抗議 何を訴求するべきか?

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不毛の販売競争 メニコン田中恭一社長へ抗議 何を訴求するべきか?【社長経営学】シリーズ30

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1997年8月には、

兵庫県眼科医会から「はがき通信」が発行され、

公正取引委員会の勧告により

「今後はコンタクトレンズに干渉しない」

という記載がありました。

干渉はしないということなので、

我が社も競争企業に対抗することに決めました。

さっそく、広告会社と相談して

チラシ広告の準備を始めました。

1999~2000年にかけては、

当時医学生だった次女に

チラシ広告のモデル役を頼み、

新神戸駅近くのスタジオで写真撮影をしました。

次女は、親の助けになるならと喜んで、

ノーギャラで快く

モデルを引き受けてくれました。

春、夏、秋、冬の季節バージョンを

一度に撮影しました。

何度も服を変え、髪型を直し、

化粧も変えたので、

モデルの役も大変でした。

新聞の折り込みでは

70万枚ほどのチラシを

3回にわけて配ります。

広告費は1回に

400万円ほどかかりました。

値段を下げたうえ、

他店との違いを強調していきますが、

お客様は価格しか見てくれません。

安売りをすれば競争相手も安くして対抗し、

こちらもさらに安くして行かなくてはならず、

そのうちチラシを配らなければ

お客さんが来なくなりました。

低価格目当てのお客が増え、

客質が変わったことにより、

今までの技術やサービスを評価していただいていた

顧客からは不満の声も出てきました。

こんなことを続けていいのかと悩んだ末、

98年9月、メニコン名古屋本社を

奥さんと長女と3人で訪ねました。

(過去ブログ:メニコン田中恭一会長と田中正子ご夫人のご夫妻の来訪

田中恭一社長と面談して、

反社会的な販売政策を行っている

近隣の競争企業へメニコンが

支援していることを抗議しました。

田中恭一社長は、

「営業が決めた事だから変更はできない」と

組織の決定を優先する意見でした。

コンプライアンスと組織の論理は

どちらが大切なのか、

納得のできない思いで神戸に戻りました。

チラシ広告を続けているうちに、

低価格訴求では本質的な競争には

勝てないことが分かってきました。

何を訴求するべきか、

全国各地の激戦地区を視察しましたが

どこも、低価格訴求の競争状況でした。

低価格競争では、持続可能な競争力の獲得になりません。

どうするべきか? 悩みは続きます。

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