沖縄のお盆 ご先祖さまが彼の世に帰る日 送り火はうちかびを燃やします 第160回沖縄訪問(18)。
あの世へご先祖様を送り出すときには、お供えを持って帰ってもらいます。 第160回沖縄訪問(18) 社長ブログ沖縄/沖縄の風習/うちかび
旧盆の日にエイサーがあり、ご先祖様があの世から、この世の自宅に戻ってきた後には、
送り火の日があります。
ご先祖様をあの世に送り出す夜には、家の玄関に火を焚いて、
その火に「ウチカビ」と言って、模造紙幣を焼いて、あの世のお金として持たせます。
うちかびの文化は、台湾に行ったときにも見たことがあります。
あの世に帰るときには、お土産をうんと渡せます。
そのお土産は、門中の皆さんからのお盆のお供えです。
とてもたくさんあるので、気持ちの上では、サトウキビを天秤棒代わりに使い、
両端にお供えをつるして、あの世へのお土産にもって帰ってもらいます。
まぁ、こんなところが、お盆のご先祖様を送り出す伝統文化のやり方です。
金城正浩さんと松葉博雄の会話が、周りの人にとってみればとても面白いので、
聞き耳を立てながら、一言ずつに爆笑が起きています。
何しろ、金城正浩さんは耳が遠く、松葉博雄が何を言っているのかは聞こえません。
松葉博雄は、金城正浩さんが、沖縄の方言で遠慮なくしゃべっているので、
聞こえていても、意味不明です。
なのに、ちゃんと会話が成り立っているので、周りの人はそのすれ違いに大笑いです。
金城正浩さんは、パッションフルーツと、アテモヤの栽培の専門家です。
その話になると、身を乗り出すように熱心になってきます。
大事なところは、紙とボールペンを借りて、筆談となって、やや意味が通じてきました。
次の訪問先は、金城正則さんのお宅です。
ハウラ君が大喜びです。
沖縄を尋ねると、季節ごとに、ご先祖様を大事にする行事が続いています。
私も、松葉家や、松葉家のご先祖様を大切にしないといけないと、改めて思います。
2016年8月17日(水)
沖縄の前兼久地区では、お盆の終わりには、お金の「ウチカビ」と、さとうきびの杖、お供えのお料理を用意して、あの世に帰って頂きます。
【お盆行事と恩納村のエイサー祭 その19】
エイサーの宵送りの日になってくると、だんだんと前兼久地区のお家は、賑やかになってきます。
金城正浩さんのお家では、エイサーが来るのをずっと待っています。
近所の親戚の皆さんや、知人の皆さんが、次々と仏壇にお参りに来られました。
中には、子ども、孫を連れてこられるので、広い部屋もテーブルに人が一杯並ぶようになります。
男席、女席で話が進みますが、松葉博雄は、どちらでも話が出来るポジションにいます。
男性の席では、男性の話を、ご婦人の席では、ご婦人の中に入って、いろいろとお話をしました。
どういう話をするかと言うと、「そもそも、どうしてこの村に来られるようになったのです
か?」という質問を受けたり、「ご主人とのご縁は、何が始まりだったのですか?」という質問
をして、その場の雰囲気を和やかなものにしています。
だんだんと夜になってくると、エイサーの音が近づいてきます。
もうすでに、時刻は夜中の12時を過ぎています。ちょっと家の周りを見てきます。
周りでは、子どもたちがエイサーのために、浴衣を着て待っています。
山城景孝さんのお家の前を通ったとき、山城景孝さんのお家に招かれました。
ちょっとお邪魔してみます。
山城景孝さんのお家は、まだ新しいお家です。ここに青年団のエイサーのマネージャーがやって来て、寄付を募ります。
山城道子さんが、用意した寄付を渡すと、マネージャーは頭を下げて帰ります。
あちらこちらでお食事を頂いているので、もうお腹は一杯ですが、
山城景孝さんのお家でも、魚のフライを中心に、お刺身などが出てきます。
なかなか食べきれるものではありませんが、四方や話をしながら、少しお酒を頂きました。
そうしているうちに、電話が掛かってきました。
金城正浩さんのお家から、「松葉さんが、そちらに行っていませんか?」という電話です。
「そろそろご先祖様のお見送りをするので、仏壇の前に集まって欲しい」ということでした。
すぐに、山城景孝さんのお家から、金城正浩さんのお家に帰ります。
エイサーが来るのを待っていると、夜中の2時、3時になってしまい、
明日の仕事もあるので、12時ごろにはご先祖様にご挨拶をして、お見送りをします。
まず、一家の長男の役割として、ご先祖様に帰ってきてもらったお礼と、またあの世に帰ってい
くことへのお見送りをします。
そして、「また来年も来て下さい」というお祈りをします。
中国から伝わってきたのではないかと思う、「ウチカビ」というお金を焼いて、
ご先祖様に持っていってもらう旅費も用意しています。
家の外で焼くのかと思っていたのですが、たらいを用意して、お家の中で火をつけて焼きました。
部屋中、煙で濛々としています。
そして、その焼いた灰皿を家の外の玄関のところに持っていって、お酒を掛けます。
さとうきびの杖を側に置いて、皆さんでお祈りをして、帰っていくのをお見送りします。
お料理も添えています。沖縄の伝統行事は、男系社会で、長男の役割は、
このような時に、先頭に立って、行事を主宰することになります。
2007年8月27日(月)