イカナゴ漁解禁 初競りで過去最高値 くぎ煮はもう食べられないかもしれません

イカナゴ漁解禁 初競りで過去最高値 くぎ煮はもう食べられないかもしれません

3月になると、

瀬戸内海に春の訪れを告げる

イカナゴ漁のニュースが報じられます。

しかし、いかなご漁は、近年は不漁が続き、

本来ならば

春の風物詩であるはずのこのニュースが、

どこか寂しさを

感じさせるものになっていました。

今年の漁の状況はどうなのでしょうか?

さっそく、ニュースが

目に飛び込んできました。

瀬戸内海の春の味覚、

「くぎ煮」で親しまれている

イカナゴの稚魚「シンコ」漁が3月12日、

播磨灘で解禁され、

明石市内の漁港で水揚げされました。

午前10時前、明石市の林崎漁港に、

早朝からシンコ漁に出ていた

漁船が戻ってきました。

体長6センチほどのシンコが

次々と水揚げされ、

25キロ入りのかごが8個並びました。

水揚げされたシンコは競りにかけられ、

1かご約25キロあたり

過去最高値となる約20万円で取り引きされました。

例年この時期に解禁される大阪湾では、

資源保護のため

2年連続の休漁が決まっていました。

(参考:サンテレビ

去年も食べられなかった釘煮

淡路市岩屋から、明石海峡や、大阪湾を見ていると

毎年春の風物詩である

くぎ煮を楽しみにしていました。

自宅で炊いたり、お店で買ったりしながら、

春の訪れを味わうのが

当たり前の習慣でした。

いかなごの釘煮を食べないと

春がきたように思いません。

それが、近年の不漁の影響で、

昨年はついに一度も

食べることができませんでした。

まさか、くぎ煮が食べられない年が

来るなんて思ってもいませんでした。

これまで当たり前だった

春の味覚が消えてしまうことに、

改めて寂しさを感じます。

そして、残念ながら今年も

同じ状況になりそうです。

かつては

炊き上がる甘辛い香りが台所に広がり、

それを親しい人に配るのが春の風物詩でした。

しかし、今ではそれが叶わず、

くぎ煮のある春が、どれほど貴重な

ものだったのかを痛感しています。

(過去ブログ:いかなごの釘煮炊きは、根気のいる作業です。

イカナゴ稚魚は

2025年の今年、1籠(約25kg)の初値が

20万0666円 に達し、

過去最高値を更新しました​。

これは1kgあたり約8,000円に相当する高値です。

前年の2024年の初競り価格も

約17万円/籠(1キロ6800円)に達して

当時の最高値記録を更新しており、

これは前々の(2023年の約2倍の値段でした​。

つまり 2023年頃の

初値(約8~9万円/籠)から

2024年に約17万円/籠、

2025年には20万円超/籠へと、

この数年で初競り価格が

倍増・さらに上昇していることになります​。

我が社の恒例行事で、

毎年、いかなごのくぎ煮を

スタッフの皆さんにも差し入れていましたが、

今年も残念ながら、

差し入れることはできません。

毎年、私のオススメの魚亀商店の

いかなごのくぎ煮を差し入れていました。

いかなごの釘煮は

お店や家庭によって

調味料の分量や隠し味が違うので

炊き上がりの味が違うのですが、

この魚亀商店のいかなごのくぎ煮は、

とても美味しいのです。

(過去ブログ:いかなごの釘煮をゲット  淡路市富島

いかなご資源が

豊富だった時代の価格と比較すると、

その高騰ぶりが際立ちます。

兵庫県沖で 年間2~3万トンも

漁獲していた1980年代前半には、

いかなごの卸値は1kgあたり100円未満でしたが、

資源激減に伴い2017~2020年には

1kgあたり1,776~2,578円にまで跳ね上がりました​。

数年前までは

いかなご漁が解禁された後は

近所のスーパーで普通に売っていました。

現在では、もう見掛けません。

自宅でいかなごを炊くことも

もうないのかもしれません。

いかなごが減っているのは

環境の変化や過剰漁獲といった

複数の要因が絡んでいます。

瀬戸内海では、長年にわたる

水質改善の取り組みが進められた結果、

海水中の栄養塩が減少し、

プランクトンの量が少なくなりました。

この栄養不足により、

いかなごの稚魚の餌が不足し、

生存率が低下していると考えられています。

他にも、海水温の上昇も問題となっていて、

温暖化の影響で産卵環境が変化し、

稚魚の成長が妨げられている可能性が

指摘されているのです。

また、過剰漁獲の影響も

無視できません。

いかなご漁は主に稚魚(シンコ)を

対象としているため、

成長して産卵する個体が減少し、

資源の回復が追いつかない状態が続いています。

この結果、漁獲量は年々減少し、

市場価格も高騰しています。

現在、兵庫県では

栄養塩環境の改善に向けた

取り組みが進められています。

​具体的には、海域の栄養塩濃度の

適正な管理を行い、

植物プランクトンの増加を促すことで、

イカナゴの生育環境を

改善することが目指されています。

​また、海域環境と生物のモニタリングを実施し、

順応的な管理を行うことで、

豊かな瀬戸内海の再生を目指しているそうです。

春の訪れとともに

当たり前のように楽しんでいた

いかなごのくぎ煮も、

もう過去のものになっていまいそうです。

昨年は、いかなごのくぎ煮の代わりに

わかめの茎煮を作りました。

今年は、代わりに何を作ろうか

奥さんと考え中です。

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