MBA人気に異変
2005年8月31日(水)の日本経済新聞夕刊に目を奪われました。
1面のトップに、「MBA人気陰る」という大きな文字が躍っています。
MBAというのは、詳しく言えば、経営学修士のことを言います。MBAは、Master of Business Administration の頭文字を取ったものです。
日本企業は、社員を本場のアメリカの大学院へ留学をさせ、実践的な経営手法を学んでこさせ、自社にアメリカ流の経営を導入しようとします。
しかし、海外留学をさせた社員が戻って来た場合、出来上がったMBA習得者に対して、他の企業からヘッドハンティングがかかることがあります。
派遣した企業には、たまったものではありません。せっかく育てた社員を引き抜かれては、意味がありません。
もう一つは、日本の企業は年功序列の制度が根強くあり、せっかく習得したMBAも、すぐには活用できない社内風土もあります。
こうなると、MBA習得者は腐ってしまい、自らが転職を希望していきます。
いずれの場合も、受け皿となるのは外資系の企業や、国内のベンチャー企業が受け皿になることが多いようです。
そうなると、これまで社員を鼓舞して留学に向かわせた有力企業も、このMBAの習得に対して見直しをするのも、無理も無いことです。
一方、アメリカでもMBA人気により、MBAコースは約1000校までに広がり、以前の「エリート」から、かなり大衆化しています。
日本の大学も、大学院の中にMBAコースを設け、社会人を受け入れ、通学に便利な都心でのサテライト教室を増やしています。日本でのMBA人気は、今後どのようにこの影響を受けるのでしょうか。