なぜ、沖縄の最低賃金は全国最下位から脱せたのか。

投稿No:7968

沖縄の最低賃金は平成30年10月3日に737円から762円に改正されました。第169回沖縄訪問(4)

沖縄の最低賃金は全国最下位でした

これまでは沖縄県の最低賃金は全国最下位でした。 

ところが、沖縄県の最低賃金は鹿児島県を抜いて、
全国最下位から脱出しました。

沖縄県にいると、このニュースがテレビで放映されていました。

2018年10月の沖縄県の最低賃金は762円、
深夜割賃金は953円になりました。

最低賃金上昇の要因

最低賃金が上昇した理由をいくつか挙げていました。

最低賃金は上昇する理由は、一重に人手不足が原因です。

アベノミクス効果もあって、全国的に人手不足は、顕著になっています。

全国的に言える事は、インバウンド需要による人手不足です。

海外からの観光客が急増し、観光客の皆さんへのサービスの提供に
人手が必要になってきています。

商業施設ライカム

沖縄特有の要因は、沖縄の基地返還が一部進み、
在日米軍専用ゴルフ場だった泡瀬ゴルフ場跡地返還された跡地に
新しい商業施設が出来たことです。

その広さは約53,000坪の敷地面積です。

ライカムの商業施設は従来に比べて規模が大きく、
商業施設に入るテナントの数も多いので、
そこで働く人達への特需が発生しました。

新しく入った店舗は、なんとか人材確保をする為に、
手っ取り早く他の商業施設で働いている人達を
これまでより高い賃金で募集したために、労働力の流動化が進みました。

これまで沖縄の賃金は低かったので、より高い賃金を提示すれば、

そちらの方に労働力が移動するのは、当然のことです。

あおりを受けて、既存の商業施設では人手不足を起こし、
アルバイトやパート従業員を引き留めるために、
ライカムに対抗出来る水準の賃金の引き上げる対抗策も出ました。

少ない若者の労働力を巡って、これまでの既存の商業施設と、
新興の商業施設が従業員の奪い合いの為に、賃金の価格競争をした結果、
最低賃金は大きく変動しました。

根底には、少子化と高齢化があります。

出生人数が減少し、若い人達の労働力が少なくなっています。

これに反して、段階世代や段階ジュニアの世代が高齢化を迎え、
労働市場から撤退しています。

こうなると、枯れ草に火が付いたように、
人手不足の切迫感は炎のように燃えてきています。

外国人労働者にも特需の恩恵が

労働力不足の逼迫感が顕著になった結果、
その補充を海外からの留学生に求めています。

これまで、海外からの研修生は、沖縄の人達より、
やや低い賃金で働いていましたが、研修生達が英語が話せる
ということが有利に働き、労働市場環境が変わってきました。

ライカムがオープンしたとき、商業施設に行ってみましたが、商業施設の大きさに驚きました。

これまで、米国軍の軍用施設に使われていた土地は広くて、
更地の状態で返還されたので、商業施設を作るには、
たっぷりと駐車場がとれています。

沖縄の那覇や、沖縄市のような市街地には、
まとまった空き地がありませんでした。

それが基地返還によって、新たに広大な商業施設が生まれたので、
計画的な商業施設が出来ました。

この結果、沢山の店舗が入居し、店舗に働く人の労働特需が発生しました。

沖縄の街にも、観光地にも、海外からの観光客が目立ちます。

観光客の増大は、ホテル、飲食店、土産物、テーマパークなどに、
新たな需要を生み、ここにも労働力不足が発生しました。

このように、あれやこれやの要因が相乗効果となり、
全国最低の賃金を引き上げ、念願の全国最低を脱することが出来たそうです。

沖縄の賃金はまだまだ上がりそうです。

反面、これまで賃金が安かったので、物価も内地に比べると低く
抑えられていましたが、所得が上がれば購買力が増大し、
やがては物価を押し上げていく要因にもなります。

最低賃金の上昇は、これまで時給で働いていた人達の賃金が上がったので、
沖縄の正社員で働く人達の賃金までがあがったわけではありません。

不安要因

アメリカのトランプ大統領が仕掛けた中国への貿易摩擦の解消のため、
関税を大幅に引き上げたので、経済の先行きは波乱要因を含んでいます。

2018年10月11日にはニューヨーク株の下落により、
東京市場も大きく値下がりしました。

2008年10月のリーマンショックから10年、 
そろそろ株価の値下がりが起きてもおかしくない時期にきています。

中国が景気減退をすれば、沖縄にも影響がすぐに伝わって来そうです。

最低賃金の引き上げは喜ばしい事ですが。手放しで喜ばれる状況ではないようです。

まとめ

沖縄は観光客の増大で、サービス産業を中心に労働需要が
増大してきていました。

そこにアメリカ軍の施設の返還があり、返還された土地は
新たな商業施設ライカムが誕生しました。

ライカムは市街地ではできなかった大型商業施設で、
一度に多くのテナントが入居したため、労働市場に特需をもたらしました。

その結果、時給単価を上げて既存の店舗からの引き抜きをしてまで
従業員確保を促し、その結果鹿児島県を上回る時給となり、
全国最下位から脱出しました。

2018年10月


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