淡路牛の肉どんぶり定食 淡路島の生しらすマップは、島外の観光客を呼び寄せています。北淡町のびわ農家には、びわにとって、肥沃な土地を持つことが、競争優位になります。土地が競争優位を生む源泉であると、経済学では、「レント」の概念で説明しています。

北淡町のびわ農家には、びわにとって、肥沃な土地を持つことが、競争優位になります。土地が競争優位を生む源泉であると、経済学では、「レント」の概念で説明しています。  淡路 (2)

淡路島の淡路市は、

鹿の背骨のように、真ん中に山脈があり、

南と北が、大阪湾側と播磨灘に別れています。

北側の播磨灘側に降りていくとき、

旬菜魚彩「しいのみ」の看板が目に付きました。

お店は12時から開店です。まもなく12時です。

12時前から、淡路島の住民以外の人が列を作っています。

これは、地元の人より、地元以外の人に人気がある証拠です。

開店と同時にお店に入り、

注文しようとしたのは、地元の魚料理でした。

ところが、お刺身を中心とした魚料理や、

お寿司のメニューはありませんでした。

あるものは定食です。ひとつは、

淡路牛の肉どんぶり定食です。

もう一つは、穴子どんぶりの定食です。

穴子どんぶりの定食なら、この近くにある、

穴子専門店の魚増で、先日行ったように、焼きたての穴子を買ってきて、白いご飯と一緒に浜辺で食べた方が、淡路らしくなります。

松葉博雄と奥さんは、看板を見て、旬菜魚彩なので、

地元の捕りたての魚料理と、

地元の新鮮野菜の創作料理と思い込んでいました。

淡路島の淡路市では、

48店舗が参加して、

淡路島の生しらすを提供するお店の紹介があり、

その広告効果で、

たくさんの観光客がしらすどんぶりを期待して、

参加店舗に来ています。

地元の人の話では、

しらすどんぶりを期待していないそうです。

しらすどんぶりは、

冷凍のしらすを解凍しているからです。

やはり美味しいのは、

地元の人が食べている、獲れたて

淡路島の生しらすの企画は、かなりヒットしています。

作る側も生しらすどんぶりだと、

冷凍生しらすを解凍すれば、

仕入れの見込み違いのリスクがありません。

料理作業も簡単です。

観光客も喜び、参加店舗も喜び、

あわじ市も喜び、ウィンウィンの関係ができています。

しかし、何度も淡路市に来ている人には、

一度食べたら、名物を食べたという経験満足で終わりです。

≫2008年6月

次は、これから始まるびわの産地に行きます。

びわと言えば、北淡町の轟(とどろき)地区です。

轟には、これまでびわの生産地を訪ねて、びわ畑にまで行っています。

北淡町の轟地区は、播磨灘に面した、

山の斜面を利用して、びわの木を栽培しています。

びわの栽培農家は、その山の土地が持つ力と、

日当たり具合、追加で施す肥料などにより、

僅かに離れた場所でも、農家の一軒ごとに、

びわの味が違うそうです。

つまり、

びわの販売で、競争優位を得るのは、

びわにとって、肥沃な山を持っていることです。

これは経済で言うレントです。

競争優位の考えは、土地の持つ優位性、

つまり、レントで決まると言われています。

肥沃な土地は、農作物が沢山収穫できるので、

肥沃な土地を持つことは、競争優位になるからです。

更に毎年の気象条件で、びわの甘さが変わってきます。

6月の中旬の2週間は、

北淡町のびわ農家にとって、

その年の収入を決定する大切な期間です。

びわの実を収穫する人、収穫したびわの実を選別する人、

選別したびわの実を箱詰めにする人、

箱詰めしたびわの実をお客様に勧めて販売する人、

これらの作業を、分業でする農家もあれば、

一人が何役も、兼任する農家もあります。

今日のびわ農家は、屋号を出していません。

女将さんに尋ねると、畑は販売店のすぐ上にある、びわ畑だそうです。

びわ畑は、他の農作物では利用できない土地でも、

びわなら利用可能な土地になります。

びわはひとつひとつ袋掛けをして、

鳥の害を防いでいます。

お話を聞けば、販売できるまでには、

大変なご苦労があることが分かります。

2014年6月12日(木)