恩納村前兼久の朝日会では、お正月行事の餅つき大会が続いていませんでした。
金城正浩さんのお家は前兼久金城家の本家です。お正月から門中の人が集まってきています。松葉博雄も門中の中に入れてもらって、でかい顔をしてお酒と料理を頂きました。 第165回沖縄訪問(10)
年始に朝日会に行きました。
朝日会は、以前のような餅つき大会を正月にしなくなりました。
私と片山正喜さんが相談して始めた、朝日会の餅つき大会は、二人が動かなければ、もう活動は止まってしまっています。
今読み返してみると、10年前の皆さんは随分若くて、クレアちゃんはまだ幼稚園児でした。
今の朝日会の会長は、冨着勝弘さんです。
冨着勝弘さんが、私と奧さんに自宅に来て、正月用の中身汁(なかみじる)を食べていって下さいと、強く勧めてくれました。
中身汁は、豚の腸を良く洗って使っています。
腸がしっかり洗えていないと、臭いが残り、味も悪くなります。
横浜から帰ってきた息子さんも一緒です。
強く勧められるので、一緒に冨着勝弘さんのお家に行きました。
冨着勝弘さんの長男は、以前『ステーキハウスShige(シゲ)』というお店を開いていました。
とても美味しい焼き肉とハンバーグでした。
私と奧さんもよく利用していたのですが、事情があってせっかく軌道に乗っていたステーキハウスShigeをたたむことになりました。
冨着勝弘さんは温厚な性格で、あまり気の強さは出ていませんが、家に帰ると子ども達は、お父さんに対して、とても従順に従っています。
これも驚きです。子ども達が親に逆らうことがあまりありません。
時々見かけていた、冨着勝弘さんのお孫さん達は、しばらく見ないうちにどんどん背が伸びて、大きくなっています。
餅つき大会に来ていたときは、髪を後ろにくくり、可愛らしい幼児だった坊ちゃんが、今ではマルコメ味噌の宣伝に出るような、くりくり頭になっていました。
これから金城正浩さんのお家に行きます。
金城正浩さんは、金城正則さんのお兄さんで、金城家の本家です。
沖縄の家では、長男が仏壇を引き継ぐことになっています。
たくさん男の子が居ても、仏壇を引き継ぐのは長男だけです。
そうなると長男以外の家に生まれた子ども達には、祖先の仏壇がありません。
そこで、仏壇のあるお家にお詣りに行くようになっています。
仏壇を引き継ぐことは、家名を引き継ぐことと同じで、直系の男子の長子の家系になります。
そういうことなので、私も仏壇のある金城正浩さんのお家に来ると、まず仏壇にご挨拶をして、それから皆さんと一緒にお酒を頂きます。
客間に水槽が2つ設置されていました。
これはどうしたのですか?と尋ねると、金城正浩さんの長男が、水槽の台を作り、設置してくれたそうです。
一つの水槽にはアロワナが泳いでいます。
私は、もう一つのまだ使っていない水槽には、ディスカスを飼育したらどうでしょうか?と提案しました。
ディスカスは、とても綺麗な魚です。高い物になると、1匹が数十万円もします。
以前、マレーシア旅行に行ったとき、食堂に大きな水槽があり、ディスカスが沢山泳いでいました。
金城正浩さんのお家の水槽も大きいので、ディスカスが泳げばきっと素晴らしいと思います。
金城正則さんは既に、本家の仏壇に、お参りにきていました。
沖縄の家族は、沢山の兄弟が居たので、兄弟の子どものいとこ同士や、その次の世代のはとこ同士は、相当な人数になります。
金城家の本家ですから、たくさんのお供え物がきています。
ここでおせち料理を頂きます。
気温が高いため、生の魚やお肉は傷みやすく、その為、一度油で炒めた料理になっています。
台所からどんどんおせち料理が運ばれてきます。
なかなか食べきれるような量ではありません。
残すと勿体ないので、奧さんと二人で一人前を頂いても、それでも余るくらいの沢山のお料理です。
一門の皆さんが集まると、主婦の皆さんは、台所の応援にやってきます。
台所でお料理を作っている主婦の皆さんは、客間でお酒を飲んでいるおじさん達の前には、出てくる時間のゆとりがありません。
そこで私は、台所の方に行って、主婦の皆さんとお話をしました。
台所まで入ってくる男性のお客様は少ないようで、私のこのような行動は、伝統的な沖縄の主婦の皆さんにとってみると、変わった行動に見えます。
近くの山城景孝さんと、山城道子さんが年始に来られていました。
山城道子さんは、沖縄の占い師、ユタの事について、体験談や感想を話してくれました。
沖縄のユタは、亡くなった祖先をこの世に呼び出して、現世の人とあの世の人の意思の疎通を取り次いでくれると言われています。
信じるかどうかは、その人次第です。
金城正浩さんと面白い話をしようと思ったのですが、今日はなかなか面白いところまでいきませんでした。
金城正浩さんにこの漢字はなんと読みますか?と聞きました。
『勢理客』と書いて、ちゃんと読める人は、沖縄でも少ないのです。
正しくは、じっちゃくと読みます。
なぜ知っているかといえば、伊是名島に行ったとき、勢理客の地名があったからです。
お正月は、初笑いが出来ました。
金城正浩さんは、耳が遠くてしっかりとは聞こえません。
私と話すと、お互いに聞こえたふりをして相槌を打つので、側にいる人達は大笑いしています。
明日は、スーパームーンの出る日と言われて、今夜の月も大きなお月様でした。
2018年1月1日(月)