インド巡礼記:真理を求める巡礼の旅 出発(離陸編) 第2話

インド巡礼記:真理を求めて 

インドに、インドに真理を求めて、インド巡礼に行きたい、こう思ったのも、家庭を築き、仕事に精を出し、人生も順調に歩んでる時、ふと心の中に、「これで良いのかな?何か大事な事を忘れていないかな?成る程と腑に落ちる様な真理を理解できてるのかな?」このように、ふとした疑問がどんどん膨らんできたからです。インド巡礼は、真理を求める巡礼の旅になるはずです。 【その2】

インド航空カウンタ前集合

12月28日(水)晴れ、午後3時55分伊丹発インド航空のカウンター前に集合しました。

当然、出発の1時間前には集まって欲しいという注意書きが旅行社から要請

がありましたので、時間とともに少しずつツアーメンバーが揃いつつありました。

インド巡礼記

 

どんな人たちが集まってくるのか、ときめきの時間です。

誰もが期待するのは、楽しい人、美しい人、気前のよい人、常識のある人が望まれます。

さて、今回はどんな人が集まってくるのでしょうか。

それは、これから追々とお話しを進めていきます。

最初に目立ったグループは、岡山弁で大きな声でしゃべってる4人のグループでした。

「いけん、いけん」とか、「でえれぇなぁ」とか、かなりはっきりとした岡

山弁なのできっと岡山の人だと思いました。

話の内容からしてたぶんお医者さんのようです。

「ぼっけいの、おおがっそじゃー、おえまーが、いんどかれ。」

この意味、わかりますか?

その意味は、「えらい髪が乱れている、これではいけないので、家に帰って

直しておいで」、という意味でした。

インドへ行くとき、いんどと聞こえて、インドに関係しているのかとおもいました。

4人のメンバーは写真の趣味の仲間のようで、プロの写真家が持つようなス

トラップを首から吊るし、一眼レフカメラを手に持ち、やる気満々の雰囲気

を持っています。

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少し時間があったので、さっそく家に電話して、奥さんにこのグループは誰

なのか概略を話し、尋ねてみました。

前後の話から、「その人やったらきっと外科の東山先生(仮名)ではない

か」ということでした。さっそく一人、身元が分かりました。

出発前にもう一度家族に電話をしてみると、一番末の子は私が出かけた後は

少し元気がなくなり、しょんぼりしている様子のようでした。

この頃が一番かわいいのです。

搭乗はインド航空ボーイング746便

少しずつメンバーが揃うと、切符を受け取り出国手続きが始まりました。

EDカード(今はなくなりました)に署名をして外国製品の申告をするよう

に促されましたが、今持っている物のなかに、わざわざ申告するほどの外国

製品と言えるようなものはありませんでした。

今日の搭乗便は東京発のインド航空ボーイング746便です。

座席は33Aで左側の翼の窓側でした。

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隣の席には、若い男女が並んで座り、隣の席で聞いていても話す内容は大変

親しい仲のようで、耳が痛くなるほどぺちゃぺちゃと話が始まりました。

どちらかというと女性のほうが積極的な話し方でした。

飛行機は荷物の積み込みのため予定より30分遅れて、4時25分に離陸しました。

いよいよ私のインド巡礼記~真理を求めて~の旅は、ここから始まりました。

ところで、ジャンボ機はこんなに大きいのにどうして落ちないのでしょうか。

まだハッキリとした理論が私の頭の中に出来ていないので、今日も機内に重

い荷物を入れているのを見ると、ひょっとすると余分な荷物が多すぎて失速

しないものかと、やや不安が頭をよぎりました。

旅の良し悪はコ同行者とコンダクター次第

今回の旅行のコンダクターは、旅行社の岡田清(仮名)という若い男性でした。

初めて見た印象は、旅行社のような人を相手とするサービス業よりも、銀行

で金利の計算をしているような、堅い職業に向きそうな感じでした。

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これからのツアーが楽しいツアーとなるか、苦いツアーとなるか、彼がその

鍵を握っているのです。

このときにはまだ、彼のこれから始まるドラマは知るすべもありませんでした。

年末の早い時間の夕日を受けて、飛行機は大阪空港を飛び立ち、堺の沖を通

過し、淡路島上空を飛行していきました。

出発時に坂を上るように傾いていた飛行機は、30分もすると水平飛行に移

り、さっそく機内サービスが始まりました。

隣の2人は、男性のほうが女性の耳元に口をつけ、耳打ちをするようなヒソ

ヒソ話をし始め、そのうち2人が噴出すような仕草をして大笑いをしていました。

ここからドラマが始まるとは、このときには予想をしていませんでしたが、ドラマは既に進行していたのです。

私のことを笑っているように聞こえ、私としては決して楽しいわけでもな

く、この2人を無視しながら、出てきた機内サービスをいただきました。

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しかし、隣に座っているからには、きっとツアーメンバーだから、いつの時

から自己紹介をして口をきくようになるのか、その機会を考えながら、頭の

中では少し迷走状態で食事をしていました。

周りを見渡せば機内はほぼ満席です。

これが国内便だと、同じような顔をした日本人ばかりとなるのですが、それ

が今日は多様な国籍の人たちが乗り合わせています。

私もなぜか国際ビジネスマンになったような気持ちになり、何か言われたと

きには英語ではどう答えようかと思いをめぐらし、インターナショナルな感じを十分に受けました。

すでに頭の中は、海外に行っています。

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食事の後は、飛行機の窓を閉めて機内を暗くし映画が始まりました。

各国の飛行機にはその国の雰囲気を表す機内の内装があります。

エアーインディアの場合は、インド風の美人の描かれたクロス張りがしてありました。

当然スチュワーデスはインド人で、顔の真ん中、眉間の部分に赤い点を塗り付けています。

私から見ると、出発直後の頃はスチュワーデスさんの顔がみな同じように見

えましたが、時間が経つと少しずつ、あれはAさんこれはBさんと区別がつくようになります。

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