もとぶ南蛮窯 カフェ阿吽(あうん)は、ヤンバルの森の中にひっそりとありました。もとぶ南蛮窯の看板を頼りに見つけたカフェです。
投稿No:7899
カフェ阿吽は、一年に一度もとぶ南蛮窯を炊きます。登り窯にいっぱいになるほどの作品を積めて薪を燃やし、昼夜をかけて1800度の温度に高めていきます。 第167回沖縄訪(10)
奧さんが永らく憧れていたピザ喫茶の「花人逢(かじんほう)」が溢れるほどの順番待ちだったため、諦めて次のカフェを本部の丘で探して回りました。
本部の山岳地帯はアップダウンが続き、一つの峠を越すと、また谷底に下りて、次の峠を越えるような山岳地帯です。
道の両脇には、沖縄の植物が自然に生えていて、観葉植物に使えそうなポトスとヘゴヤシがごく自然に生い茂っています。
山岳地帯の隠れた場所に、ポツンポツンとカフェが存在しています。
頼りは標識や看板です。
看板がなければ、とてもヤンバルの森の中では、木に隠れて見つかりません。
偶然見つけたのは、もとぶ南蛮窯カフェ 阿吽(あうん)です。
奧さんは焼き物にも興味があるので、南蛮窯の看板に興味が出ています。
私も沖縄の焼き物は好きなので、南蛮窯の看板の案内に従って、お店を探して辿り着きました。
先ほどの花人逢と比べ、カフェ阿吽は落ち着いたお店でした。
お客様は一組だけでした。
JALの機内誌に紹介された結果、一方は大賑わい、他方、マスコミがまだ取り上げていない阿吽の方は、ヤンバルの森の中にひっそりと存在するカフェでした。
南蛮窯を見ると、登り窯のようです。
窯を炊くためには、沢山の材木が必要です。
窯の周辺には、この辺りで集めた木を、窯に入るサイズに切りそろえて、山積みして乾燥させていました。
庭の周辺は、ヘゴヤシとバナナの木が生い茂り、鳥の声も聞こえて、沖縄の雰囲気を味わうには、格好の環境でした。
母屋の外側にはテラスがあり、テラスに席を選んで着席しました。
テラスからは、山の木の向こうに、瀬底島や本部の町があるようですが、残念ながら、生い茂る木に阻まれて見えません。
私が奧さんに強く勧めたのは、氷ぜんざいです。
私はコーヒーを注文して、奧さんは氷ぜんざいを注文して、それを少しおすそ分けしてもらいました。
沖縄の金時は、あずきの大きさが違います。
内地の氷金時なら、北海道産の小さな小豆を使います。
沖縄の金時は、通常の小豆の3倍も4倍もあるような大きな豆を使っています。
これは米国産の小豆です。
山盛りになった氷を掘り下げていくと、下の方に大きな米国産の小豆が顔を出します。
味見として、普段食べない小豆を食べてみました。
それほど強い甘さはなく、ほどほどの甘さなので、少しなら小豆も食べることも出来ました。
カフェ阿吽の女性のオーナーの方に、南蛮釜はいつ炊くのですか・?と尋ねてみると、一年に一回だそうです。
登り窯を炊くときは、釜の中に入れる陶芸の作品が沢山揃っていないと、釜を焚く値打ちがありません。
陶芸作品は、日常的に使うお皿、お椀、コーヒーカップ、花瓶などの器が中心です。
1800度に温度が上がるまで、乾いた薪をどんどん投げ入れて、釜の熱を高めていくので、昼夜寝ずの晩で薪を投入するそうです。
話を聞いていると、一年に一回窯をたくだけでも、その準備を考えれば、全てが重労働の結晶です。
作品は展示されて即売されていました。
若いときなら買うのですが、もう家財が増えると整理に困る年代になったので、陶器は見るだけでした。
2018年7月22(日)