名護市の郊外から、大宜味村に向かっています。郊外の家では、昔ながらの防風林が残っています。
大宜味村字津波は、あっては困る地名です。津波という名前が、なぜ地名になったのか、不思議です。 第147回沖縄訪問(11)
国道58号線を走っているだけでは、沖縄の生活は見えません。国道58号線から、民家のある細道に入っていくと、沖縄の生活文化に触れることができます。
松田光正さんが、案内してくれている場所は、国道から離れた、防風林に囲まれた地区です。
沖縄には、ほとんど毎年のように、台風がやってきます。今は鉄筋コンクリートの頑丈な家が多くなりましたが、家の周りには、昔のままの台風対策が残っています。
台風には、家の周りを、風が吹き付ける方向に、石垣を積み上げる方法がありますが、もう一つは、防風林です。
写真のフクの木は、一つの根からいくつもの枝分かれをして、風に対して強い木となるように、順応していることが分かります。
≫2004年8月
防風林として、フクの木を植えています。フクの木の防風林が有名なのは、本部の備瀬の集落です。
家の周りを石積みやブロックで囲い、さらに防風林を植えて、台風の暴風雨を防いでいたのが、沖縄の普通のお家の建て方です。
今では、このフクの木は、日当たりが悪いという理由で切り倒されています。
次に行った場所は、沖縄では珍しい、観光屋形船のある港です。50人位が乗れる屋形船が、名護湾を就航します。船の中で料理をいただき、歌を歌ったり、三線を奏でたり、演奏を聴きます。
すぐ近くには、アジサシが群れになって飛び交っています。アジサシの群れは、ミジュン(鰯)を見つけ、空から攻撃して、鰯を捕獲しています。ここにも生きているもの同士の生存競争が起きています。
そろそろお昼時で、ヤンバル地方に行く前に、名護の周辺で食事をしておかないと、ヤンバルに行っても食堂はなかなか見つかりません。
一軒の魚屋さんに寄って、刺身とご飯を買おうと思って中に入っても、ご飯がありません。魚屋さんに、近くの農家から、トマトの委託販売が届いていました。ビニール袋に一杯入って、わずか300円です。
松田光正さんが案内してくれたのは、ヤンバルに入る前に、ここが最後のレストランと言われる、大宜見村字津波の、レストラン&民宿の「マリン(代表者 玉城良治)」です。
選んだのは、魚のあんかけ定食です。
魚のあんかけ定食には、刺身と、サラダ、漬け物、ご飯、汁椀が付いています。
沖縄の定食は、安くて、品数が多くて、ボリューム一杯です。若いときなら、ご飯のおかわりもしていた時もありますが、今はご飯をなるべく少量にして下さいと、お願いするようになりました。
2014年6月2日(月)