宍粟市揖保川 鮎茶屋正起でおいしい鮎料理を頂きました。

プロが焼く鮎と、素人が焼く鮎は、出来上がりが全然違います。プロが焼くと、見事な出来上がりです。

揖保川の鮎は、夏の日を浴びて育った苔を食べて、順調に育っているようです。

鮎の生育は、苔次第、苔の生育はお天気次第です。

西日本は、関東に比べるとお天気に恵まれたので、揖保川の鮎釣りは、苔を食べて育った鮎釣りで、今日も賑わっています。

日曜日に、宍粟市の正起に、U君達家族と一緒に鮎料理を食べに来ました。

さんぷら通信2007年6月号で、鮎の特集をしました。

正起のお店の紹介もさんぷら通信でして、正起のお店にも見本を10通ほど贈りました。

その御礼を、正起のオーナーから言われました。

しかも、私の社長研究室の記事と、さんぷら通信の広告効果で、鮎を食べに来るお客様が増えたそうです。

以前にも、U君は正起のお店で鮎を見ていますが、今より幼かったので、はっきりとは覚えていないようです。

今年は、Mちゃんも参加です。

Mちゃんはまだ、鮎が怖くてつかめません。

U君が網ですくった鮎を、怖そうに見ています。

鮎はすぐに弱るので、網からすぐに戻してあげないと、この鮎も売り物なのです。

今年の鮎の値段は、一匹600円です。

鮎釣りを友釣りでするとき、囮の鮎は売る時も、釣った鮎を引き取る時も、600円です。

鮎の成長は、揖保川の苔の生長に関係しています。

 

あまり雨が降らない川の水の量が少ないときは、苔の生長も悪く、それを餌とする鮎の成長も悪いと言われています。

「正起」では、揖保川で鮎釣りをする人のために、おとりとなる鮎を釣り人用に売っています。鮎茶屋 正起 しょうき

天然鮎だと、700円で、養殖鮎だと、600円だそうです。

600円と700円の鮎の違いで、釣りの成果に繋がるのでしょうか?

まだ鮎の口は、パクパクと生きていました。鮎茶屋 正起 しょうき

お刺身は、すぐに頂きました。やや甘みがあって、これにビールがあればなぁ…とつい、ビールを思い出してしまいます。

座敷の前には、小さな池があり、揖保川の水を引き込んで、新鮮な水流の中で、鮎を泳がせています。鮎茶屋 正起 しょうき

鮎は、用心深い魚なので、池の真ん中に簀の子を掛けて、日陰を作ってあげると、その日陰に集まって、身を隠しています。

正起のすぐ前に流れる揖保川の川の流れは、大雨が降った後には、河川敷が変わっていることがあります。

鮎茶屋 正起 しょうき

今年は落ち着いた流れで、河川敷が変わっているようには見えません。

鮎を生かせている水槽を覗いてみました。

水温は、井戸水のように冷たく、しばらく手を浸けていると、痛い感じがするほどの冷たさです。

鮎茶屋 正起 しょうき

鮎の釣り方は、「鮎の友釣り」と言われる、生きた鮎を泳がせて、自分の縄張りにやってきた鮎を追い返そうと挑戦してくる鮎の性格を利用しています。

揖保川で育った鮎に、養殖の鮎が釣り師に操られて侵入してきた場合と、天然の鮎が釣り師に操られて侵入してきた場合に、地元の鮎は、どのように反応するのでしょうか?見てみたいものです。

鮎は、群れになって、グルグル円形に泳ぎ回っています。

鮎茶屋 正起 しょうき

突然、カメラを向けたので、少しパニックになって、行動が変わってきました。

丸い泳ぎ方から、不整形なぐちゃぐちゃとした、ぶつかりそうな泳ぎ方になります。

突然、何か起きたときに、大衆が入り口に向かって、殺到するのと同じように見えます。

鮎茶屋 正起 しょうき

鮎の太り方を見ていると、あまり大きなサイズにはなっていません。

冷たい清流の中で、身が引き締まったような、綺麗な線型の体つきです。

岩に付いた苔を捕りやすいように口は広く、歯はギザギザと鋭く広がっています。

鮎茶屋 正起 しょうき

天然の鮎のおいしさは、白身だけではなく、苔を食べた胃袋の苦みのある青々しい香りです。

さすが、香魚と言われるだけあり、鮎を触っても、手に草の香りが残ります。

食事中、突然の大雨が降り出し、少し暑かった庭の風が、雨の後、涼しい風に変わり、止まっていた川風も、扇風機を緩くまわしたぐらいの早さになってきました。食事の後、少し座敷でごろんと昼寝をさせてもらって、夏の日のひとときの暑さを忘れました。

 

ちょうど女性の釣り師がやってきて、おとりの鮎を二匹買うことになりました。

正起のオーナーは、生け簀からランダムに鮎を、たもですくって、ポリバケツに移します。

10匹ほどの鮎の中から、オーナーが選んで、二匹を女性の釣り師に渡しました。

いろいろと考えているうちに、鮎塩焼御前が出来上がりました。

塩焼に奮発して、刺身を追加料理にお願いしました。

 

揖保川の入漁料は、女性の場合は、半額だそうです。

今日は何匹くらい鮎を釣り上げるつもりですか?と予定を聞くと、10匹も釣れたら嬉しいですという意見でした。

この女性の釣り師の方について行って、鮎の友釣りを側で見たかったのですが、釣り師にとっては側に見物人の素人がいると迷惑な話です。

日曜日の正起では、客席は満席で、しばらく席が空くのを待ちました。

普段は会社の定休日の木曜日に来ていたので、席が空くのを待つ事はありませんでした。

U君のお父さんは自然派なので、揖保川の川の流れの側で、釣り人を見ながら、鮎料理を頂く今日の企画に、大満足の様子です。

U君は小学校2年になったので、もう鮎の骨を自分で取り除いて、食べられるようになりました。

Mちゃんはまだ、お母さんに鮎の骨を取ってもらいながら鮎を食べています。

鮎定食は、年ごとに値上がりしているように思います。

今日の鮎の塩焼きは、とても美味しくて、皆さん大満足でした。

頂いた鮎は、塩焼きで3匹、甘露煮で1匹の合計4匹頂きました。

鮎の焼き方は、素人とプロの差が歴然と出ます。

私が焼けば、こんなにからっと、しかも美しく焼けることはありません。

でも、多分、1ヶ月正起で、オーナーの側で焼き方の修業をすれば、鮎の綺麗な塩焼きが出来る様になると思います。

しかし、気持ちの上では、鮎を焼く係よりは、鮎を釣る係になりたいものです。

鮎の友釣りはなかなか奥が深く、そう簡単には釣れないようです。

亡くなった父の松葉章一は鮎の投網が好きで、川で鮎を獲りに行った事がありますが、なかなか家族全員が食べられるほど沢山の鮎を投網で取ったことは私の記憶にはありません。

沢山獲れた記憶は、網を仕掛けて、上流から船で、鮎を追い込む、追い込み漁の時は、数え切れないほどの鮎が獲れた思い出があります。

U君もMちゃんも、小さい時から何回も正起に来るなどして天然鮎を食べていれば、そのうちこれは天然、これは養殖と、味の区別が出来る様になると思います。