観光旅行では行かない沖縄の自治公民館 前兼久区交流施設

観光旅行では行かない沖縄の公民館には、『公立公民館』と、『自治公民館』の二種類があります。字が経営するのは、自治公民館です。 第157回沖縄(9) 

沖縄の字が経営する自治公民館

沖縄の市町村の行政単位の中に、さらに細分化された地域組織として、字(あざ)あざがあります。

恩納村には15の字があります。

字には地域住民が集まる集会所である公民館があります。

公民館を管理運営しているのは、字の選挙で選ばれた区長です。

恩納村前兼久では、公民館が古くなったので建て替え工事が進んでいます。

恩納村前兼久公民館は、前兼久漁港に隣接する、グランドの一部を利用して、新築工事が進んでいます。

2015年秋から始まった公民館の新築工事は、段々と建物の概要が見えてきました。

完成予定は2016年の8月頃です。

恩納村前兼久に出来る新しい公民館

恩納村の人口はおよそ1万人、その15の字の一つである前兼久の人口は、800人強くらいです。

人口800人くらいの地域に、これまでの公民館より、遙かに充実した新しい交流施設が建設中です。

観光旅行では行かない沖縄の字には、各地に集会所や、図書室、体育設備、調理場などの整った施設が建設されています。

内地に住んでいると、沖縄の公民館が地域の住民に果たす役割はなかなか理解できませんが、

ここ沖縄では各地に公民館があり、公民館は字に住む人達の交流の中心場所になっています。

沖縄に公民館が建てられる理由

沖縄では、どうして公民館が各地に建てられているのでしょうか?

沖縄の公民館には、『公立公民館』と、『自治公民館』の二種類があるとされていますが、多いのは『自治公民館』です。

沖縄には、市町村の下に、各地区に字があります。

字に住む地域の住民の方が、自分たちの集会所に作ったのが、自治公民館です。

財源は字が持つ土地が主な財源です。

土地を米軍に貸している場合は、毎年賃貸料が字に入ってきます。

このほか、ホテル、ゴルフ場などの広い敷地が必要な施設に字の土地を貸していることが多くあります。

沖縄自治公民館が出来るまで

沖縄に自治公民館が設置されるようになったのは、沖縄の歴史的な経緯があります。

沖縄は長らく米軍統治下にあり本土復帰までの間は琉球政府が置かれていました。

琉球政府の時代には、日本国政府の法律は適応されませんでした。

日本では1949年から、公立公民館の建設が始まりましたが、沖縄には適用されませんでした。

1953年に琉球中央委員会議決により、各市町村に一ヶ所、公民館を設けることが謳われました。

しかしその財源はなく、集落の努力により字が経営する公民館を建てるのが一般的でした。

1970年迄には、各地の字の建てた公民館の数は、638となりました。

このように、字が経営する公民館は、地域の自治組織であり、地域共同体の役割を担っています。

公民館での行事とそれに伴う管理

観光旅行では行かない沖縄の公民館ですが、公民館では年中行事のお正月、清明祭、ハーリー、エイサー祭、敬老会、など、皆さんが集まる集会所の役割をしています。

公民館に付随した運動場があります。

運動場では野球、陸上競技、ゲートボールなどに利用されていまし。

夜には照明があって、夜間の練習、プレーができるようになっています。

体育館は集会場の役割の他に、文化サークル活動として、踊り、お稽古事、

習字などの講習会が開催されています。

勿論、運動施設としてバレーボールや室内グランドボールなどの球技ができる施設です。

公民館を管理するのは、字の区長であり、区長は市町村の下部組織の役割を担っています。

恩納村前兼久でも、公民館の役割は、地域住民の生活に密着しています。

字の行事は公民館に集まって、地域の住民が結束して行われます。

区長は村長に代わって、きめ細かい住民サービスを行います。

例えば、小学校へ入学する時には、区長が新入生の自宅にお祝いに訪問します。

お祝いごととが有れば、住民を代表して、区長は祝賀会をします。

弔事があれば、区長は葬儀の采配までも、きめ細かくしています。

弔事には観光旅行では行かない沖縄のお葬式が行われています。

京阪神で生活している市民から見ると、沖縄の字は地域共同体であることが分かります。

公民館建設の財源

古くなった公民館を新しく建て替える時には、これまで字で蓄えてきた、字

が持っている公有地から得られる借地料や、長年の預貯金を使って、新築の

計画を計り、地域住民の意見を聞いた上で、詳細な設計計画が求められました。

米軍に土地を摂取されている場合は、賃貸料が日本国から入ってきます。

新しい前兼久公民館では、小規模な体育館設備が設けられています。

これまでの前兼久公民館は、沖縄独特の自治公民館でした。

今建設中の公民館は区交流施設なので公立公民館の位置づけになるようです。

内地と比較してみても、比較対象のないような歴史的な経緯から生まれています。

2016年8月には、前兼久公民館の落成式が予定されています。

その時にはぜひ、松葉博雄も出席したいものです。

2016年2月2日(火)


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