三宮のセンター街の万平で、土瓶蒸し、岩牡蠣の季節の料理を頂きました。

若い頃は、土瓶蒸しは腹の足しにならないものと思っていましたが、最近では、土瓶蒸しの深い味わいに感動します。お腹いっぱい食べるより、美味しい物を少しだけの年齢になったようです。

秋の気配が近づくと、食欲が秋に反応してきます。

この季節、国産松茸はまだ市場に出ていませんが、外国産松茸は出回っています。

秋になると、土瓶蒸しが食べたくなります。

そこで、センター街の万平に行って、昼食に土瓶蒸しを頂く事にしました。

万平のお弁当を注文して、土瓶蒸しを頂きます。

万平のお弁当は、持ち帰りの時に注文することが多く、名前の通り、弁当箱に入っています。

弁当箱に入っているのと、お膳に盛りつけられている内容は同じなのに、お弁当箱に比べると、お膳の方が、まるで別の物のように充実していました。

最初に頂くのは、岩牡蠣です。

牡蠣にあたると、激しい腹痛を起こすので、普段、警戒して知らない店では生の牡蠣を食べることはありません。

万平の生牡蠣は、お店の人が大丈夫と太鼓判を押してくれています。

以前にも生牡蠣を食べましたが、これまで腹痛を起こしたことは一度もないので、実績の上に安心して食べています。

生牡蠣は3個で一皿なので、分け方は奧さんが一つ、私が2つになりました。

偶数なら、同じ数だけ分けられるのですが、奇数だったので、不公平ながら、私の方が多くなりました。

奧さんから分け方に議論が出るか注意していましたが、どうぞどうぞ、私は旦那様に食べさせて頂いているので、少ない方で結構ですという意見で、もめ事にはなりませんでした。

岩牡蠣の殻は、養殖牡蠣に比べて、格段の分厚さがあります。

生牡蠣には大根おろしがかけられています。

大根おろしは、酢醤油で味付けをしています。

更にその上から、レモン汁をかけて頂きました。

とっても美味しくて、生牡蠣は海のミルクとも言われており、栄養が豊富な食材です。

少し時間をおいて、主役の土瓶蒸しが出来上がりました。

土瓶蒸しの正しい食べ方は、まず、香りと味を、味わうことです。

土瓶蒸しの蓋を取って、お猪口に土瓶蒸しの汁をくみ分けます。

そして、スダチの汁を搾って、お猪口に注ぎます。

これで、松茸の香りを含んだ、具材の味が染みこんだ、土瓶蒸しのお汁をいただきます。

何杯かお猪口でお汁を飲んだ後は、土瓶蒸しの中の具材を一つ一つ味わっていきます。

主役は松茸です。外国産の松茸であっても、香りはまつたけの香りです。

食感もこりこりとして、まつたけを食べている実感が伝わってきました。

土瓶蒸しの底の方には、ハモ、海老などが沈んでいるので、お箸で取り出して頂きます。

お昼の短い時間でしたが、今季節が移っている、ほやほやの秋の味を、土瓶蒸しを通して頂く事が出来ました。

岩牡蠣も結構なお味で、江戸弁当も、持ち帰りのお弁当とは違う美味しいお弁当でした。