淡路市の名刹・常隆寺は、高野山真言宗霊場です 淡路島に流された淳仁天皇が、 父の舎人(とねり)親王のために創建 淳仁天皇ご自身が不遇でありながら、 お父上のために、新たにお寺を建立され、 その親孝行心に感動しました
投稿No:9171
常隆寺 奈良時代より続く淡路の古刹 淡路市の名刹・常隆寺 高野山真言宗の寺です 密教は大日如来が説いた教えで 顕教は釈迦如来が説き顕した教えです。
常隆寺 淳仁天皇が父の舎人親王のために創建
淡路の名刹・常隆寺は、高野山真言宗の寺です。、
奈良時代後期の天平宝字8年(764)に
廃位となり淡路島に流された淳仁天皇が、
父の舎人(とねり)親王のために創建し、
僧常隆法師の名をとって常隆寺としたと伝えられています。
淳仁天皇ご自身が不遇でありながら、
お父上のために、新たにお寺を建立されたとのことで、
その親孝行心に感動しました。
桓武天皇の勅願寺
また桓武天皇の弟・早良親王が延暦4年(785)に
皇位継承紛争で淡路島に流される途中に亡くなり、
御遺骸が淡路市の仁井に埋葬された当時、
都では天変地変・悪疫が蔓延しました。
これらは早良親王の祟りであると噂され、
その霊を鎮めるため、延暦24年(805)、
桓武天皇は勅使を当山に派遣して勅願寺とし、
七堂伽藍を建立、本尊を安置されたそうです。
常隆寺は、淡路島西国三十三ヶ所霊場の
第三十一番霊場(栗村山常隆寺)です。
常隆寺は真言宗のお寺で「じょろっさん」
と親しまれる北淡路随一の名刹で淡路三山の一つです。
高山信仰の聖地なのです。
本堂は、そんなに大きくありませんが、
手前にある立派なサルスベリごしに見ると、
とても趣があるお寺です。
常隆寺は淡路島百景の一つでもあります。
真言宗は、弘法大師空海が
真言密教と呼ばれる空海の教えは、基本は密教です。
では、密教とは何でしょう。
密教の対語は、顕教です。密教と顕教を比べてみれば、
顕教は、衆生を教化するために姿を示現した釈迦如来が、
秘密にすることなく明らかに説き顕した教えです。
平安時代初期に大成した
真言密教の教えを教義とする教団です。
真言密教の「真言」とは、
仏の真実の「ことば」を意味していますが、
この「ことば」は、人間の言語活動では表現できない、
この世界やさまざまな事象の深い意味、
すなわち隠された秘密の意味を明らかにしています。
弘法大師は、
この隠された深い意味こそ真実の意味であり、
それを知ることのできる教えこそが
「密教」であると述べています。
それに対して、
世界や現象の表面にあらわれている意味を
真実と理解している教えを
「顕教(けんぎょう)」と呼んでいます。
「顕教」とは、声聞(しょうもん)・縁覚(えんがく)
の教え(二乗)と法相宗、三論宗さらに天台宗、
華厳宗などの大乗仏教を指しています。
常隆寺 本堂
常隆寺の本堂の中には、入れませんでした。
隙間から見える、本堂の内部です。
お寺としては、本尊を礼拝してほしいと思いますが
何分、人里離れ、訪れる参拝者もわずかですから
用心のためには、締め切るのも仕方ないことです。
大師堂
仁王門をくぐって、すぐ左手に行くと、
こんな素敵な風景があります。
日照の関係なのか、
木は一様に右側に引っ張られていました。
2021年11月3日(水)