ビジョナリーカンパニー特別編では、第五水準のリーダーシップを求めています。
コーポレートガバナンス(企業統治)が求められる現代では、正しい決定が出来る第五水準のリーダーシップが求められます。
株主総会の季節になりました。上場企業から、株主総会の招集通知が来ています。ここで問題となるのが、コーポレートガバナンス(企業統治)の問題です。
株主総会を円滑にする為に、コーポレートガバナンスがあるのではありません。そもそも、日本の上場企業の大方は、3月31日が決算日で、3ヵ月後の6月25日前後に、株主総会が集中しています。
これでは、複数の企業の株主総会に出席して、企業の業績や、問題点、企業統治などについて、説明を聞き、質問することは、時間的制約上無理です。
企業はなぜ、株主総会の日を、集中させるのでしょうか?それは、伝統的に注目を浴びるのを避けて、株主総会に出席する株主を分散させる、意図があるからではないでしょうか?
奥さんが作ってくれた、夏バージョンのそうめんを頂きながら、ジェームズ・C・コリンズの書いた、ビジョナリーカンパニー【特別編】の第二節「第五水準のリーダーシップ」について思い出しています。
第五水準のリーダーシップとは、「謙虚さ」や「親切さ」、単なる「包容力」や「全員の合意を得る力」ではない。第五水準とは要するに、正しい決定が下されるようにする事である。
どれほど困難であっても、どれほどの痛みを伴うものであっても、長期的に偉大な組織を築き、組織の使命を果たすために必要な正しい決定が、合意や人気とは関係なく下されるようにする事が要点である。(ビジョナリーカンパニー【特別編】の第二節「第五水準のリーダーシップ」p.34)
と、コリンズ先生は述べています。
正しい決定が経営者によってなされていれば、株主総会は何も問題はありません。しかし、日本中の企業が第五水準のリーダーによって経営されているわけではありません。
中には、恣意的な判断があるかもしれません。さらに、まずいことは隠そうと、経営者に正しい決定を求めて来ない、愚集政治と成りかねない、企業統治もあるかもしれません。
株式を公開する事や、公開企業を経営することは、正しい決定を求められることなので、公開企業の経営者は、大変だなぁと、食事をしながら思いました。
2015年6月