ペティ・クラークの法則のとおり、松茸は産業構造の高度化の影響を受けて、超高級食材になりました。
松茸は、第一次産業の農業や、林業、漁業中心の昭和の時代には沢山松茸山に茂っていました。 社長ブログ神戸/手作り料理/松茸ご飯
今年の秋の味覚のクライマックスです。
それは、松茸づくしを家で味わっていることです。
土瓶蒸しに続いて、松茸ご飯を作ります。
以前奧さんが松茸をすき焼きに入れて皆で味わっていると、
松茸はすき焼きと一緒に炊くと、お肉の脂に松茸の淡泊さが負けてしまうという意見がでました。
では、松茸は何にすると一番本来の味が出るのでしょうか?
これに対する意見は、松茸は松茸ご飯でしょうというのが多数でした。
松茸ご飯に入れる具材は、油揚げ、ニンジン、こんにゃく、ちくわ、小さく切った鶏肉です。
せっかく岡山県の美作市まで行って入手した松茸ともお別れです。
これからこの香りのぷんぷんするほど素晴らしい松茸を切り刻みます。
それにしても松茸は、どうしてこんなに少なくなり、高級食材になってしまったのでしょうか?
地元の人の話では、松林が杉や檜に変わってしまった事が挙げられるそうです。
杉やヒノキは、春の初めから花粉を放出し、全国的な花粉症を引き起こします。
こんなことなら松林のまま自然に任せていたら、花粉症に悩む事もなかったのにと悔やまれています。
もう一つは、林業に携わる人が少なくなり、さらに高齢化が進んでいる事です。
傾斜地の山の世話をするのは、足腰の負担も大きく、重労働です。
悪い事に、松食い虫も全国に広がりました。
枯れ草を集めて家の燃料にしていた時代は、 山に入る人も多く、地表は適当に掃除されていました。
結局のところ、コーリン・クラークが言う『ペティ・クラークの法則』のように、
第一次産業から第二次産業へ、さらに第三次産業へ働く人が移っていく事で、
畑や山は昔のように細かい管理が出来なくなっているのです。
あれこれと考えている内に、炊飯器のご飯は炊きあがり、松茸ご飯の出来上がりです。
奧さんに頼まれて、ご飯の周りをしゃもじで回し、ゆっくりと全体を混ぜ合わせ、松茸が均等に分布するように混ぜ合わすのが松葉博雄の役目でした。
2015年10月16日(金)