こごめ桜 続報

2005年3月27日(日)に、春らしい日差しが庭に注いでいます。これまでの寒くて外に出たくない北風から、人の出足を誘う暖かい春風に季節は変わっています。
今写している花は、庭に咲く「こごめ桜」です。遠くから見るとしなやかな枝に本当に雪が降り積もったように綺麗な雪柳。

こごめ桜
でも近付いて見ると、小さな花が一つ一つ可愛らしくて小米花とか小米桜という古くからの名前の方がピッタリのような気になります。

こごめ桜

梅が咲き、そして散っていく後で、次に桜の開花が待たれます。その端境期にこごめ桜は庭の艶やかさを演出してくれています。

こごめ桜

これから本当の染井吉野が街から街へ、村から村へ、山から郷へと日本列島を飾りたてていく時に、そのちょっと前、「私も忘れないでね」と、小さな声で言っているように聞こえます。

こごめ桜

かなり繁殖力が強く、細くてしなやかな枝が風にも強く耐えています。こごめ桜は、咲き終わりそしていつかは散ってしまいます。5月、6月の葉が繁ってくるころには、来年のことを考えて少し鋏を入れて剪定しておかないと、いつの間にかジャングルになってしまいます。

こごめ桜

少しカメラを近づけて見てみましょう。桜の花と見粉うばかりの美しさです。周りのつぼみは本当に米粒のように見えます。

こごめ桜

桜のつぼみとそっくりに見えます。これだと桜の花と見誤ってもおかしくないでしょう。もっとカメラを近づけて、接写してみます。つぼみの膨らみ具合を見てください。

一塊になった枝の先の花の塊は、これは桜というよりも梅の咲き方に似ています。

こごめ桜

やはり、こごめ桜は梅から桜の花が咲くまでのバトンリレーの役割を感じさせてくれます。画面上ですが、皆様よくご覧下さい。順次日替わりで変化をお伝えします。

こごめ桜

少しずつ春を感じ、恥らうような咲き方から徐々に五分咲きに進み、そして満開へと花開いてきています。モーパッサンは小説で「女の一生」を書きました。花にも艶やかな花の一生があります。

吉田兼好は徒然草で、「花は盛りに見るものかや」と書きました。 確かに満開だけが花の美しさではありません。

つぼみの頃の美しさ、風に吹かれて散っていくときの哀れをさそう美しさなども、それぞれの美しさを持っています。

こごめ桜

今日の朝から見ると、もうわずかな時間の間に花の咲き方に変化が表れています。

こごめ桜

ズームアップをし、一つの花に焦点を当てて、花の言葉を聞いてみたいと思います。

聞こえました。「見て、見て、私ってきれいでしょ」と言っているようです。

こごめ桜

さらに日が沈み、暗闇の中でフラッシュを焚き、周囲の雑音を消して花の声を聞いてみました。

こごめ桜

すると、花は「私って、めちゃめちゃきれいでしょ。誰かに見てもらいたくて咲いているのよ」と言う声が聞こえました。

全体を見渡すように、少しカメラを後に引いてみると、先ほどの私が、私がという声が、すっかり聞こえなくなり、なんだか無言の集まりのようになっていました。

こごめ桜

今日の朝は、気温が上昇しそうな穏やかなお天気です。昨夜の春の宵の一夜を、桜たちはどんなに楽しく過ごしたのでしょうか。一年に一度、やっと咲いた春の宵の一夜をきっと精一杯楽しんだのではないかと思います。

こごめ桜

これだけ花が枝を飾れば、小鳥や羽の生えた蝶たちはこの美しさに引き寄せられ、きっと花のめしべに接吻したはずです。この花と蝶の恋はどのように実るのでしょうか。

こごめ桜

花の後の影にまだつぼみがわずかに残っています。このつぼみが次の艶やかさを見せてくれる頃には、早咲きに咲いた花びらはそろそろ風を受けて飛んでいく頃になるのでしょうか。さて、艶やかさは今が盛りでしょうか。それとももっと美しくなるのでしょうか

こごめ桜

そろそろ、どの花びらが美しいか、こごめ桜の美の饗宴にも少し評価をしてあげる時期が近づいています。

こごめ桜

この花も、あの花も、どれもこれも美し過ぎて答えに困ってしまいます。

こごめ桜

このこごめ桜をデザインして、赤い布地に白い花を咲かせ、美しい乙女に着せてみればきっと日本の美の伝統が蘇るのではないかと思ってしまいます。一つ一つのつぼみが咲きそろうと、もう綿のような塊になり、向こうの方が見通せないほどになりました。

こごめ桜

こごめ桜は風もないせいなのか、なかなか散りません。もちろん散って欲しくはありません。

今日咲いているから明日も…と思っているうちにいつか朝起きて見れば、夕べの風があのかわいらしいこごめ桜の花びらをどこかに連れて行ってしまうのでしょうか。

今年のこごめ桜の美しさはしっかりと記憶に残し、そしてデジタル上でたくさんの皆さんからその美しさを愛でてやっていただければ、きっとこごめ桜は私に「ありがとう」と言ってくれると思います。