花は盛りに月は隈なきをのみ見るものかは と、吉田兼好は、少し欠けている方が良いといっています。
花は盛りに月は隈なきをのみ見るものかは と、吉田兼好は、少し欠けている方が良いといっています。須磨浦公園の桜の花は、盛りを少し過ぎて、花吹雪が吹いています。
花は盛りに月は隈なきをのみ見るものかは と、吉田兼好は徒然草で、花も月も少し盛りの過ぎた方が良いといっています。
昔、松葉博雄が若い頃、お金がない連中が集まって、お酒を買ってきて車座に座り、皆で手拍子をうって、茶碗酒を飲んでいた時代の歌があります。
♪春が~来たかよ、下宿の床にさ~♪
丼鉢ちゃ浮いた浮いたステテコシャンシャン~♪
学生の時の花見も楽しかったけど、今夜は家族で、と言っても全員ではないけれど、とりあえず、声をかけたら集まった人で、須磨浦公園の須磨観光ハウスに行って、夜桜見物となります。
一度利用すると、翌年にも案内状が届いて、またリピートを促すマーケティング手法を『CRM(Customer Relationship Management)』と呼びます。
その甲斐あって、松葉博雄は今年も、須磨観光ハウスに来る気になりました。
マーケティングで大事な事は、お客様とお金に関する事です。
お客様に来て頂けなければ、お金になりません。
お金が無ければ、お客様に満足して頂けるマネジメントが出来ません。
桜豆腐、キャビア、三つ葉、才巻海老、桜花、美味出汁が先附として初めに出てきました。
去年は奥さんと2人で来ましたが、今年は娘が加わり3人になって、昼が夜桜見物に変わりました。
予約をしていたので、窓際の桜がよく見える場所が、花見の宴の場所になりました。
筍木の芽和え、一寸豆、花見団子、春子踊り、桜大根、合鴨ロース、百合根袱紗焼、汲み湯葉生雲丹、桜枝は、前菜です。
つまりオードブルです。
夕暮れ時は、すこしずつ辺りが暗くなり、暗くなると桜に当てた照明が、きっちり桜の美しい花びらを、春の宵に浮かび上がらせてくれます。
明るいときの桜は、平面的に見えますが、照明がいくつもの角度・方向から当たると、光と影が生まれ、桜の花は立体的に、奥行きを伴った、まるで鳴門の渦巻のように、動態的に見えてきます。
桜鯛真丈、菜の花、葩大根、人参、木の芽などは、調理場からの料理の腕前を伝えるメッセージです。
窓際には何組かのお花見客が、花月会席の花月(¥21,000)、花(¥15,750)、月(¥12,600)、雪(¥15,000)のいずれかを注文しています。
お値段が高いお料理を注文している方は、それなりにお花見の席は、花見に都合の良い席になっています。
桜鯛、かんぱち、車海老、鳥賊、山葵、紅蓼などの春を告げる食材です。
須磨観光ハウスの花月にしても、一年で一番忙しい季節かもしれません。
桜木穴子、筍、長芋、青味、桜麩は、炊き合わせです。
4月は山椒の新しい芽が添えられています。娘の思い出に、うちの家では、
いつも木の芽が植えられていて、子どもの時には、木の芽を取ってくるようにと、言われて取ってきたことを思い出したそうです。
きっと調理場はてんてこ舞いの、大忙しだとおもいますが、サービス係の女性2人も大忙しです。
銀鱈西京焼、桜蓮根、蓬麩は、焼き物です。特に美味しかったのは、銀鱈の西京焼きでした。
ビールを注文するときに、アサヒスーパードライの生か瓶かが選べるのですが、生はありますか?と、尋ねると、ちょっとお待ち下さい、調べてきます。と、こんな定番メニューなら即答できるのではないかと、訝しながら待っていると、かなり待って、答えは、生ビールはありますという答えが返ってきました。
桜餅、銀あん、山葵は、箸休めで、箸を使わないでスプーンでいただきます。
この間箸は休むことになりますが、休んだ箸は元気になるのでしょうか?
お料理は季節に関する食材が使われています。
始めに桜の花を浮かべた桜茶や、菜の花、木の芽、桜の葉、筍などの、春の香りが漂ってきます。
和牛ステーキ80g、焼野菜、合肴です。このステーキも、一点豪華の美味しいお料理でした。
奥さんと娘にビールを注いでもらいながら、時々風が吹いて揺れて、花びらが散る夜桜を見ていると、長い長い寒い冬をなんとか超して、春がやってきた実感を感じます。
貝柱の桜燻製、春野菜寄せは、酢物です。松葉博雄は、酢に対する反応が敏感で、傷んだ酢の場合、すぐに体に反応が出ます。
今夜の酢は、問題ありませんでした。
和食のコース料理は少量で、他品目を作るので料理人は大変です。
お肉も上等のお肉で、おままごとの様な少量のお料理でも、食べ続けていると、もうこれで十分です。
と思うほど、適量な満腹感になりました。
お支払いの時に、2階の部屋からも桜が見えますよと、空いた和室に案内してくれて、ライトアップされた桜を、先ほどの部屋とは違った角度から、眺めることができました。
とても気の利いたサービスでした。和室の大広間から見る今夜の桜は、最高の眺めです。
何故、最高なのかと言えば、満開の桜は、地上より上に桜が咲いています。
しかし今日の桜は、花吹雪で桜の咲く敷地にも、じゅうたんの様に、桜桟敷が広がっています。
敷地も上空も、下も上も、桜の花びらでいっぱいです。こんな上と下のバランスがとれた満開は、なかなか見られません。
娘が写真を撮ると、上手く写ります。松葉博雄が写すと手ぶれがあって、上手く写っていません。
どうやら、撮る方より撮られる方が向いてるようです。
2012年4月14日(土)