庭木管理の理論と実践 講師 大藪崇司専任教員 斎藤靖浩非常勤講師 兵庫県立淡路景観園芸学校㉒

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庭木管理の理論と実践 講師 大藪崇司専任教員 斎藤靖浩非常勤講師 兵庫県立淡路景観園芸学校

庭木管理の理論と実践 

兵庫県立淡路景観園芸学校は、

1月は年始の休業等の関係で講座がお休みでしたが、2月から再開です。

兵庫県立淡路景観園芸学校にやって来ました。

今日のの講義は「庭木管理の理論と実践」です。

講師は大藪崇司専任教員と斎藤靖浩非常勤講師です。

斎藤靖浩さんは本校の卒業生で、

卒業後に造園業界へ転職したそうです。

庭木管理とは 理論と実践 キャンバスでの実践 常緑樹の剪定実習

いよいよ、実践です。

装備を整えて説明を聞き、剪定を行います。

樹木の剪定は、このように上から順に剪定します。 

脚立の扱いについても説明を受けます。

道具の使用方法については、正しく知っておかなければ

事故につながることもあります。

まずは常緑樹からです。

景観園芸学校のキャンパスの樹木を使っての実践・実習です。

一口に「庭」と言っても、その範囲の幅は大変広いものです。

個人の自宅の庭から大きな庭園まで、実に様々です。

庭の大きさの種類としては、下記のように分けられます。

・坪庭(塀や垣根、建物で囲われた小さな空間に設えた庭のこと)

・家(いえ)庭 ・・・ 猫の額(ひたい)ほどから大邸宅まで

・庭園    ・・・ 大名庭園、お寺の庭、公園、緑地、テーマパークなど

庭木管理作業の種類

庭木の管理にはいくつかの種類があり、その時期も重要です。

大まかには、

・剪定・伐採・施肥・薬剤散布・草刈り・雑草対策 などがあります。

今回は、その中の「剪定」にスポットを当てた講義と実践になっています。

庭木管理の理論と実践 選定は必要?

庭木の剪定は必要でしょうか?

答えとして、「人間側の都合としては必要」ですが、

「樹木側の都合としては不要」ということになります。

例えば、景観や実用性、心理的な観点から選定をするのはすべて人間側の都合、

ということです。

では病害虫の駆除や予防についてはどうなのか、という疑問が出てきます。

しかし、これに関しても樹木は進化の過程で色々な対策を取っています。

そのため、剪定の方針、つまり見立てとしては

各々のバランス(切る人・施主・樹木)を取りながら、

剪定の程度や方針を決めることになります。

まず全体の姿をデザインします。

剪定とは 剪定の利点

剪定とは、

・木の枝を切ること

・大きくならないよう枝を切ること

・数年後のイメージをして枝ぶりをつくること

・花を咲かせるよう枝を切ること

このような意味があります。

こうすることで、人間側の都合として、方針を決めて木をコントロールするのです。

次に、剪定の利点(と言われていること)です。

①木を小さくする

②木の生長を抑える(樹勢を抑える)

③木の姿、枝ぶりが美しくなる(いい感じになる)

④葉量を減らすことにより、心理的圧迫が減る(スッキリする)

この4つは見た目や人への心理的働きかけが主な理由です。

・葉量を減らすことにより、病害虫を減らすことに繋がります。

 葉量を減らすことは日当たり改善、虫が鳥に見つかりやすいからです。

 ハチの巣が減る、といった効果もあります。

・風圧面積を減らし、倒れにくくする

・枯れ枝の自然落下を防ぐ

・移植時に枯れにくくする

・古い枝を新しい枝に更新(またはその逆)

後半の5つは庭木を楽しむために役に立ちます。

剪定作業の良さと潜む危険

剪定作業には単なる利点だけではない良さもあります。

・季節を肌で感じられる

例えば、暖かさ、涼しさ、風、虹、花、新緑、鳥や虫、カエルを見つけるなどです。

・自然な中で体を動かすことになるので、健康促進、

ダイエット効果、などが期待できます。

・細かな設計の図面が無く、自分のセンスで作れるので、

クリエイティブなやりがいがあります。

・喜んでもらえる

・木に登れて、高いところにも行ける

選定に必要な道具を積んだトラックも到着しています。

剪定は危険を伴う作業であることも忘れてはいけません。

・高さがある場所では落下の危険があります。

人だけでなく、刃物を落としてしまうこともあります。

・刃物(植木ハサミ、剪定ハサミ、刈り込みハサミ)使用中のケガ

・機械、重機(トリマー、チェーンソー、刈払機、クレーントラック)を扱うことの危険

・野外における気象や有毒生物の危険、

例えば、熱中症、大雪、蜂、蛇などです。

庭木管理の理論と実践 剪定の方針 どんな姿にするのか

庭を自分の好む状態にしていくために、

どんな姿にするかを決める必要があります。

・大きさ(高さと幅)を決める

・葉量をどのくらいにするか決める

・全体の雰囲気を和風にするのか洋風にするのか決める

・自然樹形にするか整形樹形にするか決める

これによって、庭の雰囲気は大きく変わります。

庭木管理の理論と実践 剪定時期

次に重要なのが、選定の時期です。

剪定時期は、大まかに落葉樹と常緑樹で違っています。

・落葉樹 : 落葉しているとき(休眠期)が最も適していて、猛暑期は適しません。

・常緑樹 : 春の芽出し前と秋(寒くなる前)、初夏(暑くなる前)が適しています。

常緑樹も、厳冬期や猛暑期は適していません。

但し、これらは目安、参考として覚えておくのが良いようです。

ところで、植物の「生長」と「成長」の違いとは何でしょうか?

・生長 : 植物が育って大きくなること

・成長 : 動植物、物事の規模などが(育って)大きくなること

こんな風に分けて考えられます。

「生長」は植物のみを指していますが、「成長」は非常に幅広く使われます。

また、植物が育つということは、太くなること(肥大生長)と

先端が伸びること(伸長生長)だけで、枝の位置は変わりません。

庭木管理の理論と実践 剪定技術 忌み枝 枝抜き 刈り込み

剪定とは、方針で決めたサイズからはみ出した枝を抜くことと、

忌み枝を切ることを指します。

「忌み枝」とは、不要な切るべき枝のことで、

枯れ枝・徒長枝(立ち枝)・内向枝(ふところ枝)・交差枝・並行枝・下り枝・

ひこばえ(切り株や根元から生えてくる若芽)・

幹吹き(胴吹き)(太い枝を切り詰めて新しい枝を出すこと)・混み枝 などがあります。

庭木管理の理論と実践 剪定技術 どこで切るか

剪定の際、どこで切るのかも重要です。

・枝抜き : 枝の分かれ目の付け根(股のところ)で切ること。

 これは、切りやすい枝の途中で切る(ぶつ切りと言う)と、切り残しの部分が

姿を悪くする上、その部分が枯れて腐朽が枝の内部に入り込みます。

・刈り込み : 葉が少し残るところで切ること。

 浅く伸びたところだけ切っていると、木が年々大きくなります。

逆に葉が無いところまで切ると、枝だけになって姿が悪くなります。(丸坊主)

ただし、大きくなりすぎて小さくしたいときにはこの方法を使います。

これを「切り詰め剪定」と言います。

剪定技術 針葉樹と広葉樹

針葉樹と広葉樹も、その性質の違いから、選定方法も変わってきます。

・針葉樹 : 必ず葉や芽を残して切ります。

 葉や芽が無いところで切ると新しい芽が出ず、その枝は枯れてしまいます。

・広葉樹 : 葉や芽が無いところで切っても、新しい芽が出る可能性があります。

 それを潜伏芽、不定芽といいます。

 但し、芽が出るかどうかは時期、日照、木の年齢などによります。

剪定技術 剪定難易度

樹木の剪定にも、難易度のランクがあります。

クロマツやアカマツの剪定が最も難易度が高く、

自然樹形の枝抜き、仕立て物刈り込み、生垣刈り込み、

低木刈り込み、草抜き・そうじ、という順番で難易度は下がります。

庭木管理の理論と実践 キャンバスでの実践 松の剪定実習

続いて、難易度が最も高いと言われている松の剪定の実習に移ります。

松もやはり上から剪定を行います。

全体的に松の枝ぶりをチェックしながら、どの部分を落とすかを

決めていきます。

松は成長が早いので、あっという間に枝先が伸びていきます。

そのため、こまめに剪定することが必要です。

職人さんでも松の剪定は難しいそうで、作業に時間がかかるため、

お願いするには値段も高くなるそうです。

こちらも脚立を利用し、注意しながら剪定をしました。

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2021年2月5日(金)