農業実習 丹波市青垣 東芦田営農組合 小豆(あずき)大納言の収穫実習 淡路景観園芸学校⑧
投稿No:8805
農業の問題を農業実習で学ぶ 丹波市青垣で丹波大納言小豆の収穫 実習演習⑧
丹波市青垣 東芦田営農組合 農業実習 小豆の収穫
淡路景観園芸学校の実習で、
丹波市青垣町東芦田地区に行きました。
学校には大型バスと、マイクロバスがあります。
例年なら大型バス1台ですが、
今年はコロナ感染防止のため、
密を避けて、大型バスとマイクロバスの2台を使って分乗し、
丹波市青垣町東芦田営農組合の
大納言小豆の収穫体験に向かいました。
秋晴れの快晴で、バス旅行のような嬉しさがありました。
丹波市青垣で丹波大納言小豆の収穫
農業実習の内容は、
小豆の摘み取り収穫の体験学習をしました。
小豆は熟れた小豆とまだ熟れ切ってない小豆があるので、
小豆のさやが赤く熟れた分だけを
ひとつひとつ選んで収穫しました。
体験学習なので手で摘んでいますが、
実際は機械で刈り取っています。
昔は、全て手摘みだったそうです。
農業実習 小豆の収穫
米作一辺倒だった水田ですが、
今は転作を奨励されています。
お米を作るより、小豆、
黒豆を作る方が収益性が良いようです。
小豆の収穫は、地域や栽培規模などに応じて、
次のような様々な方法により行われています。
小豆の収穫 手摘み収穫体系
小豆は同一株内でもさやの成熟が
斉一ではないため、一斉収穫は行わず、
収穫時期を数回に分けて熟した
さやから順に手で摘みとって収穫する方法で、
最後まで手摘みを行う場合と、
手摘みによる熟莢(じゅくきょう)が全体の7~8割に達した段階で
株ごと収穫して未熟粒を乾燥させる場合があります。
脱粒は、さやごと乾燥させた後に行います。
この収穫方法は、
都府県の小規模栽培で行われています。
小豆の収穫 ニオ積み収穫体系
熟莢率が70~80%に達する成熟期以降に、
刈り払い機、ビーンハーベスタ等を用いて小豆の株を刈り倒し、
あるいは人力で株ごと抜き取り、地干し、
島立て等により茎葉水分を十分に下げてから、
収穫した株をニオ積み、杭掛け、
架(はさ)掛け等と呼ばれる方法で
集積して2~3週間自然乾燥させ、
その後、ビーンスレッシャで脱粒する方法で、
北海道、都府県を通じてみられる収穫体系です。
(注)ビーンハーベスタ:刈取り株をまとめて
一定間隔でほ場に落下させる機械。
農業の問題を農業実習で学ぶ ピックアップ収穫体系
熟莢率が100%に達する完熟期以降に、
ビーンハーベスタ、ビーンカッタ等を用いて小豆の株を刈り倒し、
これをトラクターで牽引するピックアップスレッシャ
又はピックアップヘッドを装着した汎用コンバインを用いて
拾い上げると同時に脱粒していく方法で、北海道において、
従来の「ニオ積み収穫体系」に代わって
最も広く行われている収穫体系です。
(注)ビーンカッタ:複数条の刈取り株を
集約してほ場に列状に並べていく機械。
農業の問題を農業実習で学ぶ ダイレクト収穫体系
ピックアップ収穫体系と同様、
完熟期以降に、専用又は汎用コンバインを用いて、
小豆の株の刈取作業と脱粒作業を
一工程で同時に行う省力的な収穫方法で、
北海道で普及しつつあります。
丹波大納言の幟旗が建つ畑に入って 小豆の収穫
丹波大納言の幟旗が建つ畑に入って、
小豆収穫の体験実習の始まりです。
農業指導員から、
小豆の手摘みの方法について説明を受けました。
注意すべきことは、熟れたさやだけを収穫し、
熟れていないさやは残しておくことでした。
選別自体は難しいことではありません。
簡単なので直ぐに慣れました。
慣れると、単純作業に対する飽きが生まれてきます。
農業実習 小豆の収穫量
手摘みした小豆は袋へ収納するので、
どの位頑張って収穫したか、
袋を見ればすぐわかります。
そのため、収穫の手を休めるわけにはいきません。
沢山手摘みをすれば、
袋には大納言がいっぱい貯まってきます。
小豆の収穫後、どうなるのか?
刈り取った小豆は、
乾燥させてから農協を通じて出荷されます。
代表的な納入先として、
滋賀の老舗和菓子店「たねや」に収めています。
大納言の銘柄は高級小豆なので、
生産者でも食べられない高価な製品に変わるそうです。
以前に書いた たねやの記事は、こちらです。
100年 老舗:100年続く老舗企業のお話です。百年を超える企業は、経営理念がしっかりした企業です
農業の問題を農業実習で学ぶ 農業実習 小豆の転作サイクル
東芦田営農組合では、畑は農家から受託して、
毎年作物を変えながら3年に1回のサイクルで
連作にならないように植えています。
作っているのは、大納言と言われる小豆、
小麦、黒豆を交互に作っています。
小豆の収穫 大納言小豆
大納言という小豆の名前の由来は、
大納言の位(くらい)は
切腹をしなくてもいい高い位(くらい)なので、
この小豆も煮込んでも
小豆の腹が切れない(破れない)ということにちなんで、
この名前が付いたそうです。
小豆の中で特に大粒な特定の品種群は
「大納言」と呼ばれ、流通・加工上、
普通の小豆品種とは区別されています。
その名前の由来は、この品種群の小豆は大粒なだけではなく、
煮たときに皮が破れにくい特徴を持ち、
いわゆる「腹切れ」が生じにくいことから、
切腹の習慣がない公卿の官位である
「大納言」と名付けられたと言われています。
なお、円筒あるいは俵のような豆の形が
大納言が被った烏帽子に似ているためという説もあります。
江戸時代には、「大納言」より小粒なため
「中納言」「少納言」と名付けられた品種もあり、
現在も長野県、福島県等一部地域で栽培がみられます。
大納言に認定されるには、
その粒の大きさが直径1.8分(約5.46mm)以上ないといけません。
それ以下では等外品です。
出典 Beans Market
農業体験なので、
皆さん畑にしゃがんでひとつひとつ小豆を収穫していますが、
続けて作業していると足腰が痛くなります。
小豆の収穫終了
皆さん、黙々と小豆の手摘みに励んでいます。
ほとんどの人が、小豆の手摘み体験は初めてです。
皆さん、段々と腰が痛くなってきていました。
時々は、立ち上がって腰を伸ばすことです。
皆さんの袋の小豆を一つに纏めると、沢山になりました。
お昼になったので、
農業実習小豆の手摘み体験は終了です。
小豆の収穫体験の後は、昼食
作業を2時間ほどした後は、東芦田公民館に場所を移して、
組合長さんのお話しを聞きながら昼食を頂きました。
お弁当は、学校の方で、
お茶付きで1000円で用意していただいていました。
東芦田営農組合 組合長さんのお話
集落の概要は、全戸数が179戸、
そのうち農家の数は128戸です。
営農組合の概況
・昭和57年に東芦田農業生産組合を設立。
・農用地利用の調整
・集団転作の実施、小麦の作付け、
小豆世話人会による小豆作付け管理の受託、
鳥獣害防護柵の設置等を行っています。
東芦田営農組合の課題
青垣町芦田地区で直面している課題は、
農業の担い手がいないことです。
組合員は60代、70代、80代の方が中心で、
皆さん後継者不足に悩んでいます。
もし青垣町芦田地区で農業をしたいという
希望者がいれば、大歓迎です。
組合が受託して管理している畑はたくさんあります。
その畑を使って、農業ができるようにサポートしてくれます。
農作物の作り方から収穫の方法、
農業機械の貸与や使い方の指南も行います。
農業は機械貧乏と言われていて、
農機具を買うために多大な投資が必要です。
農作業の機械化が進んでいますが、
1年に数日しか使わない田植えの機械、
耕運機、収穫機、乾燥機などで、
どのお家もその購入に多大なお金を使っています。
農業組合の応援があれば、
機械は買わなくても組合のほうから応援してくれるそうです。
この辺りには、イノシシ、鹿などの獣害が起きています。
そのために電気柵で囲って畑を守っています。
鹿などは定期的に駆除して、その肉を販売もしています。
このようなお話を聞かせていただきました。
2020年11月5日(木)