景観生態学 一度聞いただけでは、分かったような 分からないような講義 

投稿No:8783

分かったような 分からないような 景観生態学 里山の管理について 兵庫県立淡路景観園芸学校・受講記③ 淡路景観園芸学校 

分かったような 分からないような 景観生態学 里山の管理について

今回の講義テーマは「里山の管理について」です。

講師は藤原道郎教授です。

里山の変化と、それが我が国の生物多様性に及ぼした影響を明らかにしています。

優先して保全再生すべき里山の抽出と管理について、

日本全土での里山の分布や都市拡大による消失リスクを、

国土数値情報を用いて抽出する手法を開発してきました。

一度聞いただけでは、分かったような分からないような、景観生態学です。

分かったような 分からないような 景観生態学 地域資源としての自然環境

日本の暖温帯域において竹林(特にモウソウチク)の拡大が問題となっています。

植生図や現地調査をもとに、

その分布や面積・材積の特定を行い、

竹林をいくつかのタイプに分け、具体的な管理目標を設定し、

間伐等を含む一連の管理作業も実施しています。

これらは学生演習だけでなく、

市民向けのセミナーや協働事業などでも行っています。 

竹を防除する対象としてではなく、

地域の資源として捉えて利活用につなげたいと考えています。

少しずつ前進していると感じています。

淡路島にはニホンジカやイノシシなどの鳥獣害も発生していますが、

地域資源となり得ないか模索中です。

学生も地域の皆様方とともに活動し、

様々なアイディアを実現していくことから地域がもっと面白くなると考えます。

出典 兵庫県立淡路景観園芸学校 HP

分かったような 分からないような 景観生態学

景観生態学と言うアプローチがあります。

景観生態学は、ランドスケープエコロジー

(Landscape Ecology)の日本語訳です。

空間と生態の関係を扱うので、

地理学と生態学の両方に関わる分野です。

景観とは見かけ、風景のことです。

生態学は広さ・分布・生き物・流れを鳥の目、

つまり鳥瞰(ちょうかん)で見ます。

コンクリートで固められると、

その辺りの生態が変わってきます。

分かったような 分からないような 生態学とは

生態学は、生物と環境、

または生物同士の相互作用を理解しようとする学問です。

生物はさまざまな形で周囲の環境と関わりを持つと同時に、

多数の生物種とも相互作用しながら生存しています。

例えば池があって、その近くに畑があれば、

池には魚が生息し、畑には鳥の餌となる虫が生息します。

鳥にとっては池と畑が自然の状態であれば、

その自然の中で食べ物を捕食できます。

さらに周りに森林があれば、こちらには昆虫が生息します。

周囲が何か変わってくると、生態系も変わってきます。

コンクリートで固められると、生態は変わってしまいます。

分かったような 分からないような 植生分布

世界の植生分布をみると、アジアや日本は植物が多いのが特徴です。

また、日本周辺では乾燥地が少ないのが特徴です。

自然の生物にとっては住みよい場所です。

写真引用 MORiP!

樹木を見ると、

太陽の光を上から受ける広葉樹は葉っぱが広がります。

太陽の光を横から受ける針葉樹は、

樹木は上へ上へと伸びようとします。

里山では、30年以上前には里山の木を燃料として伐採していたので、

山の木に太陽の光が当たり、落葉広葉樹が増えていました。

植生分布 分布地域での違い

日本列島の太平洋側と日本海側の植物にも特性があります。

日本海側の植物は雪と風により、低い木に育ちます。

気象条件によって、植物分布が変わるということです。

これなら、わかりました。

トベラが示す乾燥環境 乾燥地帯では葉は、丸く巻く

淡路島を代表する植物にトベラがあります。

トベラは乾燥に適応した葉っぱの形があります。

同じ淡路でも、海に近い場所、山の丘陵地、

市街地では葉の形が変わってきます。

トベラの葉は、乾燥地帯では乾燥を防ぐため、また、

葉の広がりを少なくするために外側に向かって丸まっています。

この葉の形を見れば、その地域の乾燥状態が分かるのです。

ウバメガシもまた、淡路の代表的な植物です。

主に海岸近くに多く茂っています。

スダシイは風に適応して、

葉の裏が黄色いものと緑のものに分かれます。

※写真はトベラです。

分かったような 分からないような 林の将来

アカマツ林の構造を見れば、

その林の将来が分かると言われています。

光が当たらないと、アカマツの種子は発芽しません。

植物の遷移により植物群落は移り変わります。

樹木がどのように茂ってくるか、

その仕組みが分かると植樹対策ができるそうです。

先生が採取してきた実物の植物サンプルの枝を比較すると、

確かに同じ植物で同じ種類なのに、進化の違いがありました。

植物はその環境に適応して、

自らが進化していることが分かりました。

何に対して適応して、どのように進化したのか、

これを詳細に比較検討すれば、景観に生かせるようです。

だんだん景観生態学がおぼろげながら分かってきました。

昼食は食堂でお弁当 食堂生態学

多くの学生が一度に食堂へ集まって、

好きなメニューを選んで注文すると、

食堂の職員は急に忙しくなり、

時間がかかって待ち時間が長くなってきます。

そうなると、人が密集する事態を招きます。

そこで、予めお弁当を予約しておけば、スムーズな対応が出来ます。

景観生態学の考えを応用すれば、

これは食堂生態学と言えないでしょうか。

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2020年10月8日(木)