揖保川の天然鮎の成長は、川の水と日照時間に依存しています。宍粟の鮎茶屋正起は、鮎を炭火で上手に焼いています。

揖保川の天然鮎の成長は、川の水と日照時間に依存しています。宍粟の鮎茶屋正起は、鮎を炭火で上手に焼いています。

揖保川に流れる水で育った鮎は、

鮎本来の持つ草のような青臭い匂いを持っています。

この鮎は、揖保川の水量によって成長が変わってきます。

アユの食料は川の石についた苔で、

その苔が沢山ついていれば、

鮎は苔を沢山とることができて、身体が大きくなります。

水の量と並んで、鮎の成長に大きな要因となるのは、

日照時間です。

お天気で、太陽が川に明かりを照り続ける日が多ければ、

苔の生長は大きくなります。

反対に、雲の多い日が続き、日照時間が短くなれば、

苔の成長は悪くなり、鮎も苔をたくさん食べることが出来なくなり、

その結果、体長に影響します。

2016年の揖保川の鮎の成長はどうでしょうか?

正起(しょうき)では、お店の前を流れる、

揖保川で釣り上げた天然鮎を、

釣り人から買い入れています。

買い入れた天然鮎は生け簀で活かされ、

その一部は、鮎の友釣りに使う、

おとりの鮎として、一匹600円で売られています。

残りの鮎は、鮎茶屋正起の食材として、

鮎の塩焼きや、甘露煮、刺身などに使われています。

網ですくい上げた鮎をちょっと見せて貰うと、

15cm~20cm以内の小ぶりの鮎でした。

渓流を遡り、小さな滝も登り切るほどの強い元気さを持っています。

鮎茶屋正起は、揖保川の川辺に沿うように、

建物が出来ています。

この建物は、鮎茶屋正起のオーナーが、

日曜大工で作ったそうです。

川縁なので、川の風が客席にまで増えてきて、

自然の涼しさを感じます。

網ですくい上げた鮎は、人の心をもがくように、

鮎がもがき苦しんでいます。

鮎は短時間では元気ですが、少し暴れすぎると、

すぐ弱って死んでしまいます。

従って、鮎を驚かせたり、

掴んで水あげるようなことをことをすれば、

鮎は弱って死んでしまいます。

鮎茶屋正起のご主人とは二十年代の顔馴染みで、

今日も来る前に電話で予約をして、

座席を確保してやってきました。

鮎茶屋定食は、少しずつ値上がりして、

今年は2980円で、3000円一歩手前です。

ずっと前は1000円台の時代もあり、

この2000円台になり、もうしばらくすれば、

3000円台になりそうです。

あゆを炭火で焼いてみれば解る事ですが、

家庭で鮎を焼く事は、大変難しいことです。

姿がそのままで、外の皮が残ったままで、

適当な焦げ目があり、焦げすぎもしないような、

あゆの焼き方は、細かい裏返し作業が必要です。

ビールを飲みたいところですが、

車で来ているので、選んだのはノンアルコールビールです。

1シーズンで鮎の命をどれだけ頂くのか解りませんが、

鮎茶屋正起のお庭には、鮎の供養塔の碑が建てられています。

鮎定食を食べた後は、川風に吹かれて、

少しの間床に横たわって昼寝です。

帰りに出入り口で、

正起のご主人に今日の食事代のお支払いをします。

すだれが増えて、以前のように仕事場が、

カウンター越しに見えなくなりました。

もっと、鮎料理の仕事場がお客様から見えた方が良いと思います。

2016年7月3日(日)