淡路景観園芸学校は、花や野菜を育てることを学ぶのかと思っていたら、もっと奥深いことを学んでいます。侵略的外来種 劣勢の固有種 里地の草原再生と観察 淡路景観園芸学校 受講記(38)

投稿No:9035

侵略的外来種 劣勢の固有種 里地の草原再生と観察 淡路景観園芸学校 受講記(38)

環境省の里地里山の定義

淡路景観園芸学校で里地の草原再生と観察について学びました。

花と緑の街づくりの第1歩です。

里地里山の定義は、

環境省では

「都市域と原生的自然との中間に位置し、

様々な人間の働きかけを通じて環境が形成されてきた地域であり、

集落をとりまく二次林と、

それらと混在する農地、ため池、草原等で構成される地域概念」

と定義しています。

この定義によれば、

二次林の面積は約800万ha、

農地等の面積は約700万haで、

里地里山は国土の4割程度を占めることになります。

一般的に、主に二次林を里山、

それに農地等を含めた地域を里地と呼ぶ場合が多く、

これらの全てを含む概念として

里地里山と言われることが多いのです。

里地里山は、

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農林業など人と自然の長年の相互作用を通じて形成された

自然環境であり、多様な生物の生息環境として、

また、地域特有の景観や伝統文化の基盤としても

重要な地域ですが、

過疎化や高齢化などにより人為の働きかけが減少し、

景観の荒廃や里山特有の動植物の衰退など

生物多様性の劣化が進行しており、

保全・再生が急務となっています。

出典 環境用語集:「里地里山」|EICネット

半自然草原とは

半自然草原とは主に農の営みのそばで成立し、

維持されている草原植物です。

農家により、草刈り、火入れ、

牧草などによって維持されています。

何のために人間は草刈りや火入れをするのでしょうか。

それは、家畜の餌、収穫を良くするためなどでした。

しかし今では、農耕に家畜を使うことはなくなり、

機械で耕作しています。

そのため、家畜の餌となる草刈りは、

必要でなくなりました。

淡路景観学校キャンパスの研究用草原観察

キャンパスには、実証実験するための、

研究用の草原を用意しています。

先生に先導されて、生徒の皆さんは、後に続きます。

半自然草原に頼らない生活

かやなどは、屋根をふく材料でしたが、

今では瓦やトタン板に変わって、

茅葺きの家はほとんど見られません。

今では草が欲しいから刈るのではなくて、

邪魔であり、農作物に害になるから刈り取るのです。

淡路景観園芸学校では、半自然草木について、実証実験を行っています。

畑を3面使って、

1.外来種の抑制ができるかどうか

2.在来種が侵入してくるかどうか

外来種と在来種の混合する畑では、

外来種の方がやや優勢です。

3.在来種の導入ができるかどうか

在来種の畑は、現場から半径2キロ以内の在来種に限って、

在来種の畑にしています。

3つの土地を使って、在来種 対 外来種との

茂り方について、実証実験中です。

手を加えないで、放置された状態の草原には、

外来種の草が、主流を占めるように茂っています。

日本に古くから自生してきた、固有種は、衰退してきます。

固有種と外来種との自然交配もあって、

新たな混合種が増えて来ています。

このような実証実験をしながら

里地の半自然草原について、

変化を見ていっています。

私からの質問です。、

日本の草が海外に行って、海外で繁殖している例はあるのでしょうか?

海外で、悩みになっている植物も多くあるそうです。

日本の固有種が、海外で繁殖し、

海外の固有種を脅かしている植物が、以外に多いようです。

ニュージーランドでは、固有種である在来種を守るため、

外来種と混ざらないように、

検疫を厳しくして、固有種を守ってきたそうです。

これは、環境を守る思想が、早くから根付いていたことです。

日本では、固有種を守るようになったのは、2000年以降のことです。

日本は固有種の宝庫と言われていましたが、

検疫体制が不十分であったため、

どんどん海外から外来種が日本に侵入してきて、

手が付けられないほど、茂っているのがあります。

代表的なのが、秋に黄色い花が咲く

「セイタカキリンソウ」です。

このような状態を、実証実験で見て、

なるほどなあと感心しました。

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2021年6月23日(水)