ストックの園芸農家 淡路市一宮地区 山本農園 淡路景観園芸学校 受講記(59)マスターコース④
投稿No:9203
ストックの花 淡路市一宮地区 山本農園見学 淡路景観園芸学校 受講記(59)マスターコース④
ストックの花 淡路市一宮地区
淡路島内の園芸農家等の見学を行いました。
最初は淡路市一宮地区
山本農園のストック栽培のハウスを訪ねました。
ストックとはどんな花?
ストックは、和名ではアラセイトウ(漢字:紫羅欄花)と呼ばれ、
長い花穂にびっしりと花をつけることから、
切り花やアレンジメントにもよく用いられます。
また、甘い強い香りが特長です。
ストックは、「菜の花」と同じアブラナ科の植物です。
古くから薬草として栽培されていたようです。
日本には江戸時代に渡来したと言われています。
ストックは、アブラナ科アラセイトウ属の
マッティオラ・インカーナ の花です。
多年草の1種で、南ヨーロッパ原産です。
一重咲きと八重咲きのものがあり、
たくさんの種類の花の色があります。
赤、ピンク、白、紫、黄色などの色があり、
淡いものから濃い目のものまでバリエーションも豊富です。
20~80cmぐらいの様々な高さのものがあります。
一宮地区のストックの状況
一宮地区でストックの栽培は
1973(昭和48)年に始まりました。
現在は16軒、約3.7ヘクタール作付けされています。
全て加温しない温室、無加温施設栽培です。
11月~翌年6月までの間、2期作をしています。
淡路市では、他の産地では真似のできない長期出荷(10 月下旬
~翌年6月まで)を実現しています、
一宮花き園芸協議会ストック部会として
年間150万本を出荷しています。
関西では京都、大阪、神戸、姫路などの市場へ出荷しています。
平均単価は 70 円/本(27-28 年度作)と
コロナ禍の前は高値で安定していました。
淡路農業技術センターの研究成果をもとに
2006(平成18)年から植物成長調整剤(ビビフルフロアビル)
2015(平成27)年から電気で照らす電照栽培を導入し
安定した通年出荷を目指しています。
山本農園の概況
経営耕地面積は90アールあり、
そのうち施設は30アールあります。
作ってる品種はストックが中心で50アール使用しています。
家族4人で経営しています。
ストックの育て方
種まきは8~9月におこないます。
その後9~12月が育成時期です。
種まき後は、風通しの良い日陰に置き
水を切らさないように発芽するまで育てます。
たくさんの芽が出ています。
9月~11月にかけて定植します。
ストックは1~3月が収穫時期です。
種苗法の定めにより、脇芽栽培は許されないため
すべて種を買って、種から発芽させています。
花を一重にするか八重にするかにより
値段が違うため小さな苗の時から
選別をして不要な苗は引き抜いています。
農業生産も収益を高めるためには栽培密度にこだわり、
限られた面積で最大のストックを
出荷できるように手を加えているそうです。
コロナの影響でストックの価格下落
ストックの花が使われる最大の需要は、お葬式です。
大手の冠婚葬祭が、最大の顧客です。
コロナの影響で、お葬式は家族葬が中心になって
大規模なお葬式は控えられるようになりました。
そのため、花き全体の需要が減少し、
ストックも同じように需要が減少して来ています。
ホテルでの結婚式と披露宴、パーティも控えられています。
これでは、ストックの市場価格が暴落してしまいます。
このような時に、価格差を補填する保険が頼りになります。
2021年12月11日(土)