ボシュロムビジョンケア 谷口充弘部長来社 ボシュロムは積極的なマーケティング政策に出ています。
投稿No:8389
ボシュロムのアクアロックスのテレビ広告の効果が出ています。
ボシュロム
ボシュロムの谷口充弘部長と、佐川宏武大阪所長、嶋岡邦俊さんの三名が来られました。
谷口充弘部長とは、昨年2018年11月以来です。
ボシュロムのアクアロックスは、現在テレビコマーシャルでよく見かけます。
ボシュロム アクアロックスの特徴は
1 うるおいが長持ち
16時間装用後でも、うるおいの95%を保持しています。
ハードなパソコン業務などが重なっても、レンズの乾きによるストレスを最小限にします。
2 酸素透過性が高い
高酸素透過率は163、23種類のシリコーンを組み合わせた独自の構造で、
高い酸素透過性を実現しました。
未体験の装用感が期待できます。
3 レンズ全体が薄く柔らかい
レンズ全体を薄く柔らかく設計しつつ、
エッジのさらなるスリム化を追求しています。
消費税増税に対する駆け込み需要とその反動
10月から消費税が8%から10%へ増税されます。
9月も下旬になると、増税前の駆け込み需要がゆっくり起きています。
10月に入ると、反動も予想されます。
丁度、コンタクトレンズの閑散期と重なるので、一層の冷え込みが心配です。
ボシュロムの新社長ジャンニ・コッサーさんは、マーケティングの専門家です。
そのため、ボシュロムのマーケティング活動が、以前に比べて活発になってきています。
2018年11月のブログを振り返ってみます。
ジャンニー・コッサーボシュロム社長、ダブリン大学でMBAを修得されたマーケティングの専門家です。
ボシュロムジャパン ジャンニ・コッサー社長
ボシュロムジャパン(Bausch&Lomb Japan)株式会社社長のジャンニ・コッサーさんが表敬訪問に来られました。
ジャンニ・コッサーさんは、2018年6月にボシュロムジャパンの社長に就任されました。
社長就任後、少しずつ得意先訪問を始められたようです。
予めボシュロム社と我が社の47年の歴史を振り返る簡単な挨拶文を用意しました。
この挨拶文に沿って、ボシュロム社と我が社の長いお付き合いを紹介しました。
ジャンニ・コッサー社長は、イタリアのミラノ市出身の方です。
お話をしていると、イタリア人の陽気で明るい性格が随所に出ていました。
初めてお会いしたとは思えないような、話の盛り上がりになりました。
ジャンニ・コッサー社長はMBAホルダー
ジャンニ・コッサーさんと私との共通の話題があったからです。
それは大学院で経営学を学んだという共通話題です。
ジャンニ・コッサーさんはダブリン大学トリニティーカレッジでMBAを修得されました。
その時に、客員教授で来られていたのがマーケティングの大家であるコトラー先生です。
コトラー先生にマーケティングを直接学んだそうです。
私も、マーケティングの勉強をした時、コトラー先生の文献を沢山読みました。
しかし、コトラー先生から直接指導を受けていません。
ジャンニ・コッサーさんは、マーケティングだけでなく、競争戦略論も学ばれています。
競争戦略論の教科書は、ポーターの競争戦略論でした。
これもMBAの課程では、私と共通しています。
MBAを修得した後、大学に残って博士課程を目指して、教職に就くという勧誘もあったそうです。
しかし、ジャンニ・コッサーさんが早く社会に出て、実際のビジネスに就きたいという気持ちが強く、大学院で博士課程にまでは進まなかったそうです。
MBAを修得したときの専門分野は競争戦略論とマーケティング論でした。
これも、私と同じ研究分野です。
お話しすると、読んだ本や著名な研究者の名前が一致しました。
学んだ後は、イタリアの有力な眼鏡チェーン店のマーケティングと販売ディレクター職を努められています。
話の中にヨーロッパの眼鏡市場の戦略論や、マーケティング事例が沢山出てきました。
お互いに研究の話になると、話はどんどん広がっていきました。
マーケティングや競争戦略の話が弾み、初めてお会いしたにも関わらず、大変中身の濃い話が出来ました。
我が社の商標について、木のマークの由来を説明しました。
47年前に会社を設立したとき、神戸の地域に根を張って、空から太陽の光を浴びるように、地域のお客様からの支援を得て、7つの利害関係者が共に繁栄していくように願って創った商標です。
この説明をすると、ジャンニ・コッサーさんは、47年前に私が考えた考えに感心されていました。
ボシュロム社とは47年の取引関係
今後ボシュロムの会社をどのような方向に伸ばしていくのか、基本的な戦略についてもお聞きしました。
ボシュロム社とは47年の取引関係があります。
会社を設立した1971年は、ボシュロムが日本で最初にソフトレンズの許可を得た年と同じ年です。
47年前、ジャンニ・コッサーさんは、どんなことをしていたのですか?とお尋ねすると、多分まだ生まれたばかりで、ミルクを飲んでいましたと大笑いになりました。
ボシュロムの社長が来られるのも、なかなか機会がないので、店舗の案内もしました。
3階の我が社の店舗前で、来訪記念の記念写真を撮りました。
ボシュロムの社長はこれまで何人も表敬訪問に来られています。
ボシュロムジャパンの9代目の社長
ジャンニ・コッサー社長はボシュロムジャパンの何代目の社長でしょうか?
頭の中で考えてみると、多分9代目の社長ではないかと思います。
3階本店前と、メガネ店と、松葉眼科も見て頂きました。
松葉眼科は、私の祖父の松葉眞一から始まり、母と兄に続き、今は私の子供の代になって、祖父の代から数えて100年余、4代目の世代になっていることをお話ししました。
室内にはお客様と患者様がいらっしゃったので、部屋の中はご案内出来ませんでした。
1階店にもご案内しました。
私は以前にボシュロムの本社があるアメリカのロチェスターを訪問した事があります。
ボシュロムのアイルランド工場見学にイギリスに招待された事もあります。
最近はボシュロムの得意先招待の企画は止まっています。
また、ボシュロムの本社や工場を訪問する企画が復活できたら良いですねとお話しすると、ジャンニ・コッサーさんはイタリアのミラノ出身なので、ミラノに来て下さいと言われました。
店舗視察を終えて、JRでお帰りになるということなので、JR三宮の近くまでお見送りをしました。
ご一緒に来られたのは、通訳の方と、社員の方は谷口充弘さん、大阪支店長の佐川宏武さんと現在担当の嶋岡邦寿さんがご一緒でした。
これまでのボシュロム・ジャパンの社長表敬訪問記録
2018年11月5日(月)
ここで、2019年9月20日に戻ります。
ボシュロムの基本姿勢
ボシュロムの考えは、コンタクトレンズの川上である医療機関を大切にして、医療機関でボシュロムのレンズを優先的に扱ってもらおうという考えです。
コンタクトレンズの2つの特性
コンタクトレンズの特性を考えた時、コンタクトレンズには矛盾する二つの特性があります。
一つは、商品としての営利性を追求する特性です。
この場合は、公正取引委員会が自由競争を促しています。
もう一つは、高度管理医療機器としての医療性の特性です。
この場合は、厚生労働省の管轄になります。
コンタクトレンズのこの二つの特性、営利性と医療性は、矛盾する面も持っています。
例えば、公正取引委員会は、自由競争に重点を置いて競争を促すと、もう一つの特性である医療性について問題が出てきます。
それは、自由競争では、価格競争が中心になって、コンタクトレンズが持つ医療性の特性である眼障害の予防や、眼障害の治療、安全性の啓蒙など、ユーザーへの対応が置き去りにされているからです。
厚生労働省から出されている、コンタクトレンズの安全性確保の警告も、所轄官庁が違えば、意味が希薄になってしまっています。
厚生労働省と公正取引委員会の 理念の違い
コンタクトレンズの医療性を軽んじていると、コンタクトレンズの取り扱いが日用品のようになってしまいます。
このことに関して、厚生労働省のほうから、コンタクトレンズの流通と、使用方法についてなども局長通達が出ています。
メーカーにとってみると、商品性も大事、医療性も大事という両立しない特性の狭間で悩むことになります。
そこで、ある程度は医療性が大事なのか、商品性を大事なのかを、比重をどちらにおくか考えるあとになります。
医療性に重点を置いて、高度管理医療機器としてのコンタクトレンズの扱いを販売店に求めると、その水準に、及ばない販売店に対して、流通の制限をかけると、公正取引委員会から、注意を受けることもあります。
出来ることなら、厚生労働省と、公正取引委員会は、監督官庁として、双方の理念の違いは、ユーザーには何が大切なのか、理念の整合性を話し合ったうえで、理念を調整してもらいたいものです。
ボシュロムとの48年の昔話
谷口充弘部長と話していると、48年前とボシュロムと初めて取引を開始したときの昔話になってきます。
今のボシュロムの社員の皆さんでも、知らない人たちの名前が出てきます。
ボシュロムジャパンの初代社長は、鳥越浩社長でした。
ボシュロムへ 持続的競争優位獲得の提言
私から提案したのは、現在のボシュロム社が取り組んでいる、商品による競争優位の獲得に対して、これでは、持続可能な競争優位が得られないのかという提言です。
それではどうするのか、詳しい話をしましたが、経営戦略のことなので、内容はブログでは書けません。
かなり詳しい提案をしたので、この提案が実現できるかどうか、社内で検討して頂きたいと思います。
新しいことをするには、自社の持つ経営資源の見直しをする必要があります。そして、投資も必要です。
新しいことをしようとすれば、まずは反対が起きます。
これまで、ボシュロム社には、48年前からいろいろと提言をしていますが、中々実現できていないことばかりです。
日本市場の植民地化
外資系の企業は、日本で得た利益をアメリカ国に送金するばかりです。
日本で得られた利益は、一定の水準は日本の為に、利益をユーザーのために還元するべきだと言い続けてきました。
もし48年前から利益の一部を日本の為に使っていたら、色々な施策が出来た事だと思います。
拙書「社長経営学」を贈呈
話が弾んだので、私の著書「社長経営学」を差し上げました。
これを読めば、かなりのことが分かります。
2019年9月20日(金)
ここからは、谷口部長の2018年3月のブログ記事
谷口充弘部長さんは、ボシュロムジャパン国内営業の責任者としての重責を担っています。
ボシュロムのビジョンケア営業部の谷口充弘部長が、東京本社より神戸にわざわざご挨拶に来られました。
谷口充弘部長さんとは、初めての顔合わせです。
営業部部長の立場は、ボシュロムジャパンの統括部長の立場で、社長の次に責任の重い役職です。
いつものように、いろいろお尋ねをしました。
ボシュロムに入社されたのは、およそ10年前だそうです。
当時の社長は、井上隆久社長だったそうです。
井上隆久さんは、2005年7月に我が社に社長就任のご挨拶に来られました。
その後も、企業組織文化の調査では、インタビューに答えて頂き、大変お世話になりました。
井上隆久元社長は、現在はコンサルティングの会社を経営されているようです。
谷口充弘さんの前職は、医療機器販売会社を経由し、コンサルティング会社でマーケティングの実践経験を積み、その後ボシュロムに入社されたそうです。
お話をしてみると、谷口充弘さんは、コンタクトレンズ業界に多くの知人・友人がいて、話が弾みました。
コンサルティング会社では、どんな戦略や経営理論を使って、クライアントに説明しているのか、興味があって色々聞かせてもらいました。
中心の理論はポーターの競争戦略論のようです。
コンタクトレンズの営業には、医療性と商品性の矛盾する二つの特性があります。
医療性を管理監督するのは、厚生労働省や眼科医会です。
他方、商品性を管理監督するのは、公正取引委員会や経済通産省です。
医療性を重視すれば、商品性に矛盾する事もあります。
どちらを大事にするのかは、その時その時のコンタクトレンズメーカーの責任者の判断によります。
商品性が高まりすぎると、インターネット通販のように、手軽に、いつでも、誰でも、規制を受けずにレンズを購入する事が出来ます。
しかし商品性が高まりすぎると、コンタクトレンズによる眼障害の危険性が高まってきます。
まさにあちらを立てれば、こちらが立たずの矛盾が起きてきます。
東京からわざわざ来て頂いたので、この機会にボシュロムの経営戦略をお尋ねして納得しました。
コンタクトレンズメーカーにとってみると、大切な自社の商品をインターネットで低価格で扱われると、ブランドが傷つくこともあります。
ちょっとでも沢山売りたい気持ちと、ブランド価値を高める気持ちの二者択一になります。
色々と知らなかったことを教えて頂き、勉強になりました。
和やかな面談が二時間ほど続き、これからも宜しくお願いしますというご挨拶をして終えました。
2018年3月7日(水)