初夏の味覚 琵琶湖の若鮎 琵琶湖の鮎と 天然鮎には 違いがあります
投稿No:10274
初夏の味覚 琵琶湖の若鮎 琵琶湖の鮎と 一般的な川の鮎には 違いがあります
娘の旦那さんから、
琵琶湖の若鮎の塩焼きが届きました。
鮎といえば、私の好物の一つです。
娘夫婦は、私が鮎好きなのを
よく知っていて、毎年この時期になると
こうして送ってくれています。
毎年、初夏になると、
そろそろ鮎の季節だなと感じて、
どこかに食べに行くのを
楽しみにしているのですが、
今年の最初の鮎は、この頂いた鮎を
食べようと思います。
今回頂いたのは、
木村鮎です。
箱を開けた瞬間、香ばしい香りが
漂ってきました。
木村鮎は、ブランド鮎で、
琵琶湖の北部、高島市で養殖されています。
ミシュラン星付きの料理人たちにも
選ばれるほどです。
この木村鮎は、天然により近づけて
丁寧な育て方をしているそうです。
餌は、市販の配合飼料を使わず、
天然の川魚が食べるものに近づけた、
植物性原料中心の餌を使用しています。
これにより、身にクセがなく、
鮎本来の香りと上品な脂の甘みを
引き出しているそうです。
また、鮎を育てる水にも
徹底的にこだわっています。
比良山系の伏流水を使っていて、
清らかで冷たいこの水は、
天然の清流のような環境を作り出し、
鮎にとって理想的な
生育条件を整えています。
育てる池の底には
砂利が敷かれていて、鮎が泳ぎながら
底をついばむことで、天然に近い運動量が
保たれるよう工夫されています。
こうした環境が、身の締まりと
香りの良さにつながっているのです。
養殖アユは頭のすぐの背が隆起し、
体色は青みがかかっています。
養殖アユでは香りが弱いと言われています。
養殖アユは一般 に肉質が軟らかく、
甘味がやや乏しく、
加熱した際の香りが劣ります。
天然アユ
天然アユに はスイカ、
ウリ類に似た強 い香りがあります。
塩焼きにして食味を比較すると、
天然アユは肉質が締まり、
甘味と特有の香りがあります。
鮎といえば、
清流を泳ぐ姿が思い浮かびますが、
琵琶湖にも琵琶湖鮎と呼ばれる鮎がいます。
この琵琶湖の鮎と、一般的な川の鮎には
違いがあります。
川の鮎は流れのある清流で育ち、
遡上や産卵を繰り返しながら、
川を旅するように一生を過ごします。
そのため、運動量が多く、
身が締まっているのが特徴です。
味はすっきりとしていて、香りが高く、
川魚らしい力強さがあります。
一方、琵琶湖の鮎は
湖で一生を過ごす陸封型の鮎です。
流れが穏やかな湖で育つため、
身はやわらかく、脂ものっていて、
ふっくらとした食感になります。
サイズはやや小さめですが、
やさしい甘みがあり、
淡白な中にも旨味を感じる味わいです。
鮎を食べたいと思えば、
天然の鮎を食べたいですが、
現在流通している鮎の約9割以上が養殖です。
天然鮎は全体のわずか5~10%程度しかなく、
年々その漁獲量も減少傾向です。
天然鮎は川ごとに
漁期や漁獲量の制限があり、
環境や天候の影響も受けやすいので、
安定供給が難しいのです。
それでもやっぱり、天然の鮎は
食べ比べると、味は全然違います。
天然鮎は、清流で育つため、
特有の香りと風味が強いです。
これが「香魚」とも呼ばれる由来です。
胃袋の苦みのある青々しい香りがします。
またいつか、機会が有ったら
天然の鮎も食べたいなあと思います。
さっそく、奥さんが
頂いた鮎を使って
ご飯の用意をしてくれました。
今回は涼しげに、
うどんと一緒に頂きます。
夏を感じる、涼しげで
おいしそうな御膳です。
鮎の香ばしさと食卓の涼やかさに、
初夏の気配を感じて、
とても嬉しくなりました。