赤穂市坂越のカキ 牡蠣(カキ)のカキ殻はどうなる 牡蠣殻から肥料  その3

赤穂市坂越のカキ 牡蠣(カキ)のカキ殻はどうなる 牡蠣殻から肥料 

赤穂市漁業協同組合 坂越かき直販所

 

赤穂市坂越のカキ

お腹がいっぱいになったので、少し時間をおいてから、

カキの工場に行きました。

カキの工場に行って、いろいろカキのことについて尋ねて、

少し知識がついたので、ちょっとご紹介します。

ここに海から揚がっているカキは、カキを海から揚げるとすぐ食べれるので

はなくて、 途中、一度カキの殻についた付着物をヘラで取ります。

カキの殻に付着物がついたままにしていると、成長を妨げることになります。

そこで、収穫の一ヶ月前に一度、工場に運び込んで、手作業で一つ一つ付着

物を除去して、そして、もう一回カゴに入れ、海に沈めます。

不思議なのは、カキを海から一時的に引き揚げ、水の無い状態に、かごの中

に一日中置いていても、カキは水中での呼吸ができなくなっても死なないの

です。水に浸けていなくても死なないのが不思議でした。

1か月ほどしたら、今度は出荷用に本格的に海から引き揚げ、

カキを殻から取り出します。

どんどんたくさんの、殻がでてきます。

この殻はベルトコンベアに乗せられて、船に乗せられます。

このカキの殻が集まったところに、カモメが集まって来て、ちょっとでも残

っていそうなカキ殻をついばんでいます。

このカキ殻の行く先は、どこに行くのかと尋ねてみました。

沖の船に集められて、岡山県の方に送られて、カキ殻は焼かれて、

そして肥料になります。

牡蠣殻から肥料

ほとんどの植物は酸性土壌を苦手とするため、酸度を中和できる石灰成分を

混ぜ込むと良く育ちます。

カキ殻は、海のミネラルをたくさん含んだ天然の石灰。

使い方や特徴を知って有効活用できます。

カキ殻(牡蠣殻)とは有機石灰の一つで、

カキの殻を焼いて細かく砕いたものです。

土壌を酸性からアルカリ性に傾ける役割と、

カルシウムを補給する役割があります。

植え付け前の酸度調整にも、植え付け後の石灰追肥にも使うことができ、石

灰の中では比較的扱いが簡単です。

カキ殻の主成分は吸収の早い炭酸カルシウムですが、約300℃の高温で燃焼

すると、少しずつゆっくり効く酸化カルシウムに変化します。

消石灰や苦土石灰といったほかの石灰に比べると、アルカリ成分は低く、

酸度を中和する力も穏やか。カルシウムの量も少なめです。

その代わりに、植物の三要素であるチッソ、リン酸、カリが若干多く、マン

ガン、ホウ素、亜鉛といった微量要素やミネラルもしっかり含んでいます。

日本の土壌は基本的に酸性寄り。

肥料成分は酸と結合すると酸化し、植物に吸収されることなく流出してしま

うので、植え付け前にアルカリ性のカキ殻をまくと土が中和され、

植物の育ちやすい土壌になります。

また、カキ殻の主成分であるカルシウムは、植物が細胞膜や細胞壁を作ると

きに必要な成分です。

病気への耐性を上げる効果もあります。

カルシウムが不足すると、葉や茎が黄色くなったり、

枯れたりといった障害を招くので、カキ殻をうまく使いましょう。

出典 Agripick

牡蠣殻から肥料

カキの殻。ふつうはこれを粉砕して肥料にする。

消石灰の原料である石灰岩と比較すると、主成分の炭酸カルシウムは四七%で約七%少ないが、

石灰岩にはほとんどないチッソ、リン酸カリマグネシウムが含まれ、

マンガン、ホウ素、亜鉛などの微量要素も石灰岩に比べて非常に多く含んでいる。

すなわち海のミネラル力をもった石灰質肥料であり、さらに二%程度ではあるが有機物も含まれている。

ルーラル図書館より

このように、カキは身も殻も捨てるところがないようで、

ほんのわずかに残った身でさえも、カモメがついばんで、捨てるところはありません。

この坂越の海の駅の近くに、イルカを飼っているイケスがあります。

今日はあいにくとイルカの見学はお休みでした。

カモメが沢山寄ってきています。

貝殻に残った身を食べようとしてやってきています。

よく観察してみると、カモメはじっとこちらの方を見ています。

カモメは、人が近づくと、ちょっと沖に離れて、人が通り過ぎるのを待ちます。

人がいなくなると、またカモメはカキに寄って来ます。これの繰り返しです。

カモメのことを気になり、ちょっと調べてみました。

カモメは渡り鳥で、冬になると日本の沿岸に飛んできます。

夏には、カモメは冬のカモメとは毛替えをして、外見が違うようです。

夏のカモメは、頭が茶色で、冬のカモメは、ほとんど白色です。

カモメは、日本では、冬に飛んでくるので、夏の巣を作る状態は見られませ

んが、初夏に卵を産み、雛を育て、そして秋には、カモメは日本に飛んできます。

カモメだけを見ているのではありません。

沖の防波堤では、沢山の人が魚を釣っています。

だいたい中高年のおじさん、おばさんで、平日ですから、多分お仕事がない

のかなと思います。

双眼鏡を車に置いているので、双眼鏡で防波堤のおじさんを見てみると、

なんとおじさんではなく、おばさんでした。

おばさんはさびき釣りで、イワシでも釣っているのか、どんどん小魚が釣り

あがり、連れのおばさんと嬉しそうに連れた魚を袋に入れていました。

きっと、今夜の晩御飯にするつもりだと思います。

坂越の海には、どうしてカキが育つのでしょう。それは、周りの山から栄養

分が運ばれるからです。

木の葉が堆積し、これが分解されて、栄養になって、川に流れ込み、そして海に入ってきます。

このような循環があってこそ、坂越の海にカキが出来る事になります。

このように、カモメも大陸から日本へ、海の栄養も山の森から海へと、

自然はいつも循環をして、絶え間ない波動を繰り返していることを、

今日の坂越で学びました。

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2005年11月17日