松茸 2019年の値段は ?  岡山県美作市平田商店、美作屋、キノコの里の松茸

投稿No:8418

松茸の値段は ? 岡山でも松茸はどんどん希少になっています。

松茸の値段 現地調査

そろそろ、松茸の最盛期を迎えます。

10月の中旬ごろになると、松茸の販売所から案内のハガキが届きます。

美作市の湯郷温泉地区には、地元産松茸の販売所がいくつもあります。

会社のお休みの日に、中国縦貫道路を走り、美作インターにおよそ2時間で到達しました。

今日の松茸の現地価格調査は、4軒の販売所を予定しています。

松茸の値段 彩菜茶屋(さいさいぢゃや)

最初の彩々茶屋には、松茸はありませんでした。

今年は、まだ松茸が入荷してきていないそうでした。

松茸の値段調査 きのこの里

次に訪れたのは、きのこの里です。ここに来たのは、今回が初めてです。

道路沿いにきのこの里のテントが張られていて、松茸の幟が風になびいていました。

車を止めてキノコの里のお店に入っていくと、正面の陳列台の最上段に立派な松茸が展示販売されていました。

とても巨大な松茸です。一本で21,500円もする、巨大な松茸です。

この松茸の大きさには驚きました。

その隣には、蕾が5本入って、同じく21,500円の松茸が販売されていました。

巨大な松茸と、粒ぞろいの蕾の松茸の二つに驚いて、お店の方に「こんなすごい松茸、どこから集まるのですか?」と尋ねてみました。 

美作市だけでは松茸の量は確保できなくて、岡山県北部の高梁市、新見市の方まで仕入れに行っているそうでした。

きのこの里は、美作市湯郷地区では、老舗の松茸屋さんだそうです。

一番古いのは平田商店、二番目がキノコの里、そして三番目が美作屋です。

松茸は、美作だけでは需要を賄いきれないようです。

岡山県下全域に赴いて、松茸の入札に参加して、マツタケを集めてくるのです。

生産者組合の組合員に加入していると、入札に参加できるそうです。

松茸の商売は、仕入れ力が一番大事のようです。

これから他のお店も見てくるので、キノコの里では手頃な松茸を選んで購入しました。

松茸の値段調査 美作屋

美作屋のお店に寄ってみました。

美作屋さんからは、2019年には案内のハガキが来ていません。

美作屋のお店の意見では、今年は松茸の値段は昨年並みですが、マツタケの数量そのものは少ないそうです。

松茸の数量が少なくなれば、需要に対して供給不足になるので、松茸の値段は上がりそうですが、1キログラムが10万円を超えると、さすがに買い意欲は減退して、売れなくなるので、10万円を超えることはないようです。

展示している松茸の数も、わずかしかありません。 

松茸を購入する方は、ご自分の家で食べる松茸と、贈答用に使う松茸との、二つの求め方があるそうです。

家庭用の場合は、買いやすいように、やや価格を低く設定しています。

そのためには、傘の開いた松茸や、すこし虫食いにあっているような松茸が、家庭用に選ばれます。

美作やの陳列台には、あまり出ていませんが、奥の方に沢山マツタケがありました。

「その松茸は、販売しないのですか?」と尋ねると、すでに予約が入っている方の松茸や、明日の為の松茸などで、今日売ってしまうと、明日が困るようです。

松茸の値段調査 平田商店

平田商店に寄ってみました。

平田商店の社長さんには、私の電話は登録されていて、電話をするとすぐに、松葉さんと分かってくれます。

平田商店は、美作市では一番の老舗の松茸屋さんです。

平田商店の店頭でも、マツタケの数はわずかしかありませんでした。

松茸の値段 1キロ当たり 高級松茸10万円 中級松茸7万円 並4万円 

今年の松茸の相場は、蕾で贈答用の最高な松茸は1kg7万円~10万円くらいです。

虫食いでない小ぶりの松茸で、1本が5000円前後になります。

持ってみると軽い松茸ですが、はかりにかけると表示価格は5000円程度なので、驚きます。

中級品の松茸は、1kg5万円程度です。

そして家庭用の傘の開いた松茸や虫食いの状態の松茸は、1kg3万5000円~4万円程度です。

松茸は平田商店で購入

平田商店の松茸が一番良かったので、平田商店から贈答用の松茸をここから発送してもらいました。

平田社長からは枝豆とみかんを、おまけにいただきました。

商売は、愛想、気遣い、信用、感謝の気持ちなどが大切です。

松茸の価格帯の線引き、分別はどのようにするのでしょうか。

平田商店の社長さんは、松茸一本一本を瞬時に識別して、どのクラスのまつたけなのかを見分けます。

すべて、経験と識別力による独断です。

松茸 あるだけ全部 お買い上げの電話注文

持ち帰り用の松茸を選んでいると、平田社長の携帯電話に電話が入ってきました。

電話の主から、今ある松茸の在庫を、全部買い取るという注文のようです。

この電話があったことで、平田商店の店頭の松茸は、全て完売です。

もう、今日は閉店です。

なかなか神戸ではお目にかかれない松茸なので、目の保養に、今ある松茸を写真に撮らせてもらいました。

触ってもいいですかと許可を得て蕾を持ち上げてみると、松茸の懐かしい香りがしました。

松茸は昔は安かった

平田商店の皆さんと話をすると、やはり昔子供の頃は、マツタケは今のような高級品ではなかったという話になりました。

高校生の時、秋になると毎日弁当箱には松茸が入っていて、学校でお弁当を食べるのが恥ずかしくて、教科書で隠して食べていたという話も出ました。

確かにそうです。

中学校、高校の頃の弁当箱には、毎日のように松茸が入っていた思い出があります。

ではどうして、松茸がこんなに高級品になったのでしょうか? 

松茸の値段を高くしたのは 松くい虫

平田商店の社長の解説では、一番の原因はまつくり虫が全国的に広がった事です。

松茸山を持っている人は、田舎に行けば沢山います。

しかし、まつくり虫が松に寄生すると、松茸は取れなくなります。 

松くい虫は伝染病のように、地域の松は感染するのです。

松くい虫が寄生すると、松は枯れてしまいます。

松くい虫が蔓延してきたのは、松茸山の手入れをしなくなったからです。

家庭に都市ガスや、プロパンガスがなかった時代には、台所の燃料は、山に入って芝を集めて来ていました。

松の木の下に枯れ枝や枯れ葉が堆積していると、それを燃料にしていたのです。

もう一つは、竹藪の蔓延です。

若い人がいなくなり、過疎化が進むと、山は放置され、あちらの山も、こちらの山も竹藪になってしまっています。

見通しはどうでしょうか?

この先、松茸は回復するのでしょうか?

今日訪れた松茸屋さんは、いずれも松茸の回復については、悲観的でした。

松茸を山に入って見つける人は、よほど精通した人でないと、今の時代では、松茸を見つけること自体難しいそうです。

松茸山に入って、松茸を見つける人は、高齢化しています。

経験のない人や、経験の浅い人が、松茸山に入ってマツタケを探してみても、まず見つからないそうです。

いつまでも、あると思うな、親と松茸。

これが教訓になります。 

2019年10月17日(木)

 

松茸の値段 岡山県美作市の松茸値段調査(2018年度版) いつまでも有ると思うな親と松茸 松茸はどんどん稀少化しています。

松茸の値段 岡山県北の美作産松茸の値段は?

岡山県の松茸の2018年、今年の値段はどうでしょうか?

10月も半ばに入り気温も下がってきて、松茸の最盛期になってきました。

例年訪れている岡山県美作市湯郷の平田商店と美作屋から、今年も松茸のたよりが届きました。

神戸から中国縦貫道を走って、およそ2時間で湯郷温泉に着きます。

2018年の美作市の松茸の相場を調べるために平田商店、美作屋、彩菜茶屋(さいさいぢゃや)の三軒の松茸を見て回りました。

 

松茸の値段 松茸の平田商店

平田商店は、以前は湯郷温泉街の入り口近くに店舗を構えていました。

今年は、以前のお店に行っても店舗はありませんでした。

店舗は、美作ICの近くに移転していました。

来た道を引き返し、平田商店の移転先に行ってみました。

顔馴染みの松茸の専門家が出迎えてくれました。

マツタケ山には松茸泥棒が付きもの

ちょうど地元の農家の方が平田商店に採れたての松茸を持ち込んで、買い取ってもらっていました。

神戸のある高等学校の校長を務めていた方で、定年退職後は、この美作市で暮らしているようです。

所有している松茸の山にはロープを張って、進入禁止をしているそうですが、毎年山には入って松茸を盗む人が出るそうです。

今年も、松茸を盗んでいる現場に出会わせたそうで、相手がお年寄りだったので、大人しく松茸泥棒を認めてくれたそうですが、血気盛んな若い方だったら、取っ組み合いの喧嘩にもなることがあるそうです。

松茸泥棒は、原則警察に通報して逮捕してもらうそうですが、今回の高齢者の松茸泥棒は、警察に通報するのはなんとか許して欲しいと懇願されたので、松茸を返してもらい、説教をして放免したそうです。

松茸の値段 岡山松茸の値段は?

今年の松茸の値段はどうでしょうか?

2018年は雨が多く松茸の生育には、気候条件が良かったそうです。

例年以上の豊作で、10月に入ると松茸の値段は幾分下がっています。

特上クラスで1kgが10万円ですが、今日のところ特上クラスは展示されていませんでした。

上クラスは、1kg7万円くらいです。

並のクラスで1kg5万円くらいだそうです。

しかし、明確な記事にはある訳ではなく、一般的な判断として蕾の状態は、上クラスです。

傘が開いたり、虫食いがあれば並クラスか、さらに酷い場合は、下のクラスになるそうです。

松茸の傘が開くほど成長すれは、松茸は大きくなり重さも重くなります。

そこで、値段は7万円から5万円にまで下がるそうです。

下のクラスは陳列されていませんでしたが、程度によては1kg3万円~1万円だそうです。

平田商店は、今の社長の親の代から松茸を扱っていて、松茸80年の歴史があるそうです。

国産松茸の値段は高い 贈答用には篭盛の化粧

お店に篭盛になってた松茸が、展示されています。

竹かごに収まり、松茸の下敷きにワラビの葉を敷いていました。

こうなると一段と高貴に見えてきます。

松茸料理に欠かせないスダチもお供に控えています。

予算に応じて自分で箱の中から気に入った松茸を選んで、新しく篭盛もしてもらえます。

篭盛にして見栄えの良い松茸は、贈答用です。

自家用で家で食べる松茸は、贈答用とは少し違った松茸を選びました。

松茸の値段 平田商店

平田商店の社長は、話が面白い方です。

番頭さんはやや高齢の方で、以前に旧店舗でお会いしたことがあります。

自分の事を会長と言っていたので、本当に会長さんかと思ったら、自分で会長と称しているだけでした。

若手の方は、冗談が好きな方で

「1シーズンの松茸の扱い高は、一億円を超えるのですか?」と尋ねると、

「そんなもんではありません。一人1億を優に超える扱い高です。」

と、とても景気のいい話をしていましたが、実は、これは大ボラでした。

でも親切で、買った荷物や頂いた果物を駐車場まで運んでくれ、また来年も来て下さいと、丁寧なご挨拶を受けました。

松茸の値段 彩菜茶屋(さいさいぢゃや)

彩菜茶屋には美作市に着いた日と、泊まった翌朝の2回行きました。

美作市に着いた日には、彩菜茶屋のお店には松茸がかなり並んでいました。

値段も、1万円から5000円程度で、買いやすいように小分けして、売っていました。ここでは、贈答用の化粧はしていただけません。

これだけあるなら、明日来ても大丈夫と思い、出来るだけ新鮮な松茸を買いたい為に、翌朝行って見ると、もう売り切れていました。

いつまでもあると思うな親と松茸と、思った通りです。

松茸の値段 美作屋

美作屋は松茸のシーズンだけの店舗で、仮設テントで販売しています。

美作屋の品揃えは充実していました。

贈答用の篭盛された松茸は、蕾の松茸が多く、1パックが3万円前後~1万円前後まで予算に合わせて幅広く用意されていました。

ラップをかけていたので、松茸の匂いは拡散しないようにされています。

反面、外から松茸の匂いが確認出来ません。

しかしよく見ると、パンチで空けたような小さな穴があいています。

この穴に鼻を近づけて、篭盛の中の松茸を匂ってみると、ほのかに松茸の香ばしい香りがしてきました。

平田商店で購入するか、美作屋で購入するか、あるいは、どちらからも分散して購入するか、奧さんと相談しました。

なんとなく信頼性が高いのは店舗があって、どの家に住んでいる人か分かった方が、これからの長い取引関係には良いのではないかと思ったものです。

松茸の値段 まとめ

松茸の購入の為に美作市湯郷に来てみて感じた事は、

松茸は高価なために一本一本の値段が非常に厳しく査定されていました。

外形が同じような松茸の蕾であっても、専門家は中の状態まで推測しています。

持ってみた松茸の重さ、香りが放つ新鮮さ、虫食いの状態、乾燥の状態などを見て、値付けをしていました。

昭和30年代までは松茸は、子供の弁当箱に入っていたほど普通の食材でした。

経済成長期を迎えると、山に入る人も減少し山の世話をしなくなり、山が荒れて行きました。

農林省の指導で、松の木に代わりスギやヒノキが植林され、急激に松茸山から松茸は消えていきました。

結局、松茸は自然環境が値段を高くしたことになります。

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2018年10月14日(日)