おかずの交換 奥さん同士の信頼と友情 丹波篠山産 松茸を使った秋御膳をいただきました。
投稿No:10381
この季節だけの贅沢。 丹波篠山産松茸を使った秋御膳をいただきました。お返しは、評判の白菜の浅漬けを、、、
蕾の松茸と友情の味
秋の深まりとともに、
朝晩の空気がぐっと
冷たく感じられるようになりました。
そんなある日、
神戸 六甲の自宅のご近所さん、
奥さんのお友達から
思いがけず贈り物が届きました。
包みを開けてみると、
そこには見事な蕾の松茸。

「これは丹波産で、京都吉兆にも卸しているものよ」
と聞いて驚きました。
松茸はひとつづつ,和紙に包まれています。

滅多に口にできない高価な松茸を、
気軽に分けてくださる——

そこには、長年育まれてきた
奥さん同士の信頼と友情がありました。
日頃から おかずの交換で お裾分けし合い、
体調を気遣い合うご近所づきあい。
季節の挨拶や、ちょっとした
手作りの品を贈り合う中で、
言葉にしなくても
「お互いを思う気持ち」が
積み重なってきたのです。
おかずの交換で 最高の評価は 私の白菜の浅漬け
時々は、私が味付けした料理の
一品を加えてお返ししています。
これまで好評だったのは、
白菜やかぶらの漬物、
椎茸昆布が好評でした。

頂いた感想は、私の作った料理に対して、
絶賛が集まっています。
白菜漬けは奥が深い。
白菜漬けの漬け方は単純です。
でも納得できる白菜づけをつくるのは難しいのです。
塩だけで白菜漬けの味のベースができるんです。
まさに塩次第で、
美味しく出来たら塩の魔術師とも言えます。
塩以外の調味料は昆布、ゆず、唐辛子位です。
これだけの素材で、
漬けるたびに味が変わるのですから不思議です。
白菜漬けは単純なようで、実は奥が深いのです。
寒くなってくると、白菜が重くなってきます。
今年も白菜漬けに奮い立ちます。

白菜の漬物は、
木枯らしが吹き始める、
冬から始まるので、
まだお返しできるのは先のことです。

そんなご縁に感謝しながら、
「せっかくだから
一番香りを生かせる料理にしよう」
と奥さんと相談。
やはり選んだのは、松茸ご飯でした。

お出汁を丁寧にとり、
松茸とお揚げをお釜で炊き上げる。

ふたを開けた瞬間に立ちのぼる香りは、

まさに秋の贅沢そのものです。

一口ごとに、松茸の奥深い香りが広がり、
心まで豊かになるような味わいでした。

お吸い物には、
春菊と豆腐を添えた澄まし汁。

副菜には春菊の胡麻和え、
柿と大根のなます、黒豆。

さらに、明石の「源平」から届いた
伝助あなごを蒸して添え、
自家製の梅酒で秋の夜をゆっくりと楽しみました。
別の日には、松茸の茶碗蒸しを。

春菊と柚子の香りが松茸の旨味を引き立て、
同じ素材でもまた違う表情を見せてくれました。

豪華な料理よりも、
「贈ってくれた人の気持ちを想いながら味わう一椀」こそ、
何よりのご馳走。
松茸の香りに包まれながら、
人の温かさに心が満たされた晩秋の食卓でした。

2025.11.7
