由布島・西表島の水牛の子孫 金武町の億首川(おくくびがわ)の水牛車に移籍 

億首川(おくくびがわ)の水牛車 由布島・西表島から移転してきた水牛でした。恩納岳から金武町内を流れて金武湾にそそぐ億首川 第175回沖縄訪問記(15)

億首川(おくくびがわ)なにか怖そうな名前

今日のドライブは、金武町の億首川へきています。

億首川とは、首が億もあるので怖そうな名前の川です。

川の名前は地名から名付けられています。

「億首」という地名の由来は『金武町誌』によると――

慶長14年(1609)島津軍が琉球へ侵入の際、

ギミンノへイカという勇ましい兵士がこの地にあった要害で島津軍を迎え討ち、

敵の首を数億も切り落としたことに因んで名付られたようです。

億とは、数え切れないほど多くという意味のようです。

億首川(おくくびがわ)の河口にはヒルギが群生

恩納岳から金武町内を流れて金武湾にそそぐ億首川は、全長約8kmあります。

川の水と海水が混ざりあう河口近くには、沖縄本島では唯一、

4種類ものヒルギが群生するマングローブ林があり、

水辺の生き物やバードウォッチングが楽しめる場所として人気を集めています。

億首川の河口に水牛が

水牛はもともとは沖縄にいたものではなく、

農業の際に畑を耕すため、台湾から連れて来られました。

大きな耕運機がはいられないところは、この水牛が大活躍していました。

沖縄の各島々で見られる、さとうきびを耕す際もこの水牛が活躍していました。

水牛は、中国・東南アジア・インドなどアジアの熱帯に近い地方で広く用いられています。

熱帯の植物を主食とし、

穀物飼料や濃厚飼料中心の飼養に向かないので寒い地方では利用できません。

暑さにも弱く、1日に3時間は水に浸からなければならないので

水辺での生活が欠かせません。

移動速度は遅いのですが、牛よりも牽引力が大きく、

粗食に耐えるので、荷車の牽引用として優れています。

このような理由で、億首川の観光用の水牛車に導入されたようです。

億首川の水牛車の運営はふくらしゃや

ふくらしゃやでは、水牛車に乗って、

三味線も聞きながらマングローブを見に行けます。

その名も、こころほっこりのんびり水牛者体験です。

所要時間は45分、大人千円、子供500円です。

5歳児までは無料となります。

【出典:ふくらしゃやHP

ここでは、7頭の水牛が飼育されています。

名前や特徴が書かれた看板がありました。

表情の見分けは難しくても、よく見ると、

角の形がそれぞれ違うので、

角の形でどの牛か見分けることができそうです。

水牛の加齢は人間の3倍の速さ

水牛の年齢は人間の3倍の計算になるそうです。

ここにいるユウタくんという名の水牛は、23歳です。

人間でいうと、70歳くらいになるそうです。

ユウタくんは西表島の隣にある、

由布島からきたベテランで優しいおじいちゃん牛なんだそうです。

由布島観光の水牛車

西表島の離島である、由布島観光の時の水牛車の思い出です。

水牛車と言えば、沖縄では竹富島と由布島が有名です。

西表島から1kmほど離れた由布島に渡るときに、

水牛を使った牛車が始まったそうです。

その時の水牛は、台湾から一番目の水牛を連れてきて、

それが今も子孫を残して、増えているそうです。

水牛にとって、牛車をひっぱる仕事は重労働なのか、

それほどでもないのか、その負荷は分かりませんが、

この牛車の仕事が無ければ、水牛もこれほど増えてないそうです。

ほんのちょっと非日常的な田園情緒を満喫する為に、

沢山の人が高い運賃を払って、向こうの由布島に渡ります。

説明によれば、西表島は、かつてはマラリアの恐怖がありました。

由布島には、マラリアの心配がなかったので、

夜を由布島で過ごす人が、西表島から由布島へ通っていたそうです。

観光資源になった水牛は、

今では30頭ほどがこの由布島で飼育されています。

その中の水牛が、億首川へ導入されたそうです。

水牛の牽引力

水牛車は、牛一頭が引っ張るにはとても大きく感じます。

ですが、ここに何人もの人が乗るのですから、

相当な力があることが分かります。

水牛は大きなものでは1トンもの巨体になる牛です。

しかし性格は至って温厚で、人間に従順な牛になります。

大きな牛だからと言って闘牛のような荒々しいものではありません。

そんな水牛の引く、車の水牛車もゆったりとしたペースで進んでいきます

今は繋がれていて、限られた行動範囲の中で休んでいますが、

ストレス発散と運動不足解消の為に

放し飼いをして自由に走り回る時間も作っているそうです。

水浴びも必要な日課です。

夏や、暑いときには、ここで飼育員さんに定期的に水浴びをしてもらって、

暑さをしのいでいます。

ここの水牛はみんなおとなしく、自由に触ることができるようになっています。

ただし、体が大きいので牛が虫を払うときなど、

急に頭を振ることがあるので、角が当たらないように注意が必要です。

水牛車の台車はとっても重い

水牛車が止まっていたので、水牛車の牽引には、

どの位の力がひつようなのか、持ってみました。

鉄で出来た牽引は、私の力では持ち上げることすら

できないほどの負荷かかかっています。

これを背中に乗せて、人が乗った台車をけん引するのですから、

水牛には重労働です。

老衰するまで、牽引し続ける水牛の宿命を不憫に思いました。

生まれて間もない、幼い水牛が一頭いました。

まだ体格は小さい水牛ですが、

そのうち体重が1トン近くまで重くなりそうです。

億首川の水牛車は、由布島の台車より大きいので、牽引は重そうです。

大きな台車は、乗客も多くなり、水牛への負荷は由布島より厳しそうです。

今は幼い水牛ですが、この重い台車をけん引する日は、いつからでしょうか。

億首川の河口で、偶然通りかかった水牛たちの非番の状況を見て、色々と考えました。

ここの水牛たちは、西表島の水牛が祖先で、

億首川に移り住んでから、新たに家族が増えているので、

新天地に適合しているのではないかと思いました。

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2019年10月9日(水)

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