アヤメの様なオクラレルカが一面に育っています。 大宜味村喜如嘉の喜如嘉ターブク(田んぼ)
大宜味村喜如嘉(おおぎみそん きじょか)のオクラレルカは、3月下旬から4月の下旬にかけて、アヤメのような花がいっぱい咲きます。とても綺麗で、新しい花見の名所になっています。 第161回沖縄訪問(5)
オクラレルカの花畑
あやめの咲いている場所です。
場所は大宜味村喜如嘉(おおぎみそん きじょか)地区です。
水田を利用したアヤメの畑です。
来てみると、アヤメの背丈に驚きます。
大人の背丈ほどある高さです。
しかし、この辺りでは、アヤメとは言わなくて、
その名も「オクラレルカ」です。
オクラレルカの花言葉は、良い知らせです。
アヤメ、カキツバタ、ショウブ、イチハツなど、
同じような花でも、
どの場所に咲くかで植物の名前が変わってきます。
オクラレルカは、水田を利用した場所なので、
水中に育つ種類になります。
この辺りは、元々は畳表に使うイグサを栽培していたそうです。
それが、中国などの外国からの安値攻勢に負けて、
喜如嘉地区ではイグサ作りをやめて、
しばらく水田は放置されていたそうですが、
頭の良い人が考えて、この水田利用を、
生け花用に使うオクラレルカの水田に変えていったそうです。
オクラレルカの見頃は
4月上旬~中旬頃で、今が最盛期です。
アヤメとの大きな違いは、
アヤメは日本古来の品種に対し、
オクラレルカは地中海原産ということです。
水田の側に入ってみると、
今は水がやや少なくなっています。
田んぼに機械を入れる為に、
水田を乾田にしているようです。
乾田にはぎっしりとオクラレルカの株が茂っていて、
この株から一本一本、オクラレルカの花が咲けば、
それは評判にもなります。
言うなれば、下町にとびっきり上等の美人が育っていれば、
付近から、遠くからでも男連中が
美人を一目見ようと集まってくるようなものです。
しかしこの美人、オクラレルカは、花の命が短くて、
一輪の花は、わずか4~5日で枯れてしまうようです。
オクラレルカを見ていて、思い出すのは、三田にある永沢寺です。
永沢寺のしょうぶ園は有料ですが、
喜如嘉のオクラレルカの水田は、無料です。
この辺り一面がオクラレルカの栽培で、それはそれは見事です。
オクラレルカは、
5本一束100円で切り花も売られていました。
今年はちょっと咲き方が遅いようで、
これをどうするのかと聞いてみると、
一年中この生け花用に葉っぱを出荷しているそうです。
本来オクラレルカは、
葉の部分だけを生け花用として出荷され、
花を咲かせる事はないそうです。
しかし、大宜味喜如嘉では、
15年前から地元農家の好意で花を咲かせ、
このオクラレルカ畑が出来たそうです。
沖縄の花といえばハイビスカスや
ブーゲンビリアなどが有名ですが、
オクラレルカの花も徐々に名前が浸透してきています。
今では、オクラレルカの花見に、
沖縄本島から沢山の人が集まってきているようです。
水田があれば、水田に住み着く小動物が
自分達の住みやすい環境に適応していきます。
代表的なのは、カエルです。
カエルが増えると、
それを餌とする渡り鳥がやってきて、
鳥の楽園が育っているようです。
代表的な渡り鳥は、リュウキュウツバメ、
リュウキュウヨシゴイ、カワセミ、
セッカ、チョウサギ、バンなどです。
鳥が集まると、鳥を目当てに鳥好きの人が集まり、
バードウォッチングが始まります。
こうして、何人かの人が考えた、
イグサのかわりにオクラルカの栽培が、
新しい観光名所に育ってきています。
2017年4月10日(月)