道の駅たけはら 来てみると 改装後、主力商品は地元のお酒 チョット違和感あり
投稿No:8764
広島県竹原市 道の駅たけはらに来てみると ちょっと違和感あり
改装後、主力商品は地元のお酒
改装後初めて「道の駅たけはら」に来てみると、少し違和感がありました。
道の駅たけはらの店舗の中心は、地元のお酒になっています。
真ん中の大きな柱を囲むように、四方にお酒が並んでいました。
「道の駅たけはら」に期待していたのは、
地元竹原のお魚、果物、野菜、お弁当などのグルメです。
それが展示されている場所が狭くなって品揃えが少ないのです。
店舗の中心には、地元のお酒がずらりと並んでいました。
こうなったのは理由があるはず、何か変です。
そこで、その背景を調べてみました。
野菜コーナーは、時間的なことを考慮してもかなり寂しい状況です。
地元のお酒より、地元のお魚を期待していました。
地元のお酒なら、道の駅に来なくても買えます。
道の駅で期待するのは鮮度の新鮮な食品です。
お酒は工業製品であり、鮮度を期待するものではありません。
期待に沿ったのは、みかん、ぶどう、イチジクなどの果物でした。
どうして違和感を感じるのか、調べてみました。
道の駅 たけはら 指定管理者の変更
道の駅たけはらが出来たのは、2010年でした。
誕生から10年を迎えた2020年に、指定管理者が変わりました。
令和2年4月1日から「いいね竹原道の駅コンソーシアム 代表法人(株)いいね竹原」が道の駅たけはらの指定管理運営を行っております。
指定管理者の運営方針が反映されているのです。
社名 株式会社 いいね竹原 代表者 代表取締役 今市 恵誉
本社所在地 〒725-0026 広島県竹原市中央4-5-11-201
TEL. 0846-22-1123 FAX. 0846-22-1124
資本金 300万円
出資金:竹原市1,050千円 竹原商工会議所1,950千円
設立 2016年9月14日
従業員数 5名(2019年7月現在)
役員
- 取締役 今市 恵誉:竹原駅前商店街振興組合 理事長
取締役 佐渡 泰 :NPO法人ネットワーク竹原 理事長
取締役 山田 智嗣:(有)前川酒店 代表取締役
取締役 中川 勝喜:社会福祉法人的場会 施設長
取締役 福本 博之:フロービス(株)代表取締役
監査役 竹本 泰志:中国生コンクリート(株) 代表取締役
監査役 石田 貴也:石田税理士事務所 所長
顧 問 山本 靜司:竹原商工会議所 会頭
顧 問 今栄 敏彦:竹原市 市長
2017年1月 たけはら空き家見守り隊 業務開始
2017年11月 事務委託事業 業務開始
2018年5月 空き家・古民家再生事業 業務開始
2019年1月 ランドオペレーター事業 業務開始
2019年7月 酒類販売免許取得 ECサイト 業務開始
2019年8月 空き家・古民家再生事業
2018年8月 たけはら海の駅 指定管理業務 業務開始
道の駅たけはら リニューアル後の案内はこんな感じでした
『 竹原市は、広島県南中部に位置する瀬戸内海に面した自然豊かな町。
「道の駅たけはら」は歴史的景観を残す「町並み保存地区」のゲート部分、
市街地の中心に位置し、竹原市の特産品や地酒、竹細工など販売。
その他にも、道路情報・観光情報コーナー、地域交流スペースを完備しています♪
2020年4月5日(日)にリニューアルオープンしました!
竹原育ちの食材やそれらを使った特産品がズラリと並ぶ売店。
旬の野菜やお魚をはじめ、お弁当や竹原の名菓など地元の
生産者たちが丹精凝らしてつくりあげた自慢の品が多く並んでいます。
また、竹原三蔵などの冷えたお酒も販売されているのですぐに飲むこともできます♪ 』
出典 道の駅たけはら
道の駅たけはらの案内にも、お酒に力を入れていることが伝わってきます。
車で来る方が多いのに、お酒をすぐに飲めると案内することに違和感を感じます。
ドライブ客に、お酒は相性が良いとは言えません。
竹鶴酒造は竹原の有名蔵元
竹原とお酒との関係性は深いものがあります。
竹鶴酒造はニッカウヰスキーの創始者・竹鶴政孝の生家として知られる酒蔵で、
安芸の小京都と呼ばれる竹原市の重要伝統的建造物群保存地区に位置しています。
江戸中期の1660年代(万治年間)「小笹屋(おざさや)」の屋号で、
当時盛んだった製塩業を営んでいました。
そして、冬場に余剰の労働力を流用して
1733年(享保18年)に酒造業を始めました。
家裏の竹藪に鶴が営巣した事を
「古来松に鶴と聞くも、竹に鶴は瑞兆なり」と喜び、
その後「小笹屋竹鶴」と号したのが始まりで、
銘柄・姓として用いることになりました。
小笹屋竹鶴シリーズは全商品が無濾過・純米原酒です。
清酒竹鶴シリーズは燗に向く酒で、
蔵元が全幅の信頼を寄せるのが石川達也杜氏です。
小細工をせず、麹・酒母をしっかりと造り、
あとは米の力に任せるがモットーだそうです。
出典 Wikipedia
竹原の近隣 三原市の醉心山根本店 横山大観と「醉心」
竹原は三原市と東広島市に連接し、三原、竹原、東広島(西条)とも酒処です。
横山大観は大変な酒好きとして知られ、人生後半の50年は飯をほとんど口にせず(たまに食べる時も一粒二粒と数えるほど)、
酒と肴(少量の野菜)だけで済ませていたといいます。
もともとは下戸だった大観ですが、
大観の師の天心は日に2升ともいわれる酒豪であり、
「酒の一升くらい飲めずにどうする」と大観を叱咤したため、
飲んでは吐きながら訓練した結果、酒好きになったようです。
飲んでいた酒は広島の「醉心」で、
これは昭和初期に、三原市の醉心山根本店の社長・山根薫と知り合った大観が互いに意気投合し、「一生の飲み分を約束」した山根より無償で大観に送られていたものでした。
しかし山根は年に四斗樽で何本も注文が来るので驚いたといいます。
鯨飲はしていたもののアルコール中毒にはならず、大病もせずに90年近い寿命を全うしました。
代金のかわりとして大観は毎年1枚ずつ自分の絵を無償で送り、
結果、醉心酒造に大観の記念館ができることとなりました。
出典 Wikipedia
参照 醉心酒造
東広島市西条 酒の名産地
酒都(西条酒)・吟醸酒発祥の地(安芸津の酒)と
2つの歴史的な酒処がある日本有数の日本酒の産地です。
西条・灘・伏見で日本三大酒処として知られています。
狭い地域に多くの酒蔵が軒を連ねて並ぶ「酒蔵通り」には、白壁やなまこ壁、
赤煉瓦の煙突など独特な建物が並んでいます。
東広島の景観における赤瓦は特筆すべきものであり、
行政の指導ではなく自生的に保持されてきたものだそうです。
盆地の周囲を囲む山々や里山のアカマツ林を背景に、赤瓦と白壁の建物が点在し、
その手前に水田が広がるという典型景観をなしています。
参照 東広島の西条には、酒屋さんが集まる酒蔵通りがあります。 広島ツアー(2)
東広島市西条 賀茂鶴 訪問
ところで、以前は「みはらし温泉」に泊まるのがいつものお墓参りでした。
それでは単純なので、今回は足を伸ばし、東広島市の西条で泊まることにしました。
西条の出口で高速を降ります。
宿に着く前に、西条といえば酒蔵なので酒蔵通りまで車で走ってみます。
どこか駐車場が無いか探してみても見つからず、酒蔵を一周しました。
倉敷の美観地区のように、周囲の環境に合わせていくつかの酒蔵は外装を揃えています。
神戸には灘に酒蔵地区がありますが、雰囲気はよく似ています。
車は西條鶴酒造株式会社の酒宝蔵前を走っています。
西條鶴酒造は、江戸期天保年間に掘られた井戸と地元産米を使い、
広島杜氏伝統の技でモンドセレクション連続金賞受賞しています。
やはり車を停めて歩いてみないと、蔵の中に入ってみないと、酒蔵の雰囲気は分かりません。
やっと見つけたコインパーキングに車を停めます。
名前が浮かぶのは賀茂鶴なので、賀茂鶴を探してみます。
途中に暖簾横町のような酒蔵横町がありました。
これは後から寄ってみます。
賀茂鶴がありました。しかも賀茂鶴は、この酒蔵通りの中ではかなりの大手です。
大手だから名前を知っていたのかもしれません。
賀茂鶴のいくつかの工場の中では、
地下水を自由に汲んで帰る場所が設けられていました。
ペットボトルを持って、地下水が出てくる汲み口に順番を待っている人がいます。
地下水の宮水はゆっくりと流れているので、ポリタンクを置いて、
水が満杯になるまではかなりの時間がかかりそうです。
なかなか気の長い作業です。
賀茂鶴の工場見学に行く途中、お茶屋の本陣跡御門がありました。
西条は江戸時代「西条四日市」と称する、旧山陽道最大の有名な宿場町でした。
西条の宿場町は、当時の浅野藩が直々に作り運営していて、
「お茶屋」と呼ばれていたそうです。
2006年10月に皇太子徳仁親王がここ西条の酒蔵通りを訪れていて、
この本陣跡御門の傍らに記念碑が建てられていました。
お酒の試飲販売・製造工程の紹介の見学・道具の展示の
見学などが出来る、見学室があります。
賀茂鶴の見学室の方に行きます。
16時半で終了なので、急いで行きます。
大きな蔵をくぐり抜ける通路を通って、さらに奥の見学室に進んで行きます。
もう日は傾いて人影もありません。
今から入れてもらえるのか心配です。
通路を通り抜けると広い中庭がありました。
中庭に面した建物は全て、白壁のなまこ壁です。
これだけ中庭が広いのも見学者が多いからだと思います。
酒蔵は酒蔵で、うちの酒蔵に来てお酒とお土産を買ってちょうだいと、
ライバル関係にあります。
参照 Wikipedia
道の駅たけはら 来て見ると まとめ
竹原は、隣接する三原、東広島(西条)と並んで安芸の酒どころです。
「道の駅たけはら」が、地元のお酒を並べたい気持ちは分かりました。
指定管理者が売りたいお酒が、道の駅を訪れる人が買いたいものなのかが問題です。
売りたいものと買いたいものが一致するのが、違和感のない品揃えになります。
道の駅は、ドライブの途中に立ち寄りたいところです。
期待するのは、新鮮な地元の名産品のほか、お土産やお食事処です。
様々なものがそろっている品揃え期待に応えてくれると嬉しいのです。
インターネットが普及してからは、
簡単に口コミを書き込んだり見たりできるようになり、
品揃えの良し悪しなどがくっきりと可視化されるようになりました。
地方の道の駅がその対象になり得る時代です。
2020年9月17日(木)