コンタクトレンズの販売施策は、医療か、営利か? 医療系の販売施設を大切にする考えと、量販店を大切にする考えとの違い
投稿No:8486
コンタクトレンズの販売施策は、医療か、営利か? 医療系の販売施設を大切にする考えと、量販店を大切にする考えとの違い 医療か、営利か? コンタクトレンズの市場シェアはゆっくり変化しています。
医療か、営利か?
コンタクトレンズは高度管理医療機器に指定されています。
コンタクトレンズの製造・販売に関わる企業には、
コンタクトレンズは医療か、営利か?
という問いかけは、長らく続いてきている課題です。
支払日の日に、この医療か、営利か、という話題になりました。
2019年12月、今年最後の支払日は、
予定を早めて、23日(月)に支払いを繰り上げしました。
時代が変わったことを感じました。
震災より前、1970年代や、90年代はじめの頃は、
営業最終日は12月の末になるまで、販売を行っていました。
三宮の街は12月31日の一年の最終日まで賑わっていました。
それがだんだんと年末最終日や繰り上りになり、
年末年始のお休みは、3日程度か一週間、
もしくは一週間以上と、長くなるような企業が増えてきました。
医療性を重視するメニコン
コンタクトレンズは高度管理医療機器である
という考えを重視するメニコンは、安全哲学を唱えています。
コンタクトレンズの装用を、
安全性を確認しながら、継続していく考えです。
それを、システムとしてしているのが、
定額制会員制のメルスプランです。
2019年には、メルスプランの会員数が130万人を超えました。
メルスプランが始まる前は、購入したコンタクトレンズは、
長く使うほうが、
経済的なメリットがあると考えが支配的な考えでした。
長く続けようという考え方から、
傷や汚れがひどい状態での継続使用や、
使用期間が定められているレンズを
期間超過して使用するなど、
コンプライアンスの低下が見受けられました。
メルスプランでは、眼科医の判断により、
コンタクトレンズはいつでも交換ができ、
より良い状態で使い続ける事ができるシステムです。
料金に負担が掛からないなら、
早く替えないと損と言えるようになったのです。
清潔なレンズを使うほうが、眼には安全なのです。
シードが東レの国内総代理店に
シードからは、東レのレンズを受け継いで、
国内総代理店にシードがなることを案内されました。
つい、東レの思い出話になりました。
東レのやわらかハードシリーズ
ブレスオー® ハードCLは、一定の人気のあるレンズでした。
東レはソフトレンズを開発し、
そしてその技術力で
使い捨てレンズを開発するほどの技術力を持っていました。
東レは使い捨てレンズを
市場に上梓するかどうかを社内でもかなり議論したそうです。
最終的には、当時の社長の決断で、
使い捨てレンズに経営資源を投入するよりも、
海水を淡水化する事業のほうへ資金投入を選んだ
という経営判断を後日知りました。
もしあのとき、
東レが使い捨てレンズに経営資源を投入していれば、
コンタクトレンズ市場は歴史が変わったかもしれません。
得をしたのは、アメリカ企業のジョンソンエンドジョンソンです。
ジョンソンエンドジョンソンは、
コンタクトレンズにまったく関係のない企業でしたが、
オランダのベンチャー企業から
使い捨てレンズの基本特許を譲り受けて、
その後使い捨てレンズでは、
世界のトップ企業になりました。
アルコン 対面販売重視
アルコンの冨山芳明さんは、
アルコンがコンタクトレンズのケア用品のオプティフリーを
日本に最初に導入するときの西日本の担当者でした。
我が社は、アルコンがまだ正式に
液体消毒のオプティフリーの販売許可を取る前から、
液体消毒は厚生労働省から許可されることを見込んで、
冨山さんと販売開始の準備を始めていた時のことを思い出します。
アルコンは今、チバビジョンを買収し、
ケア用品からコンタクトレンズ自体を製造販売する企業になりました。
アルコンのコンタクトレンズ販売の基本方針は、
医療性重視の対面販売にあります。
医療機関と連携した販売店で、対面販売を行って、
ユーザーの安全性を重視した販売方法です。
コンタクトレンズの原始ユーザーを作るのは、
医療機関である眼科です。
眼科と提携したコンタクトレンズ販売店を大事にして、
お客作りに貢献してくれる取引先を大切にしようとしています。
ボシュロム 対面販売重視
ボシュロムの嶋岡さんも、
アルコンと同じように対面販売を重視しています。
眼科と提供している販売店を
ボシュロムは大切にしようという考えに基づいた販売行動をしています。
ボシュロムのアクアロックスは、
装用感が良いので、市場シェアを高めてきています。
我が社がソフトレンズを最初に扱ったのは、ボシュロムからでした。
それは1971年で、わが社が創業したときとほぼ同じ時期です。
医療性を重視したコンタクトレンズメーカーは、
数をこなして利益を稼ぐという営利性を犠牲にしているので、
目立たない存在ですが、
高度管理医療機器を扱う企業としては、
大切な経営理念を持っています。
ジョンソンエンドジョンソン
ジョンソンエンドジョンソンは、
担当者が交代するという挨拶がありました。
2019年12月23日(月)