宍粟郡山崎町の鮎茶屋「正起(しょうき)」で、今年も水槽の鮎を掴んでみました。鮎の若葉の残るような臭いに惹かれます
「しそうふれあい市場・旬彩蔵」で買い物をした後は、鮎茶屋「正起(しょうき)」に向かいます。
毎年、「正起」からは、鮎の料理が始まる頃に、ご案内のハガキが届きます。
鮎塩焼御前が2250円、鮎姿寿司御前が2750円とお店の前の看板に書かれています。
鮎は、揖保川産活鮎の養殖の鮎です。
揖保川産の天然活鮎を希望する場合は、注文時に伝えると調理してくれますが、300円~700円アップになるそうです。鮎の成長は、揖保川の苔の生長に関係しています。
あまり雨が降らない川の水の量が少ないときは、苔の生長も悪く、それを餌とする鮎の成長も悪いと言われています。
「正起」では、揖保川で鮎釣りをする人のために、おとりとなる鮎を釣り人用に売っています。
天然鮎だと、700円で、養殖鮎だと、600円だそうです。
600円と700円の鮎の違いで、釣りの成果に繋がるのでしょうか?
鮎の釣り方は、「鮎の友釣り」と言われる、生きた鮎を泳がせて、自分の縄張りにやってきた鮎を追い返そうと挑戦してくる鮎の性格を利用しています。
揖保川で育った鮎に、養殖の鮎が釣り師に操られて侵入してきた場合と、天然の鮎が釣り師に操られて侵入してきた場合に、地元の鮎は、どのように反応するのでしょうか?見てみたいものです。
いろいろと考えているうちに、鮎塩焼御前が出来上がりました。
塩焼に奮発して、刺身を追加料理にお願いしました。
正起のすぐ前に流れる揖保川の川の流れは、大雨が降った後には、河川敷が変わっていることがあります。
今年は落ち着いた流れで、河川敷が変わっているようには見えません。
鮎を生かせている水槽を覗いてみました。
まだ鮎の口は、パクパクと生きていました。
お刺身は、すぐに頂きました。
やや甘みがあって、これにビールがあればなぁ…とつい、ビールを思い出してしまいます。
座敷の前には、小さな池があり、揖保川の水を引き込んで、新鮮な水流の中で、鮎を泳がせています。
鮎は、用心深い魚なので、池の真ん中に簀の子を掛けて、日陰を作ってあげると、その日陰に集まって、身を隠しています。
水温は、井戸水のように冷たく、しばらく手を浸けていると、痛い感じがするほどの冷たさです。
突然、カメラを向けたので、少しパニックになって、行動が変わってきました。
鮎は、群れになって、グルグル円形に泳ぎ回っています。
丸い泳ぎ方から、不整形なぐちゃぐちゃとした、ぶつかりそうな泳ぎ方になります。
突然、何か起きたときに、大衆が入り口に向かって、殺到するのと同じように見えます。
鮎の太り方を見ていると、あまり大きなサイズにはなっていません。
冷たい清流の中で、身が引き締まったような、綺麗な線型の体つきです。
岩に付いた苔を捕りやすいように口は広く、歯はギザギザと鋭く広がっています。
天然の鮎のおいしさは、白身だけではなく、苔を食べた胃袋の苦みのある青々しい香りです。
さすが、香魚と言われるだけあり、鮎を触っても、手に草の香りが残ります。
食事中、突然の大雨が降り出し、少し暑かった庭の風が、雨の後、涼しい風に変わり、止まっていた川風も、扇風機を緩くまわしたぐらいの早さになってきました。
食事の後、少し座敷でごろんと昼寝をさせてもらって、夏の日のひとときの暑さを忘れました。
2008年7月31日(木)